お酒を嗜めるようになった二十歳の頃から「居酒屋よりもバーが好き」というスカした好みを持つ筆者の趣味は、バーで見かけたかっこいい見た目のお酒を収集すること。連載【酒瓶録(しゅびんろく)】では、これまで集めたボトルのお酒を思い出とともに語っていきます。今回は、「I.W.ハーパー 12年」というウイスキーについてです。

「I.W.ハーパー 12年」とは

画像: 箱もボトルのデザインに寄せていてかっこいい

箱もボトルのデザインに寄せていてかっこいい

「I.W.ハーパー」はウイスキーの中でもバーボンウイスキーに分類されます。バーボンウイスキーとは、アメリカのケンタッキー州バーボン郡で生まれたウイスキーです。
※厳密にはバーボンウイスキーを名乗るために定められた製法が細かく決まっているそうです。

バーボンといえばほかにも、ジムビームやメーカーズマーク、ジャックダニエルなどがあります。ウイスキーにあまり詳しくない方でも、居酒屋さんなどで聞いたことがあるのではないでしょうか。

ウイスキーの味を表現するのはあまり得意ではないのですが、バーボンといえばウイスキーのなかでも甘くてまろやかな味わいが特徴かなと思います。その香りはバニラやカラメルに例えられることも。

ちなみに私は「I.W.ハーパー 12年」以外のバーボンだと、ノブクリークやウッドフォードリザーブなんかも好きです。「重たいのが好きなんだね」なんてよく言われますが、甘ったるくて芳醇な香りが口の中でまあるくふわ〜っと広がるのが好きなんです。

そして「I.W.ハーパー 12年」の「12年」は熟成年数を表します。同じ「I.W.ハーパー」という名前のウイスキーでも熟成年数の違いで、ゴールドメダル、12年、15年などいくつか種類があり、味わいもボトルの形も違います。

ゴージャスすぎるボトルとの出会い

22歳の春先、大学卒業を間近に控えた私は、「人生最後のモラトリアムだ!!」と、毎晩のようにバーに通っては自分好みのお酒を探求するという、相変わらずスカした趣味を楽しんでいました。

はじめて「I.W.ハーパー 12年」を飲んだ時のInstagramストーリー

そんななか、衝撃の出会いを果たしたのがこの「I.W.ハーパー 12年」です! 12年のボトルは見ての通りキラキラでゴージャスで、照明の落とされたバーの店内でひときわ光って見えたのです。

それに、ウイスキーのボトルといえば縦長をイメージしますが、これは直方体で重厚感も感じられます。キャップもかっこいいですよね。こんな太い筒のようなキャップなんてあるんだ!? と驚きました。

ウイスキーの液体、ラベル、キャップが一体となって、黄金色にキラキラと輝くさまはもう……うっとり眺めるしかありません。ほかのお酒を飲んでいてもどうしても気になってしまって……目が離せなくなりました。

意を決して! バーテンダーさんに注文してみると、「ちょっと高いよ」と。(事前に教えてくれる良心的な素晴らしいバーテンダーさんでした。)
しかし、金額は私のなかではもう問題ではなかったので「大丈夫です。むしろ払わせてください!」と勢いよく注文したのでした──。

「I.W.ハーパー 12年」終売!? からの再販!?

画像: 「I.W.ハーパー 12年」終売!? からの再販!?

その後、無事にモラトリアムを抜け、就職し、とあるバーで「I.W.ハーパー 12年」を見つけて久しぶりにその味わいを楽しんでいたとき……。衝撃的なことを耳にします。

「I.W.ハーパー 12年は終売らしいからね〜。もうウチにもこのボトル分しかないんだよね〜」

なんだって!?!?!!???

いつかあのキラキラのボトルを自分の部屋に飾れたら……なんてのんきなことを考えていたら、終売!?!?

2021年冬、あまりにもショックなニュースでしたが、そこからの私の行動は非常に早かった。終売のニュースを聞いたバーの帰路ですぐに、あの憧れの「I.W.ハーパー 12年」をネットで購入しました。

その後、2022年6月に一度終売しましたが……なんと! 2024年7月にまた販売を開始していたのです!! なんと喜ばしいニュースでしょう!

もしこの記事を読んで興味を持った方がいらっしゃれば、ぜひバーのなかでいっとう輝く「I.W.ハーパー 12年」を見つけてみてください。飲まずとも、そのボトルを眺めているだけで十分幸せな気持ちになれるはずです。

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