こんにちは、恐竜おねえさんこと生田晴香です。映画『ジュラシック・パークIII』(2001)の恐竜やラプトルの笛などの制作を担当した片桐裕司先生のもとで恐竜を作ってきました! 「片桐裕司彫刻セミナー」、果たしてどうなるのか、レポートです!

連載コラム「生田晴香、恐竜と生きる」。福井恐竜博物館 公認恐竜博士、古生物学会友の会・恐竜倶楽部メンバーでもある自他共に認める恐竜ラバーのタレント生田晴香が、恐竜の素晴らしさを隅から隅まで語り尽くします。壮大な歴史とドラマ、未解明の不思議が交差する魅惑の恐竜ワールドへ、ようこそ! - singles編集部

恐竜のプロのもとへ

セミナー中の片桐裕司先生

ハリウッド最前線で30年のキャリアを持つ片桐裕司さんによる3日間の短期集中セミナー「片桐裕司彫刻セミナー」参加してきました。いきなり参加することになったので3日間予定が空けられず、真ん中の2日目のみ。

デザインと造形に関する講義とデモを学びつつ、自分が作りたいものを作ります。魅力あるデザインとは? から始まり、立体の理解、バランス、流れ、リズムなどを学べ、「どうしたら自信がつくのか」などの、精神面からのアプローチのレクチャーもおこなう短期集中型のセミナーです。

なぜ、片桐裕司彫刻セミナーで学ぼうかと思ったかというと、なんとこの先生! 映画『ジュラシック・パークIII』の恐竜やラプトルの笛などを作っているすんごい先生なんです!

作ってるのは、スピノサウルス、プテラノドン、液体に入ってる実験中の恐竜、ラプトルの笛など……完全にプロ、恐竜のプロです。これは学びに行くしかないでしょう。

持ち物は作るモノの画像。何を作ろうか悩んだところ、化石や資料が多いことから、今回はトリケラトプスにしました。しかも、トリケラトプスの「恐竜復元教室」という、またしても恐竜復元のプロ(図鑑イラストなど)の先生からも復元を学んでいたので、もはやこれしかない!

画像: 福井駅前にて撮影したトリケラトプス

福井駅前にて撮影したトリケラトプス

トリケラトプスには、「トリケラトプス・ホリドゥス」と「トリケラトプス・プロルスス」がいます。

見た目は似てますが少し違います。その2種の中間もいますが、とりあえずどちらも資料とミニ頭骨レプリカも持って行ってその場で決めよう……まぁやってみてなっちゃったほうというか、難しくない方にしよう的なノリで行くことに。

粘土や彫刻、完全に初心者なので重く考えず、とりあえずトリケラトプスに見えることが目標です!

作る部位は、頭。トリケラトプスの知識だけは頭に入っているので、彫刻知識ゼロの生田晴香がどこまでやれるのか、チャレンジします!

いざ! 制作開始!

画像1: いざ! 制作開始!

道具は用意されていて、自由に使ってやるという感じでスタート。「この場合はこの道具」と決めつけずに、自分がやりたいようにやってみるのがこのセミナーのやり方。

確かに細かく言われちゃうと疲れちゃいますし、ミスって怒られたらやだなぁって確認しながらノロノロやっててたら伸びにくそうですもんね。

画像2: いざ! 制作開始!

まずは、銀ラップで土台を作ります。ここでなんとなく巻いてみるも、後で後悔することに……。常に付きっきりの個人レッスンではなくほかの生徒さんもいるので基本自分の考えでやります。

温かい粘土をなんとなくの顔の位置に貼っていきます。土台が丸いとどんどん大きくなっていて、これはもう顔自体を大きくするしかないのでは? と、ふくよかなかわいい感じになりました。

粘土を足して、また足して……もう既にわけがわからなくなってますが、「パーツの位置を決めるといい」とのアドバイスでフリルやツノをなんとなく付けてみるも、前から見ると左右バラバラ、横から見るとフリルがなんかなぁ……と、難しさを思い知らされました。

太くなった顔も削っていくと銀ラップに辿り着いちゃうのですが、グッと押して引っ込めるようにやってもらったので、このまま続けていきます。

奮闘を続け、終了時間。

とりあえずトリケラトプスには見えてはいるとは思うのですが、いかがでしょうか?

1日の成果

作るにあたって気をつけた点は、フリルのみぞは埋まる傾向にあるのでそこまでくっきりさせないようにしたり、目の位置だけはせめて左右対称にして目の周りは膨らみをつけたり。ツノや口先はケラチンが剥がれてるようにしてもいいな……と思っていたけど、そこまではできませんでした。

難しさを知ったので、今度から変な恐竜を見てもゴチャゴチャ言うのをやめます。自分ができないのに人の作品に文句言う資格ありません。監修とかに頼まれたときのみにします。(多分)

ウロコまで辿り着けなかったので、先生にウロコはどう表現するのか聞いてみたら、その前に形をなんとかしないと……ってちょちょっと片側見本見せてくれました。

先生が手直ししてくれた側

明らかにカッコよくなって本格的になってます! 全然違いますね、やはりプロはすごかったです。また学びいきたいと思いました。修行あるのみですね!

いやはや楽しかった、片桐裕司先生ありがとうございました。

トリケラトプスとは?

今回作ったトリケラトプス。中生代白亜紀末マーストリヒチアン期のティラノサウルスと同じ場所と時代にいた植物食恐竜です。

全長9メートル、頭は2.7メートルと大きい角竜で、学名の意味は、三本の角を持つ顔です。

トリケラトプス・ホリドゥスから進化したのが、トリケラトプス・プロルススだと考えられていて、見た目が大きく違うのはホリドゥスのちょこんとしてる鼻のツノに対し、プロルススのほうが鼻のツノが前に出て太めです。

ちなみに、最近SNSで「トロトロトロトロトロサウルス」というドラマ「幸せカナコの殺し屋生活」の切り抜きが流れてくるのですが、トロサウルスはトリケラトプスなのではないかと思われていた時期があるものの、個人的には別だと思っています。

では!

画像4: 彫刻での恐竜作りをプロから学ぶ! 恐竜おねえさんが「片桐裕司彫刻セミナー」に行ってきた

生田晴香 | Haruka Ikuta

恐竜タレント。TV、CMのほかモデルとして活躍中。福井恐竜博物館の公認恐竜博士で恐竜検定所持。恐竜トークショー、クイズ、鳴き声コンテスト審査員。古生物学会友の会&恐竜倶楽部メンバー。恐竜のうた「ダイナソーDANCE」監修。実は元あやまんJAPAN。

YouTubeちゃんねる「恐竜わっしょい!」始めました。

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