服を購入する際、オンラインショップや実店舗を見ていると、「カットソー」という言葉を目にします。よく見るものの、正確な意味を知らない人は多いのではないでしょうか。じつは、カットソーは一見関係のなさそうなニットと密接な関わりがあるのです。本記事ではカットソーの定義や製造方法、生地に使われる素材を解説します。

カットソーはセーターやシャツとは違うの?

カットソーについて説明する際に、欠かせない要素があります。それが、ニットです。

ニットとは、糸で編まれた生地の名称のこと。そのニット生地を裁断(cut)・縫製(sewn)して作られたものを、すべてカットソーと呼びます。カットソーの具体例には、Tシャツやスウェット、キャミソールなどが挙げられます。

一方で、ワイシャツやブラウスはニット生地を使用しておらず、セーターは生地を裁断しないため、カットソーには含まれません。

ニットとセーターの違いをもっと知りたい方は「【ファッションQ&A】「ニット」ってそもそも何?」をご覧ください♪

カットソーの特徴

画像: カットソーの特徴

カットソーは、ニット生地を切ったり縫い合わせたりして作られる服です。糸を編んだ生地で作られるため、縦横の伸縮性に優れています。そのため、着心地がよく体にもほどよくフィットします。また、糸と糸の間の密度が低いため、通気性がよく、しわになりにくいのも特徴の1つです。

ただ、伸縮性があるために、型崩れしやすいという弱点もあります。何度も着ては洗濯するというのを繰り返すと、ほかの生地で作られた服に比べて、型崩れしやすくなります。

カットソー製品に使用するニットの原料

画像: カットソー製品に使用するニットの原料

カットソーの素材であるニット生地の原料は、コットン(綿)やリネン(亜麻)、ポリエステルが代表的です。ニット生地の原料が異なると、布の触り心地や機能性も変わります。

ここからは、ニット生地の代表的な原料の特徴を解説します。

ニット生地製造の代表的な原料「コットン」

コットンとは、木綿の種を守る白くてふわふわの繊維から作られる糸や布です。なかでもオーガニックコットンは、合成化学肥料に頼らず作られているため、環境にも肌にもよいとされています。

一括りにコットンといっても、布となる繊維の長さや糸の太さ、織り方によってさまざまです。糸の長さや太さ、織り方が異なると、生地がやわらかくなったり光沢が出たりします。

肌触りの柔らかさや吸水性・通気性が高いのは、コットンの代表的な特徴です。

暑い季節におすすめ!涼し気な「リネン」

リネンとは、おもに植物の亜麻から採れる繊維を使って作られた糸や布です。丈夫で長持ちし、水にぬれると強度が増す特性があります。天然繊維のなかでもっとも強いとされる原料です。吸水性・吸湿性・速乾性に優れており、特に吸水性はコットンの約4倍もあります。汗や水分を素早く吸い取って発散できるのが特徴です。

とくに暑い時期に活躍する素材ですが、繊維の中に空気を含んでいるため保温効果もあり、寒い時期にもおすすめです。

乾きやすくシワになりにくい「ポリエステル」

ポリエステルとは、石油から作られる素材の一種です。コットンやリネンなどの天然素材に比べて軽く、縮みや型崩れ、熱や虫などさまざまなダメージにも耐久性があり、しわになりにくいなどの特徴があります。

ほかにも、吸水性・吸湿性が低い分、速乾性に優れています。

ニット生地を切り縫いして作られる「カットソー」

カットソーとは、Tシャツやスウェットなど、ニット生地を裁断し縫い合わせて作られるトップスです。素材や製法が異なるため、シャツやセーターはカットソーに含まれません。

画像: ニット生地を切り縫いして作られる「カットソー」

耳慣れた言葉なのにじつはよく知らないファッション用語は意外に多いもの。正確な意味がわかれば、よりファッションの世界を楽しめるでしょう。

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