週末のまとまった時間を使って一気見(=マラソン)したい、シリーズものや関連する映像作品をご紹介する連載【週末シネマラン】。アマプラ(Prime Video)やNetflixなどの配信サービスを使って観ることができる映画・ドラマ・アニメの中から、singles編集部メンバーが各々おすすめをピックアップ! 今回は、圧倒的強さとアクションが大好物な筆者ameが、2025年のベスト&ワースト映画を3本ずつご紹介します。

《ameの自己紹介》
映画を始めとする映像作品には非日常を求めるタイプ。エンディングはハッピーエンド派。圧倒的な強さを誇る主人公が登場するアクションが好み。
主に利用している配信サービス:アマプラ、ディズニープラス、Netflix
好きなジャンル:アクション、SFなど

ameが選ぶ、2025年に配信で見た映画ワースト3

ほんとに何も残らない『ミッドサマー』

さて、ここからはワースト映画にランクインした作品たちをご紹介したいと思います。ちょっと辛口になってしまっているので、ご留意ください。

画像: この画像だけだったら幸せそうな映画なんですが ©2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

この画像だけだったら幸せそうな映画なんですが

©2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

トップバッターは、『ミッドサマー』。本作は、公開当初からずっと興味はありました。なぜなら、「クトゥルフ神話TRPGにおいて、すべての行動が失敗だったシナリオ」という口コミを見たからです。

私は、大学生のときにクトゥルフ神話TRPGにどハマりしまして、友達を巻き込んで何回も、それはもう朝まで遊びまくりました。クトゥルフ神話TRPGがどういうものかというと、H.P.ラヴクラフトによるクトゥルフ神話をもとにした、神話生物という恐ろしい怪物が存在する世界で、ただの一般人が事件に関わってしまうという流れのゲームです。

用意するのは、サイコロと紙だけとシンプル。会話でストーリーが進行していき、行動の結果がダイスロールによって決まる。探索者と呼ばれる一般人は、特殊な技能を持たないただの人間です。そのため、神話生物と出会うことはおろか、その知識に触れるだけでも危険。ときには関わらずに逃げるということこそが、ゲームクリアの方法だという場合もあります。

画像: こんな表情になる展開があったら、逃げるべき ©2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

こんな表情になる展開があったら、逃げるべき

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クトゥルフ神話TRPGをよく知らなかった方も、ここまで読んだらなんとなく「すべての行動が失敗だったシナリオ」という口コミでどんな内容か推察できるのではないでしょうか。

本作は、序盤がめちゃくちゃ良いです。すごくリアルで身につまされる恐怖がありました。もう、序盤でここまでぐったりできるなんて、こんな精神攻撃をしてくる映画ならこの先も期待できる! そう思ったんです。ホラー映画は怖くないものが多いけど、この映画は凄まじいかもしれない!

でも、違った……!

序盤が山場でした。ホルガの方々は何も悪くありません。こういう生き方なのですから、たとえ儀式が凄惨なものであってもよいのです。

画像: このなかに戦犯もいます ©2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

このなかに戦犯もいます

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しかし、主人公一味は話が違います。余計なことはするし、意味わからんこともするし、なんかただただやばい展開にするためだけのコマとしてしか動いてくれません。

どうしてそうなった……?

分かるけど意味がわからない。展開的にも私の気持ち的にも何も残らなさすぎる。観終わったあと虚無になりました。絶対もっとやりようあったって……。

画像: 映像と色彩美はかなりのものです ©2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

映像と色彩美はかなりのものです

©2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

映像はとってもきれいです。死体がB級感あってちょっと意外でしたが。村に漂うどこか居心地の悪い感じや雰囲気を楽しむだけなら良いかと思います。ホラーではないかな。あとR18なシーンがありますが、正直蛇足感が否めない……あんなに尺いらないのでは……あとちょっとギャグっぽすぎる(笑)

クトゥルフ神話TRPGっぽいという口コミで期待した分、落差が激しかった映画でした。

ちょっと待てぃ! 演出が良いだけでは……な『プラダを着た悪魔』

※語るうえで、展開のネタバレを少し含みます。すみません!

超人気ですよね、『プラダを着た悪魔』。お仕事系映画として、観終わったあと仕事を頑張りたくなる! といった口コミが多く、とくに女性に愛されている印象です。

私自身、前職がアパレルだったことと、現在編集長をしていることもあり、ファッション雑誌の編集部で働くという設定には非常に入り込めるなと思っていました。評価も高いし、いざというときのために温めに温め、2025年になってようやく観たんです。

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あれぇ……?

いや、途中まではすごくよかったんです! 序盤のシーンでの主人公アンディとほかの女性たちとの意識の違いといった描写もおもしろかったし、アンディがたくさんの衣装を着るところもすごくよかった! 同じ衣装がなくて、どのコーデもめっちゃかわいい! 着こなすアン・ハサウェイもすごい!

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ナイジェルもめっちゃ良いキャラ! アンディのためになんやかんや協力してくれて、サイズダウンしたこともファッションセンスが磨かれたことも小躍りするほど喜んでくれる、めっちゃかわいいおじさんです。

ミランダも、手法はともかくとして、取った行動の理由や意味はわかります。ナイジェルの気持ちを思うとかわいそうだけど、まあ仕方ない。とりあえず、ナイジェルもなんとか割り切れてはいたし。

でも、アンディ! だめよ!! 冷却期間なはずなのにワンナイトするし、バックレるし! なんか演出がすごい良い感じで騙されそうになるけど、めちゃくちゃです。

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支援があったからとはいえファッション業界への染まっていく勢いを見れば、流されやすく自分を強く持っていないということは分かるんですが、それにしてもよろしくありません。

すごい素晴らしい成長を遂げてやりたい道も開けて、私の冒険はこれからだ! みたいな感じでしたけど、ちょっと待てぃ!(相◯食堂風)

え〜!? なんでみんな手放しで大絶賛なの!? 途中やばいことしてるのに! 仕事もブラックすぎて、観終わったあと仕事頑張ろうとも思えなかった……誇りとやりがいを持って働いていたというより、忙しすぎて思考を止めていたに近いと思います。

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ただ、私が大好きなドラマ「メンタリスト」の主人公ジェーンを演じるサイモン・ベイカーが出てくるのは知らなかったので、嬉しいサプライズでした。相変わらずの甘いマスク。アンディの気持ちも分からんでもないが完全フリーじゃないなら絶対だめ!

本作も期待していた分、残念ながら躓いてしまった映画となりました。演出はすごくよかったんですけどね……演出で煙に巻かれている感じが否めません。続編が製作中とのことなので、2でなにか変わることを期待したいと思います。

主題歌が本編で流れない&情報が一向に描写されない『すずめの戸締まり』

『すずめの戸締まり』も、なかなか人気のある作品ですよね。ただ、個人的に本作には明確な文句が1つあります。それは、

画像: 映画『すずめの戸締まり』15秒CM-扉編-【大ヒット上映中】 youtu.be

映画『すずめの戸締まり』15秒CM-扉編-【大ヒット上映中】

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予告編で散々使われていた主題歌「すずめ」が本編で流れないこと!

なんでやねん! ここで流れなきゃどこで流れるんだというシーンで流れなかったとき、すべてを悟りました。ああ、これもう流れないな、と。まさかのエンドロールでした。流れたのは。

ここじゃないやろがい!!

あんだけ予告編でこすっておいて! 早々に不完全燃焼の傾向がある映画だと気づいてからは、もはや主題歌が流れることだけを楽しみにしていたのに、まさかの本編で流れない!!

そんなことある!?

じゃあなんであんな神曲を予告編に使ったんだよぉ〜(泣)曲はほんとによかったです。あれかな、エンドロールに流して終わりよければすべてよし的な。

んなわけあるかい!!

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本作が好きな方には申し訳ありませんが、この映画はあまりにも消化不良でした。最低限考察するために必要な情報は軒並み渡してくれないのに、いらない情報ばっかり厚い。脳内で情報を補完しようにも、これだけはないと困るという描写がなぜかない。本記事を読んでいる人に「私の靴のサイズは?」と聞いても分からないように、映画内に最低限の情報がないと困ってしまいます。

ちなみに、どうでもいいですが私の靴のサイズは本記事だけでは分からず、『singles』内をいろいろ回遊すれば分かるようになっています。が、別に隠す必要がないので23.5と明記しておきます。暇な方だけ探してみてください。

なんというか、本作について映画内で理解させる気はなく、独りよがりな感じがすごくしていて、思っていたのと違いました。作品外で語られていることで補完すれば違うのかな。でも、やっぱり映画内で完結できるようにしておくべきかなと思います。

あと、ストーリーに対する評価とは違いますが、すずめがそれは言っちゃあかんということを言っちゃう。あれを言われたら関係性は崩壊です。さすがにライン越えだと思いますよ。

さらに、予告編で災害(地震)がテーマだということが分からないようになっていたのもよろしくないと思います。公開当初、まだ東日本大震災から10年ちょっとしか経っていなかったので、知らずに劇場に足を運んだ方々は嬉しくないサプライズを受けたことでしょう。

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ただ、本作も映像はすごくきれいでした! キラキラしていて、迫力もあって。『君の名は。』(2016)は結構好きだったので、これもまた期待していた分ギャップがすごかった映画となってしまったように思います。

ちなみに、着想の一部は村上春樹の「かえるくん、東京を救う」という作品から得たそうなのですが……この作品も私は苦手です。かえるくんがただただ酷い目に遭います。

辻褄の合わなさを忘れて、映像美を楽しむ映画として観るのがよかったのかなあ。私にはちょっと合いませんでした……。キャラは超かわいいです!

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好きも嫌いもいろいろ語ってしまいましたが、以上が「ameが選ぶ2025ベスト&ワースト映画」でした!

年末年始は、ぜひいろいろな映画に挑戦するタイミングにしてみてください。観たことのない映画も、ある映画も、今の自分だからこその感想が出てくるはず!

来年も、【週末シネマラン】をよろしくお願いいたします。
良いお年を!

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