《ameの自己紹介》
映画を始めとする映像作品には非日常を求めるタイプ。エンディングはハッピーエンド派。圧倒的な強さを誇る主人公が登場するアクションが好み。
主に利用している配信サービス:アマプラ、ディズニープラス、Netflix
好きなジャンル:アクション、SFなど
ameが選ぶ、2025年に配信で見た映画ベスト3
登場人物に嫌なヤツがいない!『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
2025年、圧倒的に一番観てよかった映画が、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』! 監督・脚本・製作・主演まで、ジョン・ファヴローがまるっと務めている本作は、とにかく気持ちの良い映画!!
なぜかというと……、

観終わったあとはこの笑顔になっているはず
登場人物に誰1人として嫌なヤツがいないんです!
そりゃ対立や衝突はあります。映画としての起承転結もしっかりあるんです。でも、それぞれの立場からすると、当たり前だよねという範囲の言動しかない! 正確にいうと、理不尽な言動をとるヤツがいないということです。
例えば、主人公であるシェフのカールと衝突するオーナーのリヴァ。彼は、これまで提供していた伝統あるメニューを続けることこそ、このレストランに来る客が求めていることだからと、新作メニュー考案に熱中するカールと対立します。
そりゃそうじゃ!(オー◯ド風)
リヴァの考えとカールのしたいことが衝突するのは、当たり前。そして、カールがレストランを去るきっかけとなった料理評論家のラムジーでさえ、「そりゃその時その状況ならそういう言動をするよね」という納得感のあるキャラクターなんです。
なんか、とにかくみんな良いヤツなんですよ。認めてくれるし、応援もしてくれるし、映画1本観ていて最後まで不快な気持ちになることなく観終えられたことなんてありますか?
映画はエンタメなので、物語の展開的にどうしても事件が起こります。それなのに、その事件に納得できて、なんだかずっと気持ちがいい。こんなに気持ちよく観られる映画、私は知りませんでした! ほかにも同じような映画を知っている方、ぜひ『singles』の問い合わせフォームから送ってください。絶対観ます。
そして、映画に出てくるキューバサンドもおいしそうすぎる!! 圧倒的米派の私ですが、しばらくサンドイッチやハンバーガーに取り憑かれました。本物、食べたすぎる……。
それもそのはず、実在するフードトラックのシェフであるロイ・チェ氏による監修のもと、パティの焼き方や盛り付けといったところまでガッツリ作り込んでいるんです! 本当にどれもおいしそうで、観終わったあとに食べたくなることをお約束します。
とてつもなく気分が良くなる映画なので、元気になりたいときや気分転換したいときにおすすめ! 誰も死なない平和な映画です。いやぁ、観てよかった!
最強な会計士による安心のアクションが楽しめる!『ザ・コンサルタント』
『ザ・コンサルタント』については、「最強ムキムキ会計士と絵画の意外な組み合わせも!? 芸術の秋を楽しめる映画3選」という記事でもご紹介しています。約2ヶ月前である10月の記事です。編集部員で年末にベスト&ワースト映画を紹介しようと決めたのは9月。分かっていたのに、どうしてもやりたくて紹介してしまいました(笑)
まあ、おもに登場する絵画について紹介したからセーフなはず……。
紹介したてホヤホヤな映画ですが、再び語らせてもらいます! だって、めっちゃよかったんだもの!!
「高機能自閉症&会計士&殺し屋」という、設定モリモリな主人公クリスチャン・ウルフを演じるのは、ベン・アフレック。演技も動きも本当にすごい!

この記事書き終わったらまた観ようかな
何より大好きなのが……、
敵を最短距離で効率の良い動きで仕留めるところ!!
私は最強の主人公が大好きなのですが、舐めプはあまり好きじゃありません。舐めプしていても圧倒的強者である場合はよいのですが、油断してたら苦戦する羽目に、なんてことは嫌なんです。最後まで油断しない! これ大事。
※舐めプ:舐めたプレイの略。手抜きをしたり、手加減をしたりする不誠実なプレイのこと。
ウルフの一掃の仕方は、笑ってしまうほど鮮やかで、もはやオーバーキルです。飛んで火に入る夏の虫とはまさにこのこと。
とある場所で、敵の複数名が各員展開のうえ攻撃をしようとハンドサインでやり取りをするシーンがあるのですが……ちょっとネタバレだけど、ごめんなさい! これだけ言わせてください!
このイベント、待たずに殺ります!!
え〜!? そんなことあるんだ! こういうシーンで攻撃すればいいのにね〜なんて思われがちな演出で、容赦なく攻撃することなんてあるんだ!!
このシーンを観てから、ウルフへの信頼感爆上がり。こいつならやってくれる。そう、殺ってくれると。そういうの大好きだ。(ハ◯ス風)
いやあ、もう笑っちゃいました。ただでさえそのシーンの前から容赦なさに惚れ惚れしていたのに、そこからさらにグッと引き込まれて、ウルフの対応に嬉しくて仕方がなくなっちゃいましたよ!
しかも、ストーリー自体も伏線をしっかり回収して気持ちよく終わります。嬉しい! この気持ちの良さ、もはや血が流れるタイプの『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』であると言っても過言ではないでしょう。
質の良い殺戮がお好みの方、ぜひ。(血生臭い紹介)そして、2025年に公開された『ザ・コンサルタント2』もよければぜひ。
やりきれないけど本当に観てよかった!『チョコレートドーナツ』
さて、前2本の傾向からして、気持ちの良い映画が好きなんだなと思われたことでしょう。もちろん、気持ちの良い映画が大好きです。ハッピーエンド万歳。みんな幸せになってほしいです。(※悪党を除く)
ただ、いろいろなジャンルに挑戦した2025年、ベスト映画にぜひ挙げたい映画が、『チョコレートドーナツ』。ネタバレはしたくありませんが、エンディングの方向性を示唆する内容になることを、ご容赦ください。

ポール(画像左)とルディ(画像右)
本作は、ゲイの男性が育児放棄された障がい児を育てたという実話を元にした映画です。時代は1970年代。性的マイノリティへの差別が色濃い時代です。自然と、この映画はよくない展開を迎えそうだと感じることができるはず。
モヤモヤする映画を紹介する連載【シネマ・グレイ】でもご紹介しているとおり、言わずもがな気持ちよく視聴することはできません。「ゲイカップル×ダウン症の男の子」に対する世間の目は、凄まじく厳しいもの。
だって、ダウン症の男の子マルコの母親は、薬物にも手を出すし、育児放棄だってしているんですよ? 善良で愛に溢れるゲイカップルであるルディとポールのほうが、マルコにとって良い“家族”となることなんて、少し考えればわかること。
それなのに、ゲイであるということだけで、マルコの教育に悪いとか好き勝手言われてしまうんです。マルコのことを大切にしてくれる人たちこそが、マルコにとって必要な人たちなのに……。

ホームビデオ。本当にずっと幸せだった……
この映画、途中にホームビデオが流れます。ルディとポールとマルコ。3人が幸せそうに、本当に幸せそうに過ごすだけの映像です。こんなに幸せそうなのに、あまりにも幸せな映像すぎて泣けたのは初めてでした。このシーンで辛いことなんて何もありません。あるのは、3人の笑顔だけ。
それなのに、世間の風潮を思うと、この先の展開を憂いてしまうんです。このあと、いったい何が起こるのか……。それと同時に、期待してしまうんです。きっと、最終的には正しい判断が下るはず。この3人は本当に家族になれるはずだって。
私は、観終わったあと『グリーンマイル』(1999)と同じ感想を抱きました。無力感がすさまじい。
それと同時に、自分のなかの意識が大きく変わったことを嬉しく思いました。私は、どちらかといえば障がいに対して苦手意識があったんです。あえて突き詰めて言ってしまえば、差別意識すらあったでしょう。

マルコは本当にかわいくて仕方ない
でも、マルコはすごくかわいかった。とてもかわいくて、大事にしたいって思えたんです。苦手意識を持っていた存在をごく自然に受け入れられるようになるなんて、私にとっては大きな意味を持ちました。どんな子であろうと、全員が愛情をもらって育ってほしい。そう願わずにはいられません。
非常に人を選ぶ作品だからこそ、あなたが観たいと思えたタイミングで、ぜひ挑戦してみてください。私は、観て本当によかったと思っています。








