《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
30年の時を経て遂に日本公開!『悪い子バビー』
社会から隔絶されて育った男バビーが、多くの人々との出会いや音楽に導かれて自分自身を発見していく姿を描き、1993年 第50回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した『悪い子バビー』(1993)。
※原題は『BAD BOY BUBBY』
母による子供の監禁と虐待、性や宗教的タブーという挑発的なテーマが賛否を巻き起こし、「見ていられない」「あまりに不快」と問題視され、日本では「アブノーマル」というタイトルでVHSが発売されたのみでした。
しかし! 30年の時を経て2023年に、ついに日本公開されました!
なぜ今になって公開なのかという詳細は明かされていませんが、『悪い子バビー』で扱われているテーマが、30年前より悪い意味で身近になってしまったからではないでしょうか?
監禁・虐待・性・宗教
これらをテーマとして取り扱うこと自体がどこかタブーだった時代が、今や悲しいことに事件として日々ニュースでも取り上げられるようになってしまいました。
そういった意味では、この作品は“今こそ目を向けなければいけない物語”なのかもしれません。
35年間監禁されて育ったバビー
(C)1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
母親の異常な愛情により、暗く汚い部屋のなかに35年ものあいだ、軟禁され育ってきたバビー。
“外に出れば汚染された空気の毒で命を落とす”
そんな母親の教えを信じ、来る日も来る日も母親の指示に従うだけの日々を送っていました。
(C)1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
そんなある日、父親と名乗る男が突然帰って来たことをきっかけに、バビーの人生は大きく動き出します。そしてバビーは生まれて初めて外の世界に出ることになるのです……。
刺激的な外の世界で待つものとは……?
外の世界は毒に汚染されていると教えられてきたバビーは、ガスマスクをつけ意を決して外に飛び出します!
(C) 1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
しかし、当たり前にそんな人は街にいません! この場面、シュールでちょっと笑ってしまいました(笑)
呆然とするバビーですが、好奇心は抑えられず、マスクを外し夜の街を徘徊します。
初めて見る母親以外の女性、子供、犬。初めて食べるピザ……バビーにとっては世界のすべてが新鮮です!!
そして、ひょんなことから知り合ったバンドマン達との出会いも彼の人生を大きく変えていきます。
(C)1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
(C)1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
刺激に満ち溢れた外の世界へ飛び出したバビーは行く先々で大暴走を繰り広げますが、そんな彼の自由で荒々しいスタイルにたくさんの人が巻き込まれていきます。
賛否あるラストをあなたはどう思うのか……
ネタバレはしませんが、『悪い子バビー』のラストは非常に賛否が分かれるものになっています。
(C) 1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
「これで良かった!」という前向きな意見もあれば、「このままで良いはずはない」という現実的な意見までさまざまな反応があります。
バビーは母親に隠されて育てられたため、彼に戸籍はありません。
さらに、言語能力や知能も“子供のまま大人になってしまった”のです。
そのため、してはいけないことも平気でするし、言ってはいけないことも言ってしまいます。突然叫んだり、人の言葉を真似したり、不審者に思われて警察のお世話になることも……。
だけど、なぜそれがいけないのかが分からない。
(C) 1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
そんな彼がこれから社会で生きていくためには相当な苦労があるはずです。
もちろん、そのなかでもたくさんの幸せや喜びがあると思いますが、現実主義の私は、バビーが今後何か大きな事件に巻き込まれるのでは⁉︎ はたまた、何かやらかすのでは⁉︎ なんて、いらん心配もしてしまいます(笑)
ロルフ・デ・ヒーア監督は、「この作品ではダークサイドな面だけでなく、美しさも感じてほしい。良い意味で皆さんの感情がかき乱されるような体験になれば嬉しい。笑えるシーンも多いので楽しんでいただきたい。」と語っています。
さらに、「さまざまな表現規制とコンプライアンスが重視され、昨今このような作品を作るのは難しくなっているが、いろんな挑戦をしていきたい。炎上よりも、この時代の状況のなかどのように舵を取っていくかを大事にしていきたい」と今後の意欲も示しています。
30年の時を経て公開された『悪い子バビー』、週末のお供にいかがですか?
【悪い子バビー 予告動画】
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