※当連載は掲載Vol.239までdino.networkに連載されていました。Vol.240からは当メディア『singles』にてお楽しみください。
ROLEX
世界でもっともポピュラーな腕時計ブランド・ROLEX(ロレックス)。高級時計の代名詞といっても過言ではないが、その歴史は1905年の創業から100年余りと意外と短い。その間の偉業は数知れないが、高い防水性を実現した「オイスターケース」、自動巻ローター「パーペチュアル」の技術は、新興ブランドであったROLEXを不動の地位に押し上げた。
ロレックス 100周年記念モデル
ロレックスには2つのコレクションがある。デイトナやサブマリーナーなど特殊なシーン(レースや深海探索など)に特化させた「プロフェッショナルコレクション」と、デイデイトやデイトジャストといったフォーマルなシーンを想定した「クラシックコレクション」だ。
今回はクラシックコレクションに位置する1本。ロレックスのなかでも珍しいレクタンギュラーケースの『チェリーニ プリンス』だ。
![画像1: ロレックス 100周年記念モデル](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/0ce4fd24d1b43a9ea4fd76ad7d335b313b504ece.jpg)
当連載を熱心に追いかけてくれている読者の方はお気づきだろう。今回ご紹介するモデルは、前回Vol.238にてご紹介したアンティークロレックス『プリンス』の系譜を継ぐモデルである。
![画像: ロレックスの黎明期である1930年代に登場したプリンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/8e3e33811529054d000f07113d9916e26d7fb13d.jpg)
ロレックスの黎明期である1930年代に登場したプリンス
![画像: プリンスの意匠を現代風にアレンジしたチェリーニ プリンス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/5ced231846c18bf29d9c41e661c6178fc85122c5.jpg)
プリンスの意匠を現代風にアレンジしたチェリーニ プリンス
プリンスが誕生したのは、オイスターケース(防水・防塵ケース)やパーペチュアル(自動巻き機構)が発表されて間もない1930年代。その後、数十年に渡り製造されていたが、1950年代に生産を終了した。
そこから55年。ロレックスが100周年を迎えた2005年に記念モデルのひとつとして発表されたのが、今回の『チェリーニ プリンス』である。
![画像: 文字盤上部は視認性に優れる369ダイヤル](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/9d1d6716e9ad1315faf6bafdb71d163664371184.jpg)
文字盤上部は視認性に優れる369ダイヤル
![画像: 下部にはスモールセコンド。その中心からは文字盤全体を彩るギヨシェ彫りが広がる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/99402e7210073acfd11bcac466da5ea95e05b6f1.jpg)
下部にはスモールセコンド。その中心からは文字盤全体を彩るギヨシェ彫りが広がる
![画像: 1930年代のプリンスと同様にサイドステップのついたケース](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/477ca1a00a2abce8275d523315c209820f5c4019.jpg)
1930年代のプリンスと同様にサイドステップのついたケース
![画像: ケースはゆったりとしたカーブを描いている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/8611c0dfc1451ac76d8af253d1c57e824cf27b75.jpg)
ケースはゆったりとしたカーブを描いている
ケースはオリジナルと同様にレクタンギュラー。文字盤上部には時針・分針のダイヤル、下部にはスモールセコンドを配置と、これまたオリジナルと同様のデザインだ。
![画像2: ロレックス 100周年記念モデル](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/631dc08c9e1c61ab41b324167e8b424268a4407c.jpg)
デザインコードは同じでも、現代の技術でつくられた『チェリーニ プリンス』は細部の作りが大きく違う。
スモールセコンドから放射状に伸びているラインはギヨシェ彫り。文字盤の左右(ガラスの内側)はフルーテッドベゼルのような意匠が施されており、ピンクゴールドの美しい輝きが時計全体を華やかに見せてくれる
![画像3: ロレックス 100周年記念モデル](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/df509275252c3c9b1e3f0fddeece7dbbb6d1180b.jpg)
裏蓋はスケルトンになっており、美しくデザインされたムーブメントを見ることができる。実はロレックスの腕時計でシースルーバックの時計は本モデルが初。
これまで実用性や防水性を第一に考えてきたロレックスは、裏蓋をガラスにすることは一度もなかった。ではなぜ本モデルでそれを解禁したのか?
100周年記念モデルということも大きいだろうが、本モデルはクラシックコレクションに位置するもので、そもそも高い防水性を必要としていない。だからこそオイスターケースも採用していない。
そして、ドレスウォッチのため日常使いをするモデルでもない。(もちろんしてもなんら問題はない)
こうした条件が重なり、初のシースルーバック解禁につながったのだろう。
余談だが、2023年に発表されたプロフェッショナルコレクションの『デイトナ』はシースルーバックを採用している。これは、スポーツウォッチでシースルーバックにしても、実用性・防水性に問題はないとロレックスが判断したからだろう。それほどいまの技術力は高いということである。
![画像: バックルは観音開き。サイドに空いた穴の位置でストラップを調整する仕組みだ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781421/rc/2024/03/02/92b2badb087460dc6f30bca64f2f3bf6a5c51371.jpg)
バックルは観音開き。サイドに空いた穴の位置でストラップを調整する仕組みだ
ロレックス黎明期にブランドを支えた“プリンス”の名を継ぎ、100年という節目に誕生した『チェリーニ プリンス』。
ブランドヒストリーとしてはもちろんのこと、コレクション全体を見ても特別な1本だ。ドレスウォッチをお探しの方は、ぜひ手に取ってみてほしい。
ROLEX
チェリーニ プリンス
品番:5442/5
素材:ピンクゴールド
サイズ:縦41㎜×横41㎜
防水:日常生活防水
ムーブメント:手巻き
文字盤:ブラック
販売価格:2,380,000円(税込)※USED
【付属品】
外箱、内箱、取扱説明書、保証書(2016年11月)等が付属
※価格は2024年2月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
ロレックスにはあまりないレクタンギュラーケースで非常に珍しい1本です。発表当時と比べると生産終了してからの方が人気が高く、綺麗な個体はどんどんと数が減ってきています。
ドレスウォッチの中でも遊び心のあるモデルで、王道の腕時計を一通り持っている方は、かなり気になる存在ではないでしょうか?
当店にある個体のコンディションは非常に良いです。気になる方はぜひお店で現物を手に取ってみてくださいね。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://moon-phase.jp/ |