《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
A24が放つ、世にも奇妙な不条理スリラー『顔を捨てた男』
(C)2023 FACES OFF RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』(2024)、『サンダーボルツ*』(2025)のセバスチャン・スタンが主演を務めた、異色の不条理スリラー『顔を捨てた男』(2023)。
容姿が変わっていく主人公 エドワードの複雑な心情をセバスチャン・スタンが特殊メイクを施して熱演し、2024年・第74回ベルリン国際映画祭で最優秀主演俳優賞(銀熊賞)、2025年・第82回ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で最優秀主演男優賞を受賞。
外見やアイデンティティをテーマにした作品を手がけてきたアーロン・シンバーグが監督・脚本を手がけ、全編16ミリフィルムでの撮影による独創的な世界観となっています。
エドワードが想いを寄せるイングリッドには、『わたしは最悪。』(2021)のレナーテ・レインスベ、自分とそっくりな顔を持つオズワルドを『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013)のアダム・ピアソンが演じています。
理想の顔を手に入れた男
神経線維腫症という疾患により、顔の造形が大きく変形している俳優志望の男 エドワード。
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彼は劇作家を目指す隣人のイングリッドに想いを寄せながらも、周囲の視線に怯え自信のない日々を送っていました。
しかしある日、彼は外見を劇的に変える画期的な治療を受け、念願の“理想の顔”を手に入れます。
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過去を捨て、新しい顔と名前で別人として人生をやり直そうとするエドワード。
順風満帆なはずでしたが、かつての自分の顔にそっくりな男 オズワルドが現れたことで、運命の歯車が狂いはじめます。
新しい顔を手に入れたはずなのに、彼は次第に「本当の自分」を見失い、嫉妬と狂気に取り込まれていくことになるのです……。
オズワルドという存在との対比
劇中に登場するオズワルドは、かつての自分にそっくりな顔をしています。しかし、彼は顔が変形していても非常に自信に満ち溢れていて、会話も面白く社交的。たくさんの人に愛されています。
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そのオズワルドの明るく前向きな姿は、
「醜い顔のせいでずっと不幸だった」
と思い込んでいたエドワードにとって、あまりに衝撃的だったのです。
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自分と同じ疾患を持ちながら、堂々と人生を謳歌するオズワルド。
彼こそが、エドワードが「顔のせい」にして逃げていた「理想の生き方」を体現する存在だったのです。
ちなみに、オズワルドを演じるアダム・ピアソンは、なんと実際に神経線維腫症の疾患を持つ俳優さんです!
「人と違うということは、素晴らしいことだ」
と語る彼自身が俳優という職業と人生を楽しんでいるからこそ、よりリアルにオズワルドという人物が輝いて魅力的に見えてくるんですね。
「完璧な顔」が暴き出す、心の空洞
エドワードは“顔さえ治れば人生のすべてが好転する”と信じて疑いませんでした。
でも、いざ理想の顔を手に入れても、心のなかにある「透明人間だったころの卑屈な自分」を捨て去ることができずにいます。
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その一方で、どんな顔でも堂々と自分を肯定して生きるオズワルドは、エドワードが喉から手が出るほど欲しかった「他者からの愛や賞賛」を手に入れています……。
外見という「檻」から出たはずの彼を待っていたのは、消えない劣等感という名の「心の檻」でした。
エドワードのコンプレックスの根源は顔ではなく、
「自分を愛せない心そのもの」
にあったのです。
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もっとも直視したくない「自分の内面の問題」に気づいてしまったとき、エドワードは美しい顔を持ちながら、醜い嫉妬の怪物へと変貌していきます……。
この映画を観終えたとき、エドワードのなかに垣間見える、“自分自身の心の影”が見えてしまう人も多いのではないでしょうか。
本当に変えるべきは、鏡に映る顔か? それとも、鏡を見つめる心の眼差しなのか?
『顔を捨てた男』、週末のお供にいかがですか?
【顔を捨てた男 予告動画】
【7.11公開】映画『顔を捨てた男』本予告_A24×主演セバスチャン・スタン | 理想と現実が反転する不条理劇
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