演奏にアートと、日頃から芸術にどっぷりと浸かっている筆者utoが、ひとりでゆっくりと楽しめる企画展をご紹介。今回は、年末ということもあり、過ぎていくものに思いをはせるような気持ちになる企画展を5つご紹介します。ノスタルジーあふれるどこか懐かしい企画展、ぜひ足を運んでみてくださいね。

12月は、懐かしむ時間を過ごせる企画展へ

12月になり、年末ももうすぐ。今年はどんな1年だったでしょうか。師走は何かと忙しい月ではありますが、これまでの振り返りもしたいもの。

今回は、「ノスタルジー」をテーマに企画展を5つご紹介します。

ノスタルジーとは、「郷愁」「追憶」といった意味の言葉で、過ぎ去ってもう戻ってこない時間を懐かしむ気持ちのことを言います。

この年末に、懐かしい時間に思いをはせてみませんか。寒くなっていますので、ぜひ温かくしてお出かけくださいね。

上野アーティストプロジェクト2024 ノスタルジア─記憶のなかの景色(東京都美術館)

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「上野アーティストプロジェクト」とは、広く公募展をおこなってきた東京都美術館の歴史を伝え、未来への発展を目的として、公募展に関係する作家を紹介する展覧会です。

この「記憶のなかの景色」では、現代作家によるノスタルジーの表現を紹介しています。

「ノスタルジア」は、ギリシア語の合成語がもとで、帰郷への思いがありながら叶わない心の痛みを意味していました。この企画展では、そのノスタルジアを感じることができる8名の作家の作品が取り上げられています。

日常の風景や、光にあふれた表現、幻想的な光景など、それぞれが表現する「記憶のなかの景色」を見ながら、各作家が歩んできた人生などを通して私たちの心の原風景を見つめることができる企画展となっています。

ノスタルジアという感情とその表現を感じてみてくださいね。

上野アーティストプロジェクト2024 ノスタルジア─記憶のなかの景色
会場:東京都美術館(JR「上野」駅 公園改札 徒歩7分)
会期:2024年11月16日(土)~2025年1月8日(水)

懐かしさの系譜─大正から現代まで 東京都コレクションより(東京都美術館)

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こちらの企画展は、上記の「記憶のなかの風景」と同じ美術館で同時開催されているものです。

こちらは、「懐かしい」という感情に焦点を当て、経験や、逆に知らない物事を想像して共感することによって、懐かしさの意味を再考するものとなっています。

この企画展では東京都立の美術館や博物館から、絵画や版画、写真などを集め、大正時代から現代までの日本の風景を見ていきます。近代化のなかで消えゆく日本の景色、戦後に入ってきたアメリカ文化など、さまざまな景色を通して「懐かしさ」を考えます。

誰の心にも芽生える可能性があるこの「懐かしさ」というものは、時代や目に見えるものによらず、自分の人生というものを思うきっかけになるのかもしれません。

この企画展は、会期中に展示替えがありますので、何度も足を運んで、どんな「懐かしさ」が待っているのかぜひ見てみてくださいね。

懐かしさの系譜─大正から現代まで 東京都コレクションより
会場:東京都美術館(JR「上野」駅 公園改札 徒歩7分)
会期:2024年11月16日(土)~2025年1月8日(水)

那波多目功一の世界 —花と生命(いのち)へのまなざし—(郷さくら美術館)

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※インスタグラムは過去の展示です。同じ作品が展示されます。

那波多目功一(なばため・こういち)は、10代の頃から実力が認められるほどで、現在に至るまで精力的に制作活動を続け、今では日本画壇を担う重要な人物となっています。

この企画展では、約75年におよぶ活動を改めて振り返るものとなっています。学生時代の初期の作品から、西洋絵画からの影響を受けた作品、写生をもとにした四季折々の草花を描いた作品まで、広く作品を紹介しています。

時間の流れすら感じられる表現や、その作品に漂う空気感までも堪能することができる、繊細で優しく、美しい作品が並びます。

同時開催の「桜百景vol.38」では、さまざまな作家による桜の作品を十数点展示していますので、こちらもぜひお楽しみくださいね。

那波多目功一の世界 —花と生命(いのち)へのまなざし—
会場:郷さくら美術館(東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒」駅 正面出口 徒歩5分)
会期:2024年12月7日(土)~2025年2月24日(月・振)

いわさきちひろ ぼつご 50 ねん こどものみなさまへ みんな なかまよ(ちひろ美術館)

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いわさきちひろは、生涯を通して、「子どもの幸せと平和」をテーマとして活動していました。柔らかな水彩画で表現された子どもたちの姿が印象的で、その一貫した姿勢は多くの人を惹きつけてきました。

この企画展では、いわさきちひろが絵本を通して伝えたかったこと、そのメッセージを見つめ、改めて「へいわ」というものをテーマにしたものとなっています。

塩瀬隆之の協力を得た今回の展示は、いわさきちひろの絵をきっかけとして、子どもから大人まで、分け隔てなく全員の個性を尊重し、ともにいわさきちひろが目指した「へいわ」というものを考えます。

いわさきちひろの柔らかな世界観に秘められた、そのメッセージをご覧くださいね。

こちらは東京にあるちひろ美術館・東京での開催です。長野県にある安曇野ちひろ美術館ではありませんので、ご注意くださいね。

いわさきちひろ ぼつご 50 ねん こどものみなさまへ みんな なかまよ
会場:ちひろ美術館(西武新宿線「上井草」駅 徒歩7分)
会期:2024年10月12日(土)~2025年1月31日(金)

レオ・レオーニと仲間たち(板橋区立美術館)

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レオ・レオーニといえば、「スイミー」「フレデリック」などで知られているイラストレーター、絵本作家です。

レオ・レオーニの絵本の特徴は、水彩絵の具や色鉛筆だけでなく、コラージュ(異なる素材を組み合わせて表現する技法)なども駆使した多彩な表現がされていることです。

この企画展では、作家の生涯を通しておこなわれた制作活動だけではなく、作家と影響を受けあったアーティストたちもあわせて紹介されています。

板橋区立美術館はレオ・レオーニと親しい関係にあり、今回で3回目の展示です。今回は作家本人との交流や美術館による調査研究を通して、文化史の流れの中から作品を捉え直す初の試みをおこなっています。

小さな頃に作家の作品に触れた人も、まだ見たことがない作品に触れる人も、きっとレオ・レオーニの世界に懐かしさを感じることができるでしょう。

レオ・レオーニと仲間たち
会場:板橋区立美術館(都営三田線「西高島平」駅 徒歩14分)
会期:2024年11月9日(土)〜2025年1月13日(月・祝)

年末にノスタルジーをぜひ感じてみて

今回は、ノスタルジーを感じられる企画展を5つご紹介しました。

1年の締めくくりに、美術館でノスタルジーを感じてみてくださいね。

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