《utoの自己紹介》
不思議で不気味な世界観の作品が好き。とくに幽霊をこよなく愛しすぎていて、もはや一緒に住みたい。王道なオチもどんでん返しも大好き。
主に利用している配信サービス:アマプラ、ディズニープラス
好きなジャンル:ホラー、サスペンス、ノンフィクションなど
『羊たちの沈黙』から始まる、「ハンニバル・シリーズ」を観る
映画『羊たちの沈黙』(1991)は、もとはトマス・ハリスの同名小説が原作です。原作小説は「ハンニバル・レクター・シリーズ」と呼ばれるシリーズの2作目のものですが、『羊たちの沈黙』はレクター博士が映画界に初登場した作品です。
『羊たちの沈黙』は、のちに続編『ハンニバル』(2001)、レクターの過去を描いた『レッド・ドラゴン』(2002)、『ハンニバル・ライジング』(2007)へと制作されいて、人気の高いシリーズとなっています。
ストーリー上の時系列は、
『ハンニバル・ライジング』
『レッド・ドラゴン』
『羊たちの沈黙』
『ハンニバル』
となっており、公開順ではありません。観るとしたら『羊たちの沈黙』から始まる下記の公開年順がおすすめです。
「ハンニバル・シリーズ」概要
・『羊たちの沈黙』(1991)
上映時間:1時間58分
・『ハンニバル』(2001)
上映時間:2時間11分
・『レッド・ドラゴン』(2002)
上映時間:2時間4分
・『ハンニバル・ライジング』(2007)
上映時間:2時間1分
本数:4本
合計時間:7時間14分
【配信サービスの例】
・アマプラ:見放題で視聴可能、『ハンニバル』のみレンタル
・U-NEXT:4作品すべて見放題で視聴可能
『羊たちの沈黙』あらすじ
若い女性が殺害され皮を剥がれるという連続殺人事件が発生。バッファロー・ビルと命名された犯人を追うため、FBI訓練生のクラリス・スターリングは、元精神科医で複数の猟奇殺人を犯したハンニバル・レクター博士から助言を得ることを命じられます。
病院の地下に収容されているレクター博士は、事件への協力をする代わりにひとつの条件を提示。
それは、クラリス自身の秘められた過去を話すこと。
クラリスはその要求をのみ、レクター博士からの助言を得ながら事件解明に向けて動いていきます。果たして、この事件を解決し、誘拐された被害者を救い出すことができるのか……?
『ハンニバル』あらすじ
バッファロー・ビルの事件から10年の時が流れ、ある作戦中の失敗がもとでFBI捜査官としての立場が危うくなってしまったクラリス。その彼女のもとに、なんとレクター博士からの手紙が届きます。
レクター博士は名を変えて、イタリアで生きている。
そのことがわかると、クラリスはレクター博士を追ってイタリアへと旅立ちます。
レクター博士の元患者や地元警察の刑事、司法省の役人。さまざまな人物の思惑が交錯するなか、果たして2人の再会はどのようなものになっていくのか……?
『レッド・ドラゴン』あらすじ
猟奇殺人鬼、ハンニバル・レクター博士を逮捕したウィル・グレアムは、命がけの逮捕劇で精神力がつきてFBIを退職していました。しかしそこに、元上司であったジャック・クロフォードから、新たなる殺人事件への捜査協力が届けられます。
熱心な要請に負けて協力することを決断したグレアムは、レクター博士の助言を得るために再び彼と対面することになります。
そうして捜査を進めるなかで、グレアムは「赤い竜」というキーワードを発見。
グレアムは犯人を追い詰めるのか、それとも追い詰められてしまうのか?
『ハンニバル・ライジング』あらすじ
時は第二次世界大戦下のリトアニア。ハンニバル少年は、戦禍によって両親を失い、妹のミーシャと山小屋で隠れ住む生活をしていました。
しかし、そこに逃亡兵のグループが訪れたことで、幼いミーシャは彼らによって食料として殺されてしまいます。
この出来事によって記憶の一部を失ったハンニバルは、孤児院のレクター城に収用され成長していきます。やがてフランスにいる叔父の元へ向かうため、この城から逃亡することに。
ですが、叔父の家には叔父本人はおらず、その未亡人となっているレディ・ムラサキが一人で住んでいて……。
殺人鬼なのに紳士的!? レクター博士のまなざしに吸い込まれる
レクター博士と言えばアンソニー・ホプキンス。そのまなざしは優しく、美しく、理性的で知的、それでいて静かな狂気も感じられる……という、複雑な印象を与えてくれるものです。
アンソニー・ホプキンスの元々の役者イメージは、優しい父親役も演じていたこともあり、アンソニー本人としても「優しさ」が特徴であったようです。そのため、レクター博士役のオファーがあったときには戸惑いもあったそうなのですが、レクター博士にはその優しさも必要なのだという説明を受け、引き受けることにしたそうです。
が!! 実際アンソニーの圧巻の演技を見てみれば一目瞭然、「なんか怖い!!」が第一印象になる人も多いはず。
それもそのはず、主演のジョディ・フォスターにも「あなたの演技であなたが怖い」と言わしめた印象の要因は、なんと「まばたきをしない」こと!
これだけの存在感を放っているレクター博士の『羊たちの沈黙』での出演時間はたったの12分ほど。それなのにこれだけ強烈な印象を受けるのは、まばたきのない異様なまなざしのせいなのです。
しかし、異様なだけではないのがレクター博士。
優しい口調、静かな声、クラリスへの愛情を感じられるような細かな所作……。本当に魅力的なキャラクターなのです。
クラリスがレクター博士と初対面したシーンでは、彼女がほかの患者から侮辱されるシーンがあるのですが、そのときのレクター博士の反応はクラリスへの敬意が感じられ、非常に好印象。互いに平等な立場で、相互に尊重しあえるのであれば、レクター博士は非常に紳士的な男性となるのです。
レクター博士が映画界に登場するまで、殺人鬼にはこういった紳士的なイメージはまったくありませんでした。しかしレクター博士以降、狂気のみという殺人鬼のイメージは一変し、狂気×紳士、狂気×愛情など、個性的な殺人鬼キャラクターが登場するようになったように感じます。
『ハンニバル・ライジング』だけはアンソニーが演じているのではないのですが、そこにはハンニバル・レクターらしい優しさや愛情は健在。なぜレクター博士が狂気を抱くにいたったのか? も知ることができる作品なので、ハンニバル・レクターという人物の原点を知りたい方は必見です。
筆者のお気に入りは2作目の『ハンニバル』! レクター博士らしい、狂気と愛情の同居があまりにも素敵すぎる!! ……いえ、現実で殺人を犯すのは本当にナシなんですけど、ここまでのことを平然とやってのけるレクター博士と、それを紳士的に演じきったアンソニー・ホプキンスがあまりにも魅力的すぎて、もう「猟奇殺人鬼と言えばこれ!」というイメージが……。
語り始めたら止まりませんが、そんなレクター博士を存分に堪能できるハンニバル・シリーズは全4作品。いずれもレクター節全開のドキドキがつまった作品となっていますので、ぜひ観てみてくださいね!
ちょこっと雰囲気を感じられる予告編はこちら
『羊たちの沈黙』のアイコン的存在、レクター博士のまなざしを見てください。
ああ~いいですね……。気になったらぜひ……。