演奏にアートと、日頃から芸術にどっぷりと浸かっている筆者utoが、ひとりでゆっくりと楽しめる企画展をご紹介。今回は番外編として、アートウィーク東京のメディアツアーに行ってきたので、そのレポートをお送りします。わくわくが詰まったアートウィーク東京、ぜひご注目くださいね!

プラダ 青山店

画像: 外観もおしゃれ

外観もおしゃれ

プラダ 青山店では、リジー・フィッチライアン・トレカーティンによる立体作品と、立体作品の中で展開される映像作品を楽しむことができます。

この展示では、学生時代にお互いの作品に感銘を受けあったふたりの手によって、生活と芸術との境界の曖昧さを感じることができます。とくに映像作品においては、ある意味生活感のあるセリフが繰り広げられていますが、映像としては非日常感のある視覚効果が追求されていて、独特の空気が存在していました。

画像: 刺激の強い表現もあります

刺激の強い表現もあります

立体作品で見ることができるそれぞれのキャラクターの表情は、AIによって作り出されたものだそうですが、AIというものが持つ不可解さと人間の想像力の外にある表現を感じることができました。

立体作品の服装の細かな点に至るまでを観察していると、その中にストーリーを感じることができ、これはこういうことなのかも、これはこういうふうに読み取れるかもなど、自分の中にアート鑑賞の楽しさが芽生えてきました。

展示期間は2024年10月24日(木)~2025年1月13日(月)です。

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タクロウソメヤコンテンポラリーアート

画像: 「extraction(抽出)」の概念に焦点を当てたアート

「extraction(抽出)」の概念に焦点を当てたアート

タクロウソメヤコンテンポラリーアートでは、大山エンリコイサムの作品を見ることができます。

ねじれのようなうねりのようなグラフィックと、その背後にある有機的なイメージは、ストリートアートのひとつである壁に描かれたアートと従来の芸術との表現を繋ぐ、横断的なものでした。

画像: 特徴的なモチーフ

特徴的なモチーフ

そのふたつの表現を横断するアートは、展示室という屋内にいながら、広い屋外にいるかのような錯覚を起こさせ、アートと日常を隔てるものがじつはとても飛び越えやすいものであることを感じさせてくれます。

コンクリートの質感に囲まれた展示室での作品の配置まで、すべてが作家の表現の一部として存在していて、その中に立つことは街とアートの境目に立つような不思議な体験でした。

展示期間は2024年10月29日(土)~2024年11月30日(土)です。

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ギャラリー小柳

画像: じつはお手洗いにもアートが隠れているので、ぜひ見てみてください!

じつはお手洗いにもアートが隠れているので、ぜひ見てみてください!

ギャラリー小柳では、AWT BARでもカクテルを考案している束芋の作品を見ることができます。

束芋は、これまで風刺的な作品を多く描いてきましたが、今回の展示では映像作品に注力しています。その表現の中では作家の意図を極力排除し、鑑賞する人がどのような感情や感想を持ったとしても、それすらアートの一部であると言ってくれているような作品を見ることができます。

画像: シルバニアファミリーを使った映像作品

シルバニアファミリーを使った映像作品

映像作品としては小さなものが多いのですが、ドールハウスに投影したものや、ホルマリンの瓶に投影したものなど、その小さな世界の中に無限の領域が広がっているような感覚になることができました。

筆者個人としては、今回のメディアツアーでは、とくにこの束芋の作品に惹かれました。細部まで緻密に作られた表現は、不穏さや不思議さといった感情から、懐かしさや目新しさといった感情まで、さまざまなものを喚起してくれました。

展示期間は2024年10月5日(土)~2024年11月16日(土)です。

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シャネル・ネクサス・ホール

シャネル・ネクサス・ホールでは、「日常の再魔術化」と題した3名のアーティストによる作品を見ることができます。

画像: 香りとともに楽しめるアート

香りとともに楽しめるアート

ビアンカ・ボンディによるタペストリーは、海の中の有機物をイメージさせる大型の作品で、4つのタペストリーそれぞれに違う香りがつけられており、ひとつの作品で違った世界観を楽しむことができます。また時間経過で結晶化する作品も展示されていて、丹羽海子の徐々に植物が枯れていく表現ともリンクし、会期中何度も足を運びたくなる表現がされています。

画像: 規則的に動き続ける機械のアート

規則的に動き続ける機械のアート

小林椋の大量生産品を思わせる作品たちは、有機的で意味がある動きをしているように見えて、どこか不和を感じさせるオブジェクトとなっています。作品とそれが存在する空間、そしてそこに足を踏み入れた人間の間には、独特の空気感とコミュニケーションが発生しているように思えました。

画像: 小さな人形と植物のアート

小さな人形と植物のアート

丹羽海子の作品は、ダフネをモチーフとした小さな人形が会場中に展示されていましたが、ぱっと見ると植物が添えられた素朴にも思えるビジュアルをしています。その小さな人形たちは、もとは男女のこどもたちの姿をしており、それぞれのジェンダーを表現した動作をしていましたが、それを溶かして再構築することで、多様性を表現する存在となっています。

また、植物に変えられてしまい人間性を奪われたダフネに、もう一度人の姿を与え植物を添えることで、人間性を取り戻させる試みもしています。

この3名の作品がひとつの会場に同時に展示されていることは、愛と魔術を再考するというコンセプトの本展において、それぞれの存在が欠かせないものであることを感じられました。

展示期間は2024年10月19日(土)~2024年12月8日(日)です。

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アートウィーク東京をぜひ楽しんで!

今回は、アートウィーク東京の一部を体験した、記者発表会とメディアツアーの様子をご紹介しました。

主催者たちの熱い思いによって構築されているこのイベントで、多くの作品と東京の街を楽しむことは、とても素晴らしい体験になるはず!

昨年の開催では44,000人以上の来場者があったほど、大きなアートイベントです。東京という街がひとつのアートスペースになったようなこのイベント、ぜひお出かけしてアートを存分に楽しんでくださいね。

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