※この記事で紹介する作品には、赤塗りの部族が登場するため画像全体が赤い場合がありますが、血液ではありません。ただし一部流血表現が含まれるため、苦手な方はご注意ください。
《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
トラウマ必須の食人エンターテインメント!『グリーン・インフェルノ』
『ホステル』(2005)の鬼才イーライ・ロス監督が、1981年製作のルッジェロ・デオダート監督作「食人族」をモチーフに、アマゾン奥地で食人族に捕らわれた若者たちの、壮絶な運命を残酷描写満載で描いたホラー『グリーン・インフェルノ』(2013)。
“人を食べる”
という衝撃な内容に「あまりに残酷すぎる」「リアルすぎて実話なのでは?」と世界中で賛否両論を巻き起こした問題作です。
だってメインビジュアルに書いてある謳い文句が、
『残酷無慈悲な食人エンターテインメント』
ですよ!?
いや、そんなエンターテインメント聞いたことないのよ(笑)
でも『ホステル』での冷酷な殺戮シーンがめちゃくちゃ記憶に残っていたので、イーライ・ロス監督が『グリーン・インフェルノ』をどれだけ残酷無慈悲な作品に仕上げたのか、公開されたときはわっくわくでした!
実際、今では好きな映画と聞かれたら『グリーン・インフェルノ』と挙げることもあるくらい好きな作品になりました。(理解はされず変人扱いされるので要注意)
ただ!! 一つ言いたいのは、
「グリーン・インフェルノは決してただのグロ映画ではない!!」
ってことです。どういうことか、あらすじとともに紹介していきます♪
慈善活動をする大学生が出会ってしまった、「カニバリスト」部族
主人公の女子大生ジャスティンは、ニューヨークの大学で環境保護活動に興味を持つ学生です。
ある日、アレハンドロ率いる慈善活動グループが、熱帯雨林の開発を進める企業からアマゾンに暮らす部族を救うため、アマゾンの奥地へ行く計画を立てていました。この計画に参加を決意したジャスティンは、他の活動家とともにアマゾンの熱帯雨林へと向かいます。
しかし、そこで飛行機のエンジントラブルが起こり、なんと飛行機は墜落してしまいます!(嫌な予感しかしません)
墜落現場で助けを求める一行でしたが、そこに現れたのは全身を赤く塗った部族。
そう! なんと彼らこそが、ジャスティンたちが救おうとしていた部族「ヤハ族」だったのです!!
彼らに襲撃され捕らえられてしまうジャスティンたちは、村で「ヤハ族」の衝撃の真実を知ってしまいます。
なんと彼らは人間を食べる、
「食人族」
だったのです!!!
ほら! 言わんこっちゃない!(誰)
もうそうなると死亡フラグ満載になってくるわけですが、ジャスティンは他の生存者と協力し脱出のチャンスを伺います。仲間が次々とカニバリスト儀式の犠牲になっていくなか、果たして生きて村を出ることはできるのでしょうか!?
「ヤハ族」はただの野蛮民族なのか?
『グリーン・インフェルノ』は、「食人族」が次々と人を殺していくただのグロテスクなホラー映画と思いきや、じつはもっと深い、
『文化の違い』『多様性』『決めつけることの愚かさ』
など、さまざまなテーマを含む作品だと私は思っています。
それは物語を見ていくと、「ヤハ族」が決してただの殺人民族ではないことが分かるからです。
彼らにとって“人を食べる”というのは、村の風習や儀式でもあります。そのなかでも「ヤハ族」としての誇りやルールがしっかりとあり、その掟を破る者・村人を危険に晒す者など、「食べる人間」を吟味しています。
弱者と決めつけた結果が招いた悲劇
ジャスティン一行は、「アマゾンに暮らす部族を救ってあげたい」という目的でやってきたわけですが、実際は救う必要などないほどたくましく強い「ヤハ族」という誇り高き部族だったわけです。
アマゾンの奥地に住んでるから弱い民族? 私たちが助けなきゃ何もできない?
そんな勝手な憶測で彼らが暮らす村に来るなんて、非常におこがましく馬鹿にした行動です。
だって「ヤハ族」からしたら、どんな目的であろうと村を危険に晒す外部の侵入者でしかないのだから……。
食人族の99%は現地人が怪演!!
本作、「ヤハ族」のリアルすぎる演技が、より怖さを増幅させているんですがそれもそのはず!!
なんと、食人族の99%を現地人が演じているのです!!
う、うそでしょおおおおおお!!
もうこれ最初に知ったときは驚きすぎて何回も見返しましたね。
「ヤハ族」を演じたのは、カラナヤク族という先住民とのこと。彼らは演技はもちろん、映画という存在も知らなかったため、監督が映像機材を現地に持ち込んで見せた映画こそが『食人族』(1980)。
先住民たちに、これから撮影する作品の暴力レベルを理解してもらうためだった、と監督は語っています。
作品を観てみると、ところどころヤハ族のリアクションや動きが全然ないところがあるんですよ。でもある意味ではその淡々とした表情と動きが、彼らの当たり前を映し出しているようで逆にリアルなんですよね。もちろんカラナヤク族は「食人族」ではありませんが!(笑)
でも初めて映画や演技に触れたカラナヤク族が、一生懸命撮影に協力してくれたという裏話でなんだか胸が熱くなりました。
そしてもう一つ、主人公ジャスティンを演じるのは、監督の妻である女優 ロレンツァ・イッツォなんですよ!!!
実際に南米の密林など危険な地域での撮影でかなり過酷だったようですが、その作品の主演を奥さんに演じてもらうとは!! やっぱ狂ってるぜ監督!(笑)
もちろんトラウマ級のグロ映画ではあるものの、こんな裏話を知ってから観るとまた作品の深みが変わってきますよね☆
そして予想もつかない衝撃のラストも待ち受けています!
週末のお供に『グリーン・インフェルノ』、いかがですか?
【グリーン・インフェルノ 予告動画】