ギャレット アワーレジスター クロノグラフ 「アンティークミリタリー」【今週の逸本 Vol.254】

ブランド・歴史・性能。すべてを併せ持ったミリタリークロノグラフ

当連載初登場となるギャレット。老舗時計ブランドのひとつで、産業革命や世界恐慌、各大戦を経験。技術革新と産業発展、軍需産業の流れの中で形成された技術的なバックグラウンドは高い評価を受けており、これまで作り上げてきたタイムピース、とくにクロノグラフは多くのファンを生み出している。

2018年に新作を発表するも、2024年現在はブランドとして目立った活動はしていない。ともあれ、ミリタリーファンやアンティーク愛好家にとって、ギャレットの時計は歴史的価値と品質を兼ね備えた貴重なアイテムだ。

今回ご紹介するのもそのひとつ。1960年代に生まれ、いまなお精密に時を刻み続けるアンティークウォッチ。『アワーレジスター クロノグラフ』だ。

細部を見ていこう。
本モデルはミリタリーウォッチとして、一般的なクロノグラフ機能に加え、音と光で距離を計測するテレメーター機能を搭載。目盛はダイヤル右上に配置されており、距離はマイル表示となっている。

60年前の時計とは思えないほどダイヤルコンディションはよく、褪色したドットインデックスや、トリチウム夜光を示す「T SWISS T」の表記など、アンティークとしての趣も色濃く残っている。

本モデルの心臓部には、時計界に名を馳せるムーブメントメーカー・バルジューが手がけたクロノグラフムーブメント Cal.7736が搭載されており、性能は折り紙付きだ。

流通量の多いムーブメントのため、現在でも修理できる職人は多くパーツも豊富にある。アンティークウォッチを検討している人にはとても嬉しいところだろう。

時計を正面から見ると、左右のインダイヤルが少し離れていることに気づく。これはムーブメント構造上の仕様でもあるが、これはこれで愛嬌があって個性的。こうした些細なディテールが、時計ファンの心を捉える要素でもある。

元々ミリタリーウォッチであるため堅牢で、現在でもなんら問題なく動作している。アンティークながら毎日着けて楽しめる気軽さに溢れた1本だ。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

ミリタリーファンにとってアンティーククロノグラフは鉄板でしょう。そのなかでも普段使いがしやすく、ファッション感覚で身につけることができる1本がこちら。

ムーブメントはバルジュー社製（現在は※ETA）で、時計界での信頼度はピカイチ。メンテナンスもパーツ供給も問題なく、アンティーク初心者も安心です。

※ETA＝スウォッチグループに所属する業界最大のムーブメントメーカー。多数のメーカーが集まった団体企業でバルジュー社もそのひとつである。

ブランド・歴史・性能とすべてを併せ持った1本であり、アンティーククロノを検討している人にはとくにおすすめしたいモデル。気になる方は、ぜひ当店で気軽に試着してみてください。

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