OMEGA
1848年、当時23歳であったルイ・ブランが、懐中時計の組み立て工房を開いたのがはじまり。その後事業を拡大し、1903年に社名を「OMEGA」に変更。オリンピックでも常に名前のあがる公式時計メーカーであり、1965年にはNASA(アメリカ航空宇宙局)が進める宇宙計画のパートナーとしても認められた。1969年に人類と共に月面に降り立った腕時計『スピードマスター』はあまりにも有名。近年では、コーアクシャルムーブメントを採用するなど、時計界のエポックメイカーとして注目されている。
“月に行った時計”が纏う、記念すべきパンダフェイス
スピードマスターといえば、「ムーンウォッチ」の愛称で知られる、オメガを代表するクロノグラフだ。
今回紹介するのは、オメガのプロフェッショナルシリーズのなかで、もっとも定番とされるモデルをベースに、アポロ11号の月面着陸から35周年を記念して製作されたリミテッドエディション『スピードマスター プロフェッショナル アポロ11号 35周年記念』である。

スピードマスター プロフェッショナル アポロ11号 35周年記念
人類初の月面着陸が成し遂げられたのは、1969年7月20日。NASAのアポロ計画に携行されたスピードマスターは、唯一“月に行った腕時計”として、その名を歴史に刻んだ。この偉業から35年を迎えた2004年に登場したのが、今回の記念モデルだ。
世界限定3500本でリリースされた本モデル最大の特徴は、いわゆる「パンダ文字盤」の採用。通常のスピードマスター プロフェッショナルは黒文字盤が基本だが、本モデルでは白地に黒のインダイヤルを組み合わせ、視認性と個性を両立。
さらに12時位置には、赤文字で“July 20,1969”と、月面着陸の日付が刻まれている。

12時位置にはブランドやモデル名の記載とともに、月面着陸の日付が刻まれている

白地に黒のインダイヤルでパンダ文字盤になった限定モデル。3時位置は30分積算計だ

6時位置には12時間積算計を配置

9時位置にあるのはスモールセコンドだ
ムーブメントには、Cal.1861を搭載。これは1969年当時のCal.861の後継機にあたるが、基本性能は同等で、仕上げにロジウムメッキが施されている程度の違いしかない。このCal.1861は、スペックに大きな変更が加えられることなく、2020年まで長きにわたって使用され続けた。
これは性能が向上しなかったということではなく、初期の時点で完成度がきわめて高く、後年に至るまで改良の必要がなかったことを意味している。時計史の中でも稀に見る、高度に完成されたムーブメントである。

肉眼ではほとんど見えないが、中央の赤丸部分に「Ω」マークが刻まれている
風防はオリジナルと同様にプラスチック製。中央には、肉眼では見えにくいが、Ωマークが刻まれている。ベゼルにはタキメーターを装備し、こちらもプロフェッショナルらしい実用的な仕様だ。

ベゼルにはタキメーター

文字盤の外周は段落ちになるようなデザインが施されている

シンプルながら操作のしやすいプッシュボタンとリューズ
裏蓋にはアポロ11号のミッション徽章(きしょう)が大きくあしらわれ、記念モデルならではの特別感を演出。限定本数を示すシリアルナンバーも刻まれており、コレクションとしての価値も申し分ない。

裏蓋にはアポロ11号のミッション徽章がデザインされている

裏蓋外周には限定モデルを示すシリアルナンバーが刻印されている
時を超えても変わらぬ完成度を誇るスピードマスター。そのなかでも、記念性とデザインの特異性を併せ持つこの一本は、ムーンウォッチファンならずとも手にしておきたい存在である。
OMEGA
スピードマスター プロフェッショナル
アポロ11号 35周年記念
品番:3569.31
素材:ステンレススチール
サイズ:縦42mm×横42mm
防水:50M防水
ムーブメント:手巻き
文字盤:ホワイト
販売価格:1,480,000円(税込)※USED
※世界3500本限定
【付属品】
外箱、内箱、取扱説明書、国内正規保証書(2005年05)、メーカー修理明細書、国際サービス保証書(2024年5月)が付属
※価格は2025年6月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
オメガのプロフェッショナル・ムーンウォッチを選ばれるお客様は、やはりアポロ計画のエピソードや、そこに込められた“月へのロマン”を知っていらっしゃる方が多い印象です。単なる時計としてではなく、歴史の一部を身につけるという感覚を大切にされているように思います。
なかでもこの『アポロ11号35周年記念モデル』は、その「ロマン」がより濃く表現された一本です。単にカラーリングを変更しただけでなく、1969年当時の系譜を踏襲しつつ、記念モデルならではのディテールが丁寧に盛り込まれています。
そもそも、スピードマスターがNASAの公式装備に選ばれたのは、時計としての性能が非常に優れていたからです。実は、あのロレックスの「コスモグラフ デイトナ」も候補の一つとしてNASAの厳しい選定試験を受けていましたが、最終的に選ばれたのはスピードマスターでした。この事実だけでも、その完成度の高さがいかに際立っていたかがわかります。
アポロ11号の偉業に思いを馳せながら身に着けることができるデザイン──そんな想いを求める方に、ぜひ手に取っていただきたい特別な一本です。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://moon-phase.jp/ |