フォーマルからインフォーマルまで、自身のこだわりを映す鏡として選ばれる腕時計の数々。ここではブランド腕時計専門店・MOON PHASE(ムーンフェイズ)が最新モデルからアンティークまで、クールなおひとりさまの腕を飾るに相応しい珠玉の一本をセレクト。今回は、静かな美しさと高度な技術を融合した、パルミジャーニ・フルリエの『トンダ PF フライングトゥールビヨン』をご紹介しよう。

PARMIGIANI FLEURIER
1996年、時計師ミシェル・パルミジャーニによって設立されたパルミジャーニ・フルリエ。時計修復で培った卓越した技術と審美眼を礎に、自社製ムーブメントの開発から時計製造まで一貫して手掛けるマニュファクチュールブランドである。近年は「トンダ」コレクションを中心に、洗練されたデザインと高度な技術を融合したタイムピースで注目を集めている。

シンプルだからこそ際立つ、パルミジャーニ・フルリエの哲学

1996年に創業したパルミジャーニ・フルリエは、スイス時計界では比較的新しいブランドだ。創業時期としては、フランク ミュラー(1992年)と近い世代にあたり、長い歴史を持つ老舗ブランドが多い時計業界では、まだ若い存在といえる。

同ブランドが大きく飛躍した転機が2021年。ブルガリの時計部門で経験を積んだ人物がCEOに就任し、ブランドの方向性を大きく変化させた。その中で存在感を高めたのが『トンダ』コレクションである。

画像: ブランドを代表する「トンダ」コレクションのフライングトゥールビヨン搭載モデル

ブランドを代表する「トンダ」コレクションのフライングトゥールビヨン搭載モデル

トンダ自体は2010年から展開されていたが、2021年以降、デザインの方向性をより明確にしたことで、パルミジャーニ・フルリエの名は世界的に広がり始めた。

とはいえ、まだ馴染みのない人も多いだろう。しかし、その時計づくりを見れば、高い技術力と独自の美意識を持つブランドであることがわかる。

画像: 余計な情報を排したシンプルな文字盤。本個体は、深みのあるグリーンダイヤルを採用したYOSHIDAスペシャルモデルだ

余計な情報を排したシンプルな文字盤。本個体は、深みのあるグリーンダイヤルを採用したYOSHIDAスペシャルモデルだ

その特徴は、シンプルでありながら完成度の高いデザインにある。高級時計ブランドには、そのブランドを象徴するような個性的なデザインを持つモデルが多く存在するが、パルミジャーニ・フルリエが追求するのは、過度な装飾に頼ることなく、細部の調和によって美しさを表現する時計づくりだ。

「ノームコア(究極の普通)」や「クワイエットラグジュアリー(静かな贅沢)」とも通じる、控えめでありながら、見る人にはその価値が伝わるデザイン。それが同ブランドの大きな魅力である。

今回紹介する『トンダ PF フライングトゥールビヨン』は、その哲学を体現するフラッグシップモデルだ。

画像: 7時位置にはフライングトゥールビヨンを配置

7時位置にはフライングトゥールビヨンを配置

最大の特徴は、6時位置に配置されたフライングトゥールビヨン。一般的なトゥールビヨンは、キャリッジを支えるブリッジが文字盤側から見える構造だが、このモデルでは表側にブリッジを持たない。そのため、まるで機構そのものが宙に浮いているかのような印象を与える。

トゥールビヨンを搭載すること自体が高度な技術力の証ではあるが、このモデルの魅力はそれだけではない。心臓部には、自社製自動巻きムーブメント「PF517」を搭載。マイクロローターを採用した薄型キャリバーであり、トゥールビヨンを組み合わせながらも、スリムなケースを実現している。

さらに注目したいのが、ムーブメントの仕上げだ。細かな箇所まで丁寧に磨き上げられたパーツや装飾からは、同ブランドのクラフトマンシップが感じられる。

画像: プラチナ製ベゼルには、非常に細かい加工が施されている。高度な加工技術が求められるディテールだ

プラチナ製ベゼルには、非常に細かい加工が施されている。高度な加工技術が求められるディテールだ

また、本モデルで注目したいのはもう一つ、プラチナ製のフルーテッドベゼルである。

ベゼルに刻みを入れる加工は「ローレット加工」と呼ばれるもの。プラチナは加工が難しい素材であり、そこに細かな刻みを正確に施すには高度な技術が必要となる。写真を見てもらえば一目瞭然、繊細かつ美しく仕上げてあり、この時計の魅力を一層高めている。

文字盤にも、パルミジャーニ・フルリエらしい美意識があふれる。ブランド名を大きく表示することはなく、配置されているのは控えめなロゴのみ。ほとんど情報がなく、広い余白が残されている。インデックスも小さく外周に配置されており、2針のみというシンプルな構成だ。

これほど要素を減らした文字盤は、通常であれば間延びして見えてしまう可能性がある。しかし、この時計にはそれがない。

画像: シンプルだからこそ際立つ、パルミジャーニ・フルリエの哲学

針の形状、インデックスの配置、ケースとラグのバランス。そのすべてが絶妙な比率で設計されていることで、シンプルでありながら強い存在感を放っている。これは単純に装飾を減らしただけでは生まれない、同ブランドのタイムピースならではの美しさだろう。

創業からまだ30年ほどの若いブランドでありながら、パルミジャーニ・フルリエは、卓越した技術力と独自のデザイン哲学によって、いま時計界で確かな存在感を築いている。華美な装飾ではなく、緻密な設計と細部の仕上げで魅せる──。

『トンダ PF フライングトゥールビヨン』は、そんなブランドの真価を体現した一本だ。

PARMIGIANI FLEURIER
トンダ PF
フライングトゥールビヨン
品番:PFS921-1020001-100182
素材:ステンレススチール×プラチナ
サイズ:縦42mm×横42mm
防水:100M防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:グリーン
販売価格:6,680,000円(税込)
参考定価:17,226,000円
【付属品】
外箱、内箱、取扱説明書、国内正規保証書(2023年5月)
※価格は2026年7月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

最近になって「パルミジャーニ・フルリエ」という名前を耳にする機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。

新品価格は決して安くありませんが、その価格に見合うだけの完成度を備えています。コート・ド・ジュネーブやサーキュラーグレインといった伝統的な装飾技法をはじめ、ムーブメントや外装の仕上げは非常に丁寧で、細部まで一切妥協のない時計づくりがなされています。

一方、中古市場では、まだブランドの認知度が発展途上ということもあり、新品価格と比べると比較的手に取りやすい価格帯で流通しています。時計そのものの完成度を考えれば、現在の相場は非常に魅力的です。

今後さらに評価が高まれば、市場価格も見直されていく可能性は十分にあるでしょう。いまもっとも勢いのある新興ブランドのひとつだからこそ、ぜひ一度その魅力に触れていただきたいブランドです。

所在地東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F
TEL03-5250-7272
営業時間11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで)
定休日水曜日
公式サイトhttps://moon-phase.jp/
【MOON PHASE(ムーンフェイズ)銀座】

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