《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
“漆黒の狂気と闇”を描いた心理スリラー『ブラック・スワン』
(C)2010 Twentieth Century Fox
人間の明と暗の二面性を“白鳥”と“黒鳥”のパートで演じわけ、次第に禁断の魔性へと変貌していくプリマドンナを描いた心理サスペンス『ブラック・スワン』(2010)。
『レスラー』(2008)で、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を獲得した鬼才 ダーレン・アロノフスキー監督の新たなる傑作として注目された本作。第83回米アカデミー賞で、主演のナタリー・ポートマンがアカデミー賞主演女優賞を受賞、その他4部門(作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞)にノミネートされたほか、ゴールデングローブ賞をはじめとする数々の主要映画賞を席巻しました。
バレリーナとしてのプレッシャーにより徐々に精神が崩壊していく様子と、繊細かつ鮮やかな描写、そして明暗が表裏一体に描かれた緊張感に思わず引き込まれてしまいます!
「白鳥の湖」の主役を勝ち取るのは……?
ニューヨークのバレエカンパニーに所属するニナは、元ダンサーの母親の寵愛のもと、その人生のすべてをバレエに捧げていました。
(C)2010 Twentieth Century Fox
(C)2010 Twentieth Century Fox
そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマドンナを演じるチャンスが訪れます。
しかし、純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じなければいけないこの難役は、優等生タイプのニナにとってハードルの高すぎる挑戦でした。
(C)2010 Twentieth Century Fox
なんとか演じてみようとするものの、演出家のトマからも「黒鳥を演じるための妖艶さがニナには足りない」と指摘されてしまいます。
そんなとき、黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリーが現れます。
(C)2010 Twentieth Century Fox
リリーやほかのライバル達に役を取られまいと、白鳥と黒鳥の役作りに没頭するニナ。
しかし、精神的に追い詰められたニナは、やがて幻覚や妄想に悩まされるようになります。そして、現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に飲み込まれていくのです……。
母からの抑圧と反抗
いわゆる精神崩壊映画の特徴でよくあるのが、抑圧された環境での生活です。
この映画の主人公ニナもまさにそうで、母からの強い過干渉を受けて育ってきました。
元バレリーナで妊娠を機に夢を諦めた母親は、プリマとして舞台に立つという自分が叶えられなかった夢をニナに託そうとしています。
(C)2010 Twentieth Century Fox
個人的に『ブラック・スワン』は、
「母の期待に応えようとしすぎたため狂ってしまった映画」
だと思っています。
そもそも、“自分の夢を子供に託す”ということ自体がとても罪深いのではないでしょうか?
(C)2010 Twentieth Century Fox
バレエだってもともとやりたかったわけではないかもしれない。でも、大好きな母親のために何かしてあげたい、褒めてもらいたい。反抗したいのにできない。
そんな純粋な子供の気持ちを利用して自分の夢を叶えようとすることは、決して美談ではありません。
だって母親がかけた呪いは、大人になっても消えることはないのですから……。
ニナと正反対のリリーの存在
優等生タイプのニナとは正反対の新人ダンサー リリーをミラ・クニスが演じているんですが、
(C)2010 Twentieth Century Fox
これがまた色気たっぷりなんですよ!!(笑)
華奢で清純なニナの儚い美しさとは逆に、ミステリアスで官能的なリリー。
リリーがニナをナイトクラブに誘い出すシーンからも分かるとおり、リリーは男性経験も豊富で「プライベートと仕事」をきっちり分けて楽しめるタイプです。
遊ぶときは思い切り遊ぶ、そしてレッスンも楽しむ。その自由奔放さが、彼女が黒鳥としてぴったりな理由でもあり、ニナにとって決して真似できない嫉妬の対象でもあります。
1年に渡るトップバレエダンサーへの道
ナタリーが演じるのは、ニューヨークのバレエ団で主役を踊るプリマドンナ。
つまり、世界的にトップクラスのバレエ団という前提なので、そこで主役を踊る役を演じるためには、最高レベルのバレエのテクニックが試されることになります。
(C)2010 Twentieth Century Fox
もともと13歳までバレエを習っていたというナタリー。しかし、そこからのブランクを考えると、体力作りも容易ではありません。
出演が決まってからは、バレエコーチであるメアリー・ヘレン・ボアーズのもと、1年以上に及ぶ訓練をしてきました。
1日5時間の練習を週6日。ほかの作品の撮影も入っているナタリーの空いている時間すべてを練習に費やしたとのことです。
さらにナタリーは、バレリーナらしい体型作りのため10キロの減量もしたそうで、その努力が実り、あまりに本格的なダンスに撮影中も驚きの連続だったそうです。
(C)2010 Twentieth Century Fox
そして、リリー役のミラ・クニスも7ヶ月に及ぶ特訓と9キロの減量をし、ライバルとして張り合えるバレエ技術を身につけたとのことです。
私はこれを知ったとき、本人たちが全部やってるの⁉︎と目を疑うほどでした。
プロって痩せたり太ったり、時には技の習得だったり、本当に命をかけて取り組む姿が凄すぎます……。
サスペンス映画ではあるものの、バレエとしての美しさや迫力も魅力。本当に白鳥の湖の舞台を観に来たかのような圧巻の映像をぜひ楽しんでください。
『ブラック・スワン』、週末のお供にいかがですか?
【ブラック・スワン 予告動画】
映画『ブラック・スワン』新予告編
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