《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
“A24 × アリ・アスター” が贈る、禁断スリラー『ドリーム・シナリオ』
(C)2023 PAULTERGEIST PICTURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED
本連載【シネマ・グレイ】ではお馴染みのスタジオA24と、『ヘレディタリー/継承』(2018)や『ミッドサマー』(2019)などで人々の不安を煽る鬼才アリ・アスターがタッグを組んだ禁断のスリラー『ドリーム・シナリオ』(2023)。
ごく普通の暮らしをしていた大学教授が、突然何百万もの人々の夢の中に現れたことで平凡な日常が一変するという、まさにアリ・アスターらしい不穏なドリームスリラーになっています。
主演は、『ザ・ロック』(1996)や『コン・エアー』(1997)、『フェイス・オフ』(1997)などのアクション大作をはじめ、100本以上の映画出演歴をもつアカデミー賞俳優 ニコラス・ケイジ。
本作は、第81回ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートを果たし、ニコラス・ケイジ本人も「キャリア史上最高の作品だ」というほどの自信作!
監督は『シック・オブ・マイセルフ』(2022)で長編映画デビューを果たした、北欧の異才クリストファー・ボルグリ。ニコラス・ケイジの演技力とSNS社会への風刺を巧みに切り取った本作は、米批評サイトや各メディアでも絶賛評を獲得しています。
突如、何百万もの人々の夢に現れる男
ごく普通の暮らしをしている大学教授のポール・マシューズ。妻 ジャネットと2人の娘とともに平穏な日々を送っています。
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生物学教授であるポールは、進化生物学の本を出版したいと考えていますが、学生時代からの知り合いが同じテーマで有名雑誌に論文を発表すると聞き、複雑な感情を抱きます。
なんとか自分も本の出版で有名になりたいと思うも、原稿は全然進みません……。
そんなある日、
何百万という人々の夢の中に一斉にポールが現れるのです!!
その不可解な現象に世間は大騒ぎ! 数々のメディアに取り上げられたポールは一躍有名人となります。
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さらには夢だった本の出版まで持ちかけられ、ポールは天にも昇る気持ちでした。
しかし、そんな夢のような日々は突然終わりを告げるのです……。なんと、
夢の中のポールがさまざまな悪事を働くようになり、現実世界で大炎上!
人気だったポールは一気に嫌われ者になり、悪夢のような日々が始まります。
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何もしていないのに人気絶頂を迎え、何もしていないのに大炎上したポールの運命は一体どうなってしまうのでしょうか……。
「This Man」という都市伝説を知っていますか?
じつは『ドリーム・シナリオ』は、ある都市伝説をもとに作られた作品です。
それは、イタリア人のマーケティング専門家・社会学者のアンドレア・ナテッラがゲリラ・マーケティングの一環として考案した「This Man」という都市伝説です。
2008年に立ち上げられた「Ever Dreamed This Man?」というウェブサイトにて、
「この男を、夢で見たことがありますか?」
という質問とともに、とある男の写真を載せました。
(見たい方は、公式サイトからどうぞ。)
※この顔が怖い! という方もいるので、閲覧される際はお気をつけください!
すると、「なんだか似た男を夢で見た気がする」 「私も夢で見たことある」と言い出す人が続出。
なんとその数2000人超え!!
世界中の人々の夢の中に繰り返し現れるものの、現実では決して姿を現さないとされるこの謎の男は「This Man」と名付けられ、都市伝説として語られています。
日本でも一時的にこの写真がネットで拡散されていたこともあるので、見たことがある! という人もいるかも知れません。
しかし、なんとも言えない「This Man」の顔(笑)。
確かに見たことがあると言えばあるような……と思わせる、人間の心理をうまく突いたマーケティングですよね。
なぜニコラス・ケイジがハマり役なのか?
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ネットに踊らされる不憫な男 ポールを演じたニコラス・ケイジ。観れば観るほどニコラスがハマり役だなと感じるんですが、それもそのはず。
じつは、ニコラスは英語圏のSNSでネットミーム化され、いろんなコラ画像を使われたことにより、実際に自分の知らないところで自分の画像によってバズったり炎上したりする経験をしているんです!
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まさに、ポールのような現象を身をもって体験している、ニコラスだからこそ出来る役なのかも知れません。
借金返済のため数々の低予算映画にも出演してきた経歴
シリアスな映画やアクションのイメージが強いニコラス・ケイジですが、B級映画にもたくさん出演しています。
彼は、2009年頃に不動産バブル崩壊で多額の借金を背負いました。その額、なんと……、
600万ドル! 日本円にして約8億2,000万!!
自己破産はせず返済していくと決めたニコラスは、豪邸や高級車も売り払ったのちに、年に4,5本の低予算映画に出演し続け、2020年代に入りやっと借金を返済し終えました。
どんなB級映画でも手は抜かず全力でやる! とインタビューで答えていたニコラス。その期間に出演した映画だと後で知ったんですが、『ウィリーズ・ワンダーランド』(2020)という作品が凄く好きです♡
(C)2020 LSG2020, Inc. All rights reserved.
B級感溢れるメインビジュアル!! こちらの映画……、
ニコラスは一言も喋らないんです!!(笑)
ニコラス・ケイジをなんという贅沢な使い方するんだ! ニコラスの無駄遣い! と思ってたんですが、それがまた面白いんですよ。内容的にはただただ強いニコラスが無双する話なんですが(笑)、こういうB級映画にも出てるんだ!? と何だか私のなかで好感度が爆上がりした作品です♪
『ウィリーズ・ワンダーランド』は、また機会があればゆっくり紹介するとします♡(笑)
とにかく、どんな作品にも全力のニコラス・ケイジが「キャリア史上最高の作品だ」というほどの自信作『ドリーム・シナリオ』、週末のお供にいかがですか?
【ドリーム・シナリオ 予告動画】
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