フォーマルからインフォーマルまで、自身のこだわりを移す鏡として選ばれる腕時計の数々。ここではブランド腕時計専門店・MOON PHASE(ムーンフェイズ)が最新モデルからアンティークまで、クールなおひとりさまの腕を飾るに相応しい珠玉の一本をセレクト。今回は、カルティエのヴィンテージウォッチ『マストタンク LM』をご紹介しよう。

Cartier
世界のトップジュエラーに君臨するブランドでありながら、時計史に刻んできた功績はとても大きく、時計業界への影響力も高いのがカルティエだ。とくに1904年に発表された「サントス」は、“時計を腕に巻く”という腕時計の概念を普及し、懐中時計から腕時計への移行を後押ししたほど。「タンク」「パシャ」などのロングセラーモデルをいくつもラインナップし、近年も「バロン ブルー」「カリブル ドゥ カルティエ」などの新シリーズを続々とリリース。片時も目を離すことのできないメゾンである。

クオーツ時代に広がったタンクの世界

今回ご紹介する『マストタンク LM』は、1990年代に製造されたモデル。「タンク」コレクション自体は長い歴史を持ち、基本的なデザインコードは大きく変わっていない。しかし、細部を見ていくと、この時代ならではの特徴が随所に見えてくる。

画像: マストタンク LM

マストタンク LM

まず目を引くのがケース素材だ。一見するとステンレススチールのように見えるが、本モデルに使われているのはシルバー925。ロジウムメッキによって白く仕上げられているため、独特な光沢を持つ。

当時のカルティエは、「タンク ヴェルメイユ」のように、シルバー925をメイン素材として金メッキやロジウムメッキを施したモデルを多く展開していた。その背景にあったのがクオーツショックである。機械式時計の価格競争が激化するなか、カルティエは価格を抑えつつブランドの世界観を維持していたわけだ。

画像: タンクのケースは“ベゼルレス”構造。飾りネジは、初期タンクの意匠を受け継いでいる

タンクのケースは“ベゼルレス”構造。飾りネジは、初期タンクの意匠を受け継いでいる

ケースサイドにネジが見えるが、本モデルでは飾りネジとなっている。これは初期のタンクに見られた外付け構造の意匠を受け継いだものだ。実際にはケースとラグは一体化されており、より堅牢な作りへと変化している。

文字盤にも、この時代特有のディテールが見て取れる。中央には“must de Cartier”の表記が入っている。現行のカルティエでは、文字盤にモデル名が記されることはほとんどないが、この時代のシリーズでは、それ自体がデザインの一部となっていた。

さらに10時位置には隠し文字が。カルティエらしい遊び心を感じさせるポイントだ。

画像: 文字盤には緩やかな窪みを持たせた立体的な造形を採用。中央の2Cモチーフが印象的

文字盤には緩やかな窪みを持たせた立体的な造形を採用。中央の2Cモチーフが印象的

そして、この文字盤最大の特徴とも言えるのが立体的な構造である。

1時、5時、7時、11時位置には、わずかに窪みが入り、文字盤全体が中央へ向かって落ち込むような造形になっている。中央部分には、カルティエの“2Cモチーフ”がびっしりと配置され、独特の華やかさを演出している。

針にはブルースティール針を採用。タンクは2針仕様が多いなか、本モデルは秒針付きである点も珍しい。搭載されるのはクオーツムーブメントで、秒針はステップ運針を行う。

画像: クオーツ時代に広がったタンクの世界

クラシカルなタンクデザインを受け継ぎながら、90年代ならではの実用性と時代性を内包した『マストタンク LM』。現行にはない独特のディテールの積み重ねが、本モデルの魅力と言えるだろう。

Cartier
マストタンク LM
品番:W1014154
素材:シルバー925
サイズ:縦33mm×横25mm
防水:-
ムーブメント:クオーツ
文字盤:ホワイト
販売価格:398,000円(税込)※ヴィンテージ(1990年代)
【付属品】
純正バックル
※価格は2026年5月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

カルティエのアンティーク/ヴィンテージは非常に人気が高く、当店でも力を入れて取り扱っています。ただ、状態の良い個体は年々少なくなっており、綺麗なものはなかなか出てきません。そんななかでも、本個体はコンディションの良い一本だと思います。

マストタンクは文字盤のバリエーションが豊富なのも魅力です。今回は白文字盤にブルーのローマインデックスを組み合わせた仕様で、かなり爽やかな印象があります。この青も現行品にはない独特の色味で、経年変化によって少し抜けたような、ヴィンテージ特有の雰囲気が出ています。

クオーツなのでメンテナンス費用も比較的抑えやすく、価格帯も機械式に比べると控えめ。そのため、若い世代の方にも人気があります。

タンクは定番モデルゆえに“人と被る”と言われることもありますが、それは現行品の話。ヴィンテージになると文字盤や仕様の違いがかなり豊富で、自分好みの一本を探せる面白さがあります。そうした個性の違いも、ヴィンテージのタンクならではの魅力ですね。

所在地東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F
TEL03-5250-7272
営業時間11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで)
定休日水曜日
公式サイトhttps://moon-phase.jp/
【MOON PHASE(ムーンフェイズ)銀座】

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