見終わったあとモヤモヤする映画が大好きな筆者が語る映画連載【シネマ・グレイ】。今回は、第二次世界大戦下で育まれた少年達の友情を描いた禁断作『縞模様のパジャマの少年』(2007)を紹介します!(文:紺野ミク)

《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆

アイルランドの同名小説を映画化!『縞模様のパジャマの少年』

(C)2008 Miramax Film Corp All rights reserved.

強制収容所の柵越しに友情を育む無垢な少年たちを描き、世界的ベストセラーとなったアイルランドの作家・ジョン・ボインの同名小説をもとに制作された『縞模様のパジャマの少年』(2008)

イギリスとアメリカの合作で映像化され、監督・脚本は『ブラス!』(1996)や『リトル・ヴォイス』(1998)のマーク・ハーマン氏が担当。ミュージカルやコメディなどジャンルを問わず制作しているだけあって、音楽にも細かいこだわりが感じられます。

日本での興行収入は約4億円超え!! 「気分が落ちる」、「あまりに辛い……」と公開当時から悲しみに暮れる声が上がっていましたが、17年以上が経過した今でも、人々の記憶に残る名作となっています。

第二次世界大戦下のドイツで暮らす、ある家族

ベルリンで暮らす8歳のブルーノは、冒険小説や探検が大好き。家は裕福で、第二次世界大戦の真っ最中でありながら何不自由ない生活を送っています。

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ある日、ユダヤ人強制収容所の指揮官である父の仕事の都合で、都心部のベルリンを離れることになりました。

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家族とともに郊外の大きな一軒家で新たな暮らしを始めると、ブルーノは家の裏に謎の“農場”があるのを見つけます。

そこは有刺鉄線のようなものが張られ、何だか異様な雰囲気。しかし、この場所について尋ねても両親は答えてくれません……。

子供部屋から見える農場、たびたび屋敷のなかで見かける汚れたパジャマを着た人々、何も教えてくれない両親……。

ただ家のなかを過ごすだけの退屈なブルーノは、農場のことが気になって仕方なく、ついに母親の目を盗んで禁じられていた林の向こう側へと進んでしまいます……。

フェンス越しに生まれた友情

両親との約束をやぶり農場に向かうブルーノ。するとそこには、同い年の痩せ細ったシュムールという少年がいました。

本当の友達がいない2人は、すぐに意気投合。ブルーノは家族の目を盗んではシュムールに会いに行き、いつしか2人にとってそれはかけがえのない時間になっていきました。

しかし、あまりに純粋すぎるブルーノ……。

農場が一体何なのか? シュムールがなぜいつも縞模様のパジャマを着ているのか?

何も知らないことが、やがて最悪な悲劇を起こしてしまうのです……。

正反対の2人がリンクするとき

誰にも言えない秘密の友情。真逆の世界にいた2人の世界がフェンス越しにリンクする瞬間は何とも言えない気持ちになります。

純粋な子供達にとっては、世界がどんなに憎しみ合っていても、友達は友達なんです。

無垢で裏表がないからこそ生まれる友情……。だからこそ、大人の都合でそれを壊すことがどんなに罪深いのか分かります。

目を背けてはいけない現実

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衝撃のラストに言葉を失う人も多いですが、本作は戦争や迫害の恐ろしさ、そしてそれによって起きてしまう悲劇を、ストレートに伝えてくれる素晴らしい作品です。

戦争や差別から決して目を背けてはいけない。「鬱映画」や「胸糞映画」というだけで目を逸らすのではなく、観なければいけない、知らなくてはいけない作品なのです。

『縞模様のパジャマの少年』、週末のお供にいかがですか?

【縞模様のパジャマの少年 予告動画】

画像: - YouTube youtu.be

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画像: フェンス越しに生まれたのは、禁じられた友情だった……。『縞模様のパジャマの少年』【シネマ・グレイ File.051】

紺野ミク|Miku Konno

モデル・女優などで活躍中の他、2017年からはライターとしても活動。連載を持ちコラム執筆をするなど多方面で活躍中。お酒・映画鑑賞が大好き。

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