《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
日本公開中止の超問題作『マザー!』
今回紹介するのは、『ブラック・スワン』(2010)の鬼才ダーレン・アロノフスキー監督が、『世界にひとつのプレイブック』(2012)でアカデミー主演女優賞を受賞したジェニファー・ローレンスを主演に迎えて描いたサイコミステリー『マザー!』(2017)です。
『マザー!』は2017年にアメリカで公開されたのち、翌年に日本でも公開が予定されていました。
しかし、日本での劇場公開は突如中止に!
ええええええ!!
鬼才ダーレン・アロノフスキー監督の作品だけに、日本公開を心待ちにしていたファンも多くいたはずです。中止理由は、『マザー!』の製作会社である「パラマウント映画」の意向ということでしたが、詳細は発表されていないので真意は分からず。
その後、日本での劇場公開は中止になりましたが、のちにDVDが発売・レンタルされ、やっとの思いでわくわくと鑑賞した私。
「これは公開中止にもなるわ!!(笑)」
が、素直な感想です(笑)
おそらくここらへんのシーンが問題になったんだろうなって箇所があるのですが、グロいことに加えて、これは一部の層から痛烈に批判を食らいそうだなって感じです。
あくまでフィクションと捉えれば、ほかの映画でも同じようなシーンはあるんですけど、うーん! 難しいところ!(笑) 観てほしい! としか言えません!
メンタル注意! とにかくストレスが溜まる映画
正直『マザー!』はネタバレなしで観てほしいんですが、何の情報もなく観るととにかくストレスが溜まる映画です!(笑)最初から最後まで「は? 何で?」とイライラし続ける121分となります。
精神衛生上よくないのですが、でもやっぱり最初はイライラしながらも考察する121分を過ごしてほしいです(笑)
さらにこの映画の面白いところは、あらすじを知ってから観たとしても、考察を調べて見ない限りほとんどの人が最後まで意味不明だと思います。なので、ネタバレはせずにあらすじに沿って紹介していきますね☆
あらすじ
郊外の一軒家に暮らす一組の夫婦のもとに、ある夜、不審な訪問者が現れたことから夫婦の穏やかな生活は一変。翌日以降も次々と謎の訪問者が現れるが、夫は招かれざる客たちを拒む素振りも見せず、受け入れていきます。
そんな夫の行動に妻は不安と恐怖を募らせていき、やがてエスカレートしていく訪問者たちの行動によって想像もしない出来事が待ち受けるのでした……。
一軒家の中だけで起こる不可解な出来事
詩人である夫と若い妻は、森の中の一軒家に住んでいるんですが、物語はこの一軒家のみで進行していきます。
長い間スランプ状態の夫を献身的に支えながら2人で暮らしている夫婦の元に、ある日見知らぬ中年男性が家を訪ねてきます。突然の来客に戸惑う妻ですが、困っている人を放っておけないと、夫は彼を家に泊めてあげることにします……。
ここからどんどん不審な出来事が起こるんですが、夫がマジでおかしい!
最初に訪れる男性を不審に思う様子もなければ、まるで昔からの親友のように受け入れ、もてなします。その後にも数々の訪問者やあり得ない出来事にも「断れない」だの「受け入れることが大切」などと言いやがるんですよ(怒)
家の中のみというワンシチュエーションですが、それを不思議に思う暇もないくらい夫や登場人物にイライラします(笑)でも、じつはこの「家の中だけ」というのも非常に重要なポイントなんです。
なぜ? 名前のない登場人物たち
映画を観ているとある事に気が付きました。
それは、
登場人物たちに名前がない!!!
という事です。
あなたとか、彼とか、彼らとか呼ぶだけで、とにかく名前がないんです。絶対そこは名前呼ぶだろ! って場面でも不自然なほど呼ばないんですよ(笑)これも書きすぎるとネタバレになるので言えませんが、
『マザー!』は、物語であって物語ではない。
ってことなんです。(意味深すぎる)
でもすべてが分かったとき、名前がないことにも納得。うわーおもしろ〜ってなります!
ただ、胸糞シーンはかなり多め! 意味が分からなければ分からないほど不快感は募り、イラつき、観終わるころには何歳か老けたような気さえしてきます(笑)
ちょっとだけ知りたい方へ……
ネタバレはしません!! しませんが!!! 本当にちょっとだけ知りたい方のために、ここから先は書いていきます。
※まったく知りたくない方は引き返してください
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『マザー!』は究極のメタファー映画なのです!
つまり、明確な比喩表現を使わずに、ある事象をこの121分で表現し、視聴者にそれを伝えているのです。
監督も、この映画は「ある特定の人らに向けて作った映画だ」と仰っているので、そもそも一般受けするように作られていないんですよね。この物語のメタファーに気づき、それを理解・許容出来る人にしか伝わらなくていいって思ってるんです。
なのでアメリカでも酷評され、日本でも公開中止になったのはある意味思惑通りだったのかも知れません。だってそういう映画だもんっていう監督の開き直りにさえ思えます(笑)
ただこのメタファーに気づく、あるいは考察を調べたうえでもう一度見ると、121分のイラつきの原因は夫でも訪問者でもなく、『この映画を観ている自分自身』ということに驚愕するはずです。
全世界が驚愕した超問題作『マザー!』、週末のお供にいかがですか?
【マザー! 予告動画】