▶▶▶写真はこちら|『カルティエ タンク アメリカンMM』
Cartier
世界のトップジュエラーに君臨するブランドでありながら、時計史に刻んできた功績はとても大きく、時計業界への影響力も高いのがカルティエだ。とくに1904年に発表された「サントス」は、“時計を腕に巻く”という腕時計の概念を普及し、懐中時計から腕時計への移行を後押ししたほど。「タンク」「パシャ」などのロングセラーモデルをいくつもラインナップし、近年も「バロン ブルー」「カリブル ドゥ カルティエ」などの新シリーズを続々とリリース。片時も目を離すことのできないメゾンである。
流れるような縦の美。伝統を纏う、新たなスタイル。
カルティエの名作『タンク』シリーズの中でも、独特のフォルムが際立つのが『タンク アメリカン』だ。「タンク フランセーズ」が“フランスのタンク”を意味するなら、こちらは“アメリカのタンク”。
※他にもタンク アングレーズ(イギリスのタンク)や、「タンク シノワーズ」(中国のタンク) といったコレクションもある。
今回ご紹介するのは、当連載 Vol.305にて取り上げた『トーチュMM』と同様、“ボーイズサイズ”で、男女兼用として扱えるサイズ感のモデルだ。

タンク アメリカン MM
縦に伸びたフォルムが印象深い本モデルは、全体のバランスはもちろん、細部の仕上げにもカルティエならではの繊細な美意識が反映されている。
縦41.6mm×横22.6mmというサイズ感は、女性の手首ではやや縦の印象が強まるものの、横幅が非常にスリムなため、違和感なく着用できるだろう。

文字盤は伝統的なローマンインデックス。7時位置には「CARTIER」の隠し文字が入っている
注目すべきは、文字盤にカルティエでは比較的珍しいサンレイ仕上げを採用している点だ。ギヨシェ彫りやラッカー仕上げが多い同ブランドにおいて、この光を美しく捉える仕上げはなかなか珍しい。

ケース両端には“棒でサンドしたような”タンク独特のベゼルレス構造が採用されている

裏蓋はシンプルな作りで、自動巻モデルを示す「AUTOMATIC」の刻印が確認できる

巻き込み式のDバックルを採用。装着感が良く、着脱もスムーズだ
ガラス面とケース前面はゆるやかな曲線を描き、腕元に柔らかな印象をもたらしてくれる。一方、ケースバックはフラットな造りになっており、装着時の安定感も高い。

長く湾曲したガラスとケース前面。リューズには人工石のブルースピネルがあしらわれている

ケースサイドにはビスの意匠。ケースバックはフラットな形状だ
リューズにはタンクの象徴であるブルースピネルのカボションがあしらわれている。ケースサイドには、タンクの伝統を感じさせるビス装飾が配され、細部にまでブランドのこだわりが宿る。

男性着用例(腕周り16.5cm)

女性着用例(腕周り14.5cm)
繊細なサイズ感と機械式ムーブメント、そして縦長の独特なフォルムが魅力の『タンク アメリカン MM』。男女問わずスマートに着けこなせる一本。ぜひ実物を手に取り、その洗練されたデザインを実感してほしい。
Cartier
タンク アメリカンMM
品番:WSTA0017
素材:ステンレススチール
サイズ:縦41.6mm×横22.6mm
防水:日常生活防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:シルバー
販売価格:568,000円(税込)※USED
【付属品】
保証書(2017年9月)が付属
※価格は2025年7月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
MMサイズというと小ぶりな印象を持たれる方もいらっしゃいますが、縦は約41mmと意外としっかりしたサイズ感があります。ただし、横幅が非常に細いため、全体としてはスリムで上品な印象です。
腕周りが細めの方にはとくにおすすめですし、標準的な手首のサイズの方でも無理なく着けていただけます。
タンク アメリカンのLMサイズはかなり存在感があるので、日本人の骨格にはMMサイズのほうがバランスよく収まるのではないでしょうか。以前は大きめサイズを探される方も多かった印象ですが、近年はこのMMサイズもスタイリングの選択肢として注目されています。大きめが好まれた時代とはまた違った魅力が、今の時代に合っているのかもしれません。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://moon-phase.jp/ |