こんにちは、恐竜おねえさんこと生田晴香です。2025年、新しい年がスタートしたということで、今回は恐竜がいた中生代の時代を細かく覚えようの回です。恐竜の時代はとても長いのでどの恐竜がどの時代、どの場所にいたのかわからなくなりがちです。この機会に恐竜の地質時代を覚えましょう!

連載コラム「生田晴香、恐竜と生きる」。福井恐竜博物館 公認恐竜博士、古生物学会友の会・恐竜倶楽部メンバーでもある自他共に認める恐竜ラバーのタレント生田晴香が、恐竜の素晴らしさを隅から隅まで語り尽くします。壮大な歴史とドラマ、未解明の不思議が交差する魅惑の恐竜ワールドへ、ようこそ! - singles編集部

恐竜時代はとっても長い

ティラノサウルスがいた時代は中生代の終わり、白亜紀後期です。日本のカムイサウルスや、映画『ジュラシック・パーク』シリーズでおなじみのヴェロキラプトルも白亜紀後期。

ラプトルとティラノサウルスの『ジュラシック・パーク』スタチュー

『ジュラシック・パーク』シリーズの映画だとティラノサウルスとヴェロキラプトルは一緒に登場しますし、これだけ見ると全員同じ時代・場所にいたんだろうなぁなんてイメージしちゃいませんか?

それがなんと! 白亜紀後期と一口に言っても、どの恐竜もまったく同じ時代・場所にはいないので、それぞれが会うことはなかったんです。人類の歴史なんてまだまだ短くて、白亜紀後期の期間だけでどれだけ長いことか!

これから先、同じ場所から同じ時代の化石が新しく出る可能性はあるので100%とは言いきれませんが、現在わかってる時点では別々なので、ティラノサウルス・ヴェロキラプトル・カムイサウルスが会うことはありません。

ほとんどの図鑑などではそれぞれ“白亜紀後期”としか書かれていないので、勘違いしやすくなってしまってるのではないかと思います。

白亜紀後期のなかでもいつの時代なのか、白亜紀だけではなく三畳紀、ジュラ紀ももう少し細かく知っておくと、これからまた先新しい恐竜を知るときに同じ白亜紀でもあっちの方が古い時代にいたんだなぁとイメージでき、より歴史を感じやすくなるので覚えていきましょう。

中生代の地質時代

地球が誕生したのは約46億年前と考えられています。地球の歴史の分け方のひとつで「地質年代」というものがあり、約5億4100万年前〜古い時代から順に「古生代」「中生代」「新生代」に分けられます。

画像: 大阪市立自然史博物館にて撮影

大阪市立自然史博物館にて撮影

古生代は恐竜時代より前で、よく恐竜だと間違えられるペルム紀の単弓類「ディメトロドン」がいるペルム紀も古生代に入ります。

画像: アノマロカリス

アノマロカリス

テレビ東京の「カンブリア宮殿」という番組をご存知でしょうか。ハルキゲニアやアノマロカリスがいるカンブリア紀というのがあるのですがそれも古生代に入ります。

中生代は恐竜の時代で、約2億3000万年前に恐竜は誕生しました。

中生代は、古い順で「三畳紀」、「ジュラ紀」、「白亜紀」に分けられます。中生代にずっと恐竜がいたわけではなく、三畳紀後期、もしかしたら中期にはいたかもしれないと考えられています。

さて、中生代の国際年代序表を見ていきましょう。

三畳紀(約2億5190万年〜約2億136万年前)

前期→約2億5190万年〜
中期→約2億4670万年〜
後期→約2億3700万年〜約2億136万年前

ジュラ紀(約2億136万年〜約1億4310万年前)

前期→ 約2億136万年〜
中期→約1億7470万年〜
後期→約1億6153万年〜約1億4310万年前

白亜紀(約1億4310万年〜約6604万年前)

前期→約1億4310万年〜
後期→約1億50万年〜約6604万年前

そこからさらに「期」で分けると、古い順に、

三畳紀 前期(約2億5190万年〜約2億4670万年前)

・インドゥアン
・オレネキアン

三畳紀 中期(約2億4670万年〜約2億3700万年)

・アニシアン
・ラディニアン

三畳紀 後期(約2億3700万年〜約2億136万年前)

・カーニアン
・ノーリアン
・レーティアン

ジュラ紀 前期(約2億136万年〜約1億7470万年前)

・ヘッタンギアン
・シネムーリアン
・プリンスバッキアン
・トアルシアン

ジュラ紀 中期(1億7470万年〜約1億6153万年前)

・アーレニアン
・バッジョシアン
・バトニアン
・カロビアン
・バレミアン
・アプチアン

ジュラ紀 後期(約1億6153万年〜約1億4310万年前)

・オックスフォーディアン
・キンメリッジアン
・チトニアン

白亜紀 前期(1億4310万年〜約1億50万年前)

・ベリアシアン
・バランギニアン
・オーテリビアン
・アルビアン

白亜紀 後期(約1億50万年〜約6604万年前)

・セノマニアン
・チューロニアン
・コニアシアン
・サントニアン
・カンパニアン
・マーストリヒチアン

ヴェロキラプトルは、カンパニアン期。
カムイサウルスは、マーストリヒチアン期。
ティラノサウルスも、マーストリヒチアン期。

となると、カンパニアンのヴェロキラプトルはティラノサウルスらより先に誕生し、マーストリヒチアン期に入るころにはいなくなった、とどのつまり絶滅したということになります。

ティラノサウルスとカムイサウルスは同じマーストリヒチアン期ですが、マーストリヒチアン期の初期がカムイサウルスで、後期がティラノサウルスなので会うことはなかったんですね。

画像: カムイサウルス。「恐竜博 2019」にて撮影

カムイサウルス。「恐竜博 2019」にて撮影

ちょっとおしい感じはしますが生息場所も離れているので、やはりティラノサウルスがカムイサウルスを食べることはなかったでしょう。

中生代の国際年代序表を細かくすると見たことも聞いたこともない単語がずらーっと出てきてわけわからなくなりそうですが、マーストリヒチアン期・カンパニアン期は恐竜の種類も多く、よく産出しているのでこの二つだけでもどちらが古い時代か覚えておくと、より恐竜の時代をイメージしやすくなるでしょう。

現代を楽しんでる生田晴香

そして、約6604万年前の大量絶滅後に新生代がきて今現在に至ります。今年も来年も一生恐竜を楽しんでいきたいですね。

では!

画像: ティラノサウルスとヴェロキラプトルの誕生はどっちが先? 恐竜がいた中生代の地質時代を解説

生田晴香 | Haruka Ikuta

恐竜タレント。TV、CMのほかモデルとして活躍中。福井恐竜博物館の公認恐竜博士で恐竜検定所持。恐竜トークショー、クイズ、鳴き声コンテスト審査員。古生物学会友の会&恐竜倶楽部メンバー。恐竜のうた「ダイナソーDANCE」監修。実は元あやまんJAPAN。

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