週末のまとまった時間を使って一気見(=マラソン)したい、シリーズものや関連する映像作品をご紹介する連載【週末シネマラン】。アマプラ(Prime Video)やNetflixなどの配信サービスを使って観ることができる映画・ドラマ・アニメの中から、singles編集部メンバーが各々おすすめをピックアップ! 今回は、古くさくて格好いい作品が大好きな筆者でらちゃんが、『ゴッドファーザー』シリーズをご紹介します。

《でらちゃんの自己紹介》
とくに1940年代〜70年代くらいを舞台にした作品が好みで、ストーリーに関係ないインテリアやファッションにも注目しがち。報われない最後やどんでん返し系だとなおよし……!
主に利用している配信サービス:アマプラ、Netflix
好きなジャンル:ギャング・マフィア、サスペンス、ノンフィクションなど

(微ネタバレ)『ゴッドファーザー』シリーズそれぞれの見どころ

『ゴッドファーザー』シリーズは作品ごとにさまざまな人間関係が描かれ、見どころも多すぎるくらい多いです! 今回は私がとくに気に入っているポイントを、微ネタバレを含みながら紹介します。

※この先、ネタバレ注意!!

『ゴッドファーザー』見どころ

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  • ビトーの渋さ満載
  • マイケルの変容っぷりがすごい
  • 女性の在り方や扱われ方にも注目

映画「ゴッド・ファーザー」シリーズでもっとも渋い男、ビトー・コルレオーネ。静かで落ち着きながらも、重みのある独特な彼の雰囲気を存分に楽しめるのは『ゴッドファーザー』だけです。彼の一挙手一投足に注目してください!

そして、『ゴッド・ファーザー』でもっとも雰囲気が変わる男、マイケル。彼の変わりっぷりにももちろん注目です。最初はさっぱりしていて無垢で真面目な青年だったのに、終盤にはその顔に暗い影を落とし、なんだか目もキマってきてるような……。この男、ただの甘ちゃんじゃないぞ……。

そしてマフィアの物語とはいえ、女性たちにも思いを馳せてみると、少し違った見え方になるかもしれません。

例えば、シチリアでマイケルと結婚したアポロニア。当人同士で話したこともないのに、マイケルとアポロニアの父親だけで結婚を決められてしまいます。「この時代には、女は男についてくるものという認識が一般的だったんだろうな」と……。

ドンが打たれて一家に暗い雰囲気が立ち込めているとき、ファミリーの人間はみんな黒い服を着ている中、屋敷を訪れたケイは真っ赤な服を着ていました。「きっとこのときのケイは、まだファミリーの人間になる覚悟もなく、浮いた存在なんだな」と……。

男たちの物語にばかり目がいってしまいがちな『ゴッドファーザー』ですが、女たちの心情が描かれるシーンも少ないながらしっかりあるので、同じくらいよく見てみると面白いですよ!

『ゴッドファーザー PART II』見どころ

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  • 構成が斬新で物語に深みを持たせている
  • もっとビトーのことを教えてくれ!
  • マイケルの葛藤と上手くいかなさに目を背けるな

PART IIの構成は分かりにくいだけかと思いきや……物語に深みを持たせる役割をしていると思います。コルレオーネ・ファミリーの礎となるビトーの若い頃と、上手くいかずに「父はどうやってファミリーを守ったのか」と苦悩するマイケルの物語。

これを行ったり来たりすることで、ビトーが生前にマイケルを思っていた気持ちと、今のマイケルが父ビトーを思う気持ちがしっとりと伝わってきます。

ビトーの物語だけに注目すると、事実の羅列で気持ちにフォーカスする描写が少なく、あっさりしているな……と思います。できることなら、もっと当時のビトーの心情をじっくり見せてほしかった!

一方で、真面目に働いていた人間が犯罪に手を染めて裏社会のドンになるきっかけなんて、案外そんなもんなのかもしれないな……とも思います。

マイケルの物語に注目すると、まあ……なんとも……あまり上手くいっていない。兄弟と仲違いし、妻とも不仲になったり、ビシネスもうまくいかずに、相手に嵌められそうになったり。そんななかでマイケルを見ていると、弱いところは一切描かれていないのに、むしろ描かれていないからこそ、彼は「強い」のではなく「強くあろうとするしかなかった」という感じがします。

見ているこちらも「この状況どうしたらいいんだ……」と頭を抱えてしまいますが、マイケルが戦ってる以上、我々視聴者も目を背けずにしっかり見届けねば……という謎の使命感が生まれてしまうほどです。

『ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期 - マリオ・プーゾ原作』見どころ

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  • 1作目『ゴッドファーザー』を思い出す
  • ビトーの頃とはまったく時代が違う
  • マイケルの最期

1作目の追体験かな? と思える要素がちょこちょこ入っているのがこの3作目。例えば、「ビトー・コルレオーネ財団」のパーティーでマイケルが娘のメアリーとダンスするのは、ビトーがコニーと彼女の結婚式でダンスしていた頃を思わせます。

これまでとくに実績がなかったのに自信満々で「ファミリーのために仕事をする」といったヴィンセントは、あの頃のマイケルのようにも感じられます。

とはいえ、時代が大きく変わったんだな……とよく分かるのもこの3作目の特徴です。マフィアだったコルレオーネ家は合法ビジネスを推進し、まるで一企業のような振る舞いをしています。裏で暗殺や違法なことをしていても、表向きはクリーンな印象を持たれるように……という動きが強まっているように感じられます。

そしてマイケルもゴッドファーザーの地位を後継者に譲り、最期を迎えます。長い年月(映画の試聴時間だと6時間ほど)、ずーっとマイケルの人生を見てきたので、この最後にはどうしたって涙が出てきてしまいますね……。

ちょこっと雰囲気を感じられる予告編はこちら

画像: - YouTube youtu.be

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