※当連載は掲載Vol.239までdino.networkに連載されていました。Vol.240からは当メディア『singles』にてお楽しみください。
JAEGER-LECOULTRE
1833年、スイスのジュラ山脈に位置するジュウ渓谷に小さな工房として生まれたのが歴史の始まり。さまざまな技術を持つ職人たちが、ひとつ屋根の下で切磋琢磨しながら技を寄せ合い、1本の時計を製造。1937年には『ジャガー・ルクルト』としてブランドが正式に立ち上がり、今に至る。デザインから組み立て、装飾に至るまで、すべてをマニファクチュールで行うブランドであり、その高い技術力は時計界や多くの職人たちに影響を与えている。
大胆な機能性を持ったコンプリケーションモデル
時計の世界に惹き込まれた人が辿り着くブランドに、ジャガー・ルクルトがある。卓越したクラフツマンシップにより作られるコレクションは、実直で美しく、一生の相棒として腕を飾るに相応しい。
そんなコレクションの中から今回セレクトしたのは、複雑機構を持ったコンプリケーションモデル。パーペチュアルカレンダーを搭載した『マスター ウルトラスリム パーペチュアル』だ。
パーペチュアルカレンダーとは、100年に一度しか調整する必要のないカレンダー機能のこと。世界三大複雑機構のひとつであり、その中でももっとも実用性の高い機能といえる。
本モデルでは3時位置に日付、9時位置に曜日、6時位置に月(month)を表示するインダイヤルを配置。7-8時の間には年の表示窓が設けられている。
12時位置にはムーンフェイズ(月齢表示)を配置。夜空のイラストがブラックダイヤルのアクセントになっている。
文字盤をよく見ると、中央付近に扇形の小窓がある。実はこれ、AM/PMを表す表示窓で、昼夜を示している。
時刻によっては針で隠れて見えなくなるのでは?と思いきや、針の根本部分には穴が設けられており、2本の針が重なっても昼夜の確認は可能となっている。
パーペチュアルカレンダー、ムーンフェイズ、AM/PM表示など、ムーブメントに多数の機能が搭載されているにも関わらず、本モデルは「ウルトラスリム」の名称の通り非常に薄く仕上げてある。その秘密は2つ。
まずは各インダイヤルに設けられた凹み。文字盤内に段差をつけることで針同士が干渉しないようになっているのだ。
もうひとつは、調整機能の簡略化だ。
実は本モデルに調整ボタンはひとつしかない。このボタンを押すと、カレンダー機能がひとつ進む。行きすぎたら戻したいところだが、本モデルに戻す機能はない。よって、日付を間違えてしまったらその時が来るまで置いておくしかない。
不便と思う人もいるだろうが、調整が必要ないパーペチュアルカレンダーだからこその簡略化であり、機能を制限することでコレクションのコンセプトである“ウルトラスリム”を実現しているわけだ。
完全自社生産だからこそできるユニークかつ大胆な機能性は、実直なデザインからはなかなか想像できないだろう。
歴史あるブランドとして伝統を重んじながらも、創造性を重視し、革新を追い求めるこの姿勢が、ジャガー・ルクルトの魅力でもある。
マニファクチュールブランドの矜持を、ぜひ本モデルから感じ取ってみてほしい。
JAEGER-LECOULTRE
マスター ウルトラスリム
パーペチュアル
品番:Q1308470(176.8.21.S)
素材:ステンレススチール
サイズ:縦39mm×横39mm
防水:50M防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:ブラック
販売価格:2,350,000円(税込)※国内正規USED品
参考定価:4,158,000円
【付属品】
外箱、内箱、国内正規保証書(2023年12月)等が付属
※価格は2024年5月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
パーペチュアルカレンダーをはじめ多数の機能が搭載されていながらこの薄さ。さらに、コンプリケーションウォッチが欲しいという夢を叶えてくれる価格。これはとてもおすすめできる1本です。
紹介文にも記載しているように調整機能は簡略化されています。理解して使えばとくに問題はないのですが、お子さんがいる方はご注意ください!もしボタンを連打されてしまったら、メーカーに出すかその時が来るまで封印することになってしまいますので(苦笑)
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://moon-phase.jp/ |