フォーマルからインフォーマルまで、自身のこだわりを移す鏡として選ばれる腕時計の数々。ここではブランド腕時計専門店・MOON PHASE(ムーンフェイズ)が最新モデルからアンティークまで、クールなおひとりさまの腕を飾るに相応しい珠玉の1本をセレクト。今回は、ロレックスのアンティークから、珍しいハニカムダイヤルを搭載した『エアキング Ref.5506』をご紹介しよう。
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ROLEX
世界でもっともポピュラーな腕時計ブランド・ROLEX(ロレックス)。高級時計の代名詞といっても過言ではないが、その歴史は1905年の創業から100年余りと意外と短い。その間の偉業は数知れないが、高い防水性を実現した「オイスターケース」、自動巻ローター「パーペチュアル」の技術は、新興ブランドであったROLEXを不動の地位に押し上げた。

凹凸が生む唯一無二の存在感

1950年代後半に登場したロレックス『エアキング Ref.5506』は、同ブランドのなかでもあまり知られていない異色のモデルである。とりわけ流通量が極めて少なく、市場で見かける機会は稀だ。

そんな希少なRef.5506のなかでも、とりわけ目を引くのが今回紹介する個体である。

画像: エアキング ハニカムダイヤル Ref.5506

エアキング ハニカムダイヤル Ref.5506

本個体の特徴のひとつめは、ケースに施された金張り、いわゆるゴールドフィルド(GF)仕様である点だ。ステンレススチールをベースに、厚さ40ミクロンの金が施されており、10〜20ミクロンが一般的な当時としては異例のクオリティといえる。

厚さを示す「40 MICRONS」の表記は、裏蓋の内側に刻まれており、いまも鮮明に確認できる。

そしてもうひとつが文字盤に施された独特の凹凸模様──いわゆる「ハニカムダイヤル」である。

画像: 希少なハニカムダイヤル

希少なハニカムダイヤル

蜂の巣状の立体パターンが、光を受けるたびに微細な陰影を生み出し、アンティークならではの味わいを演出している。こうしたハニカム仕上げは、1950年代の一部モデルでのみ採用されたもので、現行品ではほとんど見られない。

画像: 先端に向かって細くなる立体的なくさび形インデックス

先端に向かって細くなる立体的なくさび形インデックス

本モデルのインデックスは、3・6・9の位置にアラビア数字を配し、それ以外にはくさび形インデックスを組み合わせるという、まさに“いいとこ取り”の構成。人気スタイル同士のこの組み合わせは、視認性とデザイン性を兼ね備えており、コレクターにとっては魅力的な要素のひとつ。

6時位置には「SUPER PRECISION」の文字が配されているが、これはクロノメーター認定を受けていないムーブメントながら、高い精度を誇ることを示す表記である。(意味は“超精密’といったところ)

画像: 独特な形状の切れ込みが特徴のローター。まるで羽を広げた蝶のように見えることから「バタフライローター」と呼ばれている

独特な形状の切れ込みが特徴のローター。まるで羽を広げた蝶のように見えることから「バタフライローター」と呼ばれている

搭載ムーブメントはCal.1530。1958年頃から64年頃までのわずか数年間しか製造されなかった短命なムーブメントで、本機はその前期型にあたる。

特徴的なのはローターの形状で、蝶のようなシルエットの「バタフライローター」を採用している点だ。また、ムーブメントには25石と刻まれているが、カタログ上では17石と記載されており、後期型では26石へと変更されている。これらの点からも、1530キャリバーがいかに謎の多いムーブメントであるかが窺える。(本モデルは25石で間違いない)

画像: 凹凸が生む唯一無二の存在感

ロレックス初のペットネーム付きモデルとして知られる『エアキング』。その中でもRef.5506は、文字盤やケース仕様などに多様なバリエーションを持つモデルである。

今回ご紹介した個体は、ディテールのひとつひとつに、当時のロレックスが込めたこだわりが感じられる。ぜひ手に取って、その魅力をじっくりと味わってほしい。

ROLEX
エアキング
ハニカムダイヤル
品番:5506
素材:ステンレススチール×GF
サイズ:縦34mm×横34mm
防水:-
ムーブメント:自動巻き
文字盤:アイボリー
販売価格:1,280,000円(税込)※アンティーク(1957年頃)
【付属品】
外箱、内箱が付属
※価格は2025年4月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

エアキングとして見ると、少し高く感じるかもしれませんが、このダイヤルと金張りのエアキングが、こんなにも綺麗な状態で残っているのは本当に貴重です。5506というモデル自体は見かけますが、このハニカムダイヤルの組み合わせとなると、まず出てきません。非常に短命だったモデルという点でも、特別感があります。

「SUPER PRECISION(スーパープレシジョン)」という記載がありながらクロノメーターではなく、金色でありながら金無垢ではない──そんなちぐはぐさも含めて、このモデルには独特の面白さがあります。顔つきやデザインも魅力的で、当店在庫のアンティークからおすすめを挙げるなら、真っ先にこの1本を選びたいですね。アンティークを検討しているのなら、ぜひお店に見に来てください!

所在地東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F
TEL03-5250-7272
営業時間11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで)
定休日水曜日
公式サイトhttps://moon-phase.jp/
【MOON PHASE(ムーンフェイズ)銀座】

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