こんにちは、恐竜おねえさんこと生田晴香です。今回は、竜脚類といったらこの子! というくらいにたくさん化石が見つかっていて、恐竜展でもかなりの確率で展示されている「カマラサウルス」を紹介します。なんと! 日本でも、本物の全身骨格を何億もの金額を出して買った博物館があるので、実際に見ることもできますよ!

恐竜界のマネージャー的存在

竜脚類といえば首としっぽが長い植物食恐竜です。アパトサウルス、ブラキオサウルス、パタゴティタン……日本ではフクイサウルスにタンバティタニスが竜脚類に含まれますね。

画像: オダイバ恐竜博覧会2024にて撮影

オダイバ恐竜博覧会2024にて撮影

そのなかでも有名なのがカマラサウルス! 恐竜博物館や恐竜展に行けばだいたい展示されている恐竜ですが、決してティラノサウルスのような派手な主役ではないものの、そばにいてくれる心強いマネージャー的な存在です。

画像1: 福井県立恐竜博物館にて撮影

福井県立恐竜博物館にて撮影

福井県立恐竜博物館には、産状化石レプリカもあります。実物の全身骨格をアメリカから2〜3億で買い常設展示しており、群馬県立自然史博物館でも実物が見れるんです。これまでもこれからも、さまざまな恐竜展で見る機会が多いでしょう。

画像2: 福井県立恐竜博物館にて撮影

福井県立恐竜博物館にて撮影

ここで事前に詳しく知っておくとモテ度がアップするはず!? マネージャー的存在カマラサウルスを詳しく紹介しましょう。

カマラサウルスとは

生きていた時代は中生代・ジュラ紀後期(約1億6153万年〜約1億4310万年前)、キンメリッジアン後期(約1億5478万年〜約1億4924万年前)。

アメリカ南西部のモリソン層から発見されています。逆にいうと、2025年2月時点ではモリソン層のみで発見されています。(将来違うところからも産出されるかもしれないので、一応)

見つかったたくさんの化石がいつまでもあるわけではなく、じつは大恐慌と第二次世界大戦で大半の標本は損なわれてしまいました……。

モリソン層からは植物食のブラキオサウルスや、肉食のアロサウルスなど、さまざまな種類の恐竜が産出されています。

そのなかでも、カマラサウルスの化石は複数の発掘地から大人から子どもまで多く出ており、頭からしっぽの先端まで(レア!)全身出ています。さまざまな種があるのですが、種によってはサイズや体型に幅があり、頭が大きいものも!

カマラサウルス(Camarasaurus)の名前の意味は、空洞のあるトカゲ。椎骨にある大きな空洞と穴から由来してます。これ、じつは大きな竜脚類によく見られる穴で、体重を軽くするための構造なんです。

分類は、竜盤類 竜脚形類 竜脚類 マクロナリア類(広鼻類)。

竜脚類のなかでは比較的に首が短めで、頭は頭蓋骨は丸みのある吻部と高いドーム状の部分から丸っこく、鼻部には大きな開口部があります。上腕骨は太めですね、しっぽの付け根は広めでがっしりしていらっしゃる。

全長は約18〜最大23メートル。頸椎は12個。一般的な肉食恐竜が10個なのでそれよりも少し多いくらいです。

20トンくらいの重さはあったのではないかと考えられます。

食べるのは植物

画像3: 福井県立恐竜博物館にて撮影

福井県立恐竜博物館にて撮影

歯は鋭く細いわけではないので、体長は大きい感じがしますね。スプーン状の大きな歯をもち、やや硬めの針葉樹などの植物をかじり取って飲み込むという食べ方をしていました。

そしてじつは、石も食べるんです!

……というと、ボリボリと石を食べ、そこから栄養を摂ってるような言い方になってしまいおかしいのですが、胃石といって石を飲み込んで胃に入れておいて、丸飲みしてきた植物を胃ですり潰すんですね。とどのつまり、歯の代わりにするわけです。よくできた丈夫なお腹です。

ちなみに、恐竜の歯は人間と違って一生生え変わります。

福井県立恐竜博物館にて撮影

そういえば、福井県立恐竜博物館の「化石研究体験」に参加した過去コラムは覚えていますか?

CTデータから石の中の化石を観察し中身を調べる「CT化石観察」にて、カマラサウルスの上顎骨の一部を調査し、未熟な歯や未完成な歯など分けている画像も出しています。

このとき、回転させることで色んな角度から各歯を消して見やすくし、じっくり観察しました。そう、次の歯の準備ができてるわけです。歯がダメになっても次があるんです! なんかいいですよね。

展示されている恐竜も、よく見たら頭だけカマラサウルス……なんてことも!?

ブロンドサウルスという、名前が消えたり消えなかったりする竜脚類がいます。
(ブロントサウルスはアパトサウルスだ! となったが、やっぱりアパトサウルスとは別モノ説)

ボディは発見されても、頭骨は見つかっていない状態の頃の話。

1905年アメリカ自然史博物館でブロンドサウルスが初めて全身骨格が組み上げられました。頭骨はわからないままなので、頭骨はカマラサウルスに似た復元にされました。

その当時、ブロントサウルスとカマラサウルスは近縁ではないかと考えられていたからです。

ですが、じつはブロントサウルスの近縁はディプロドクスだったのです。ディプロドクスとカマラサウルスの頭骨を並べてみると、サイズや形、歯など全然違いますね。

化石が全身見つかっていないとこういうことがあり、のちに違ったんだと分かることがあります。分かったからといっても、また数年後には戻ったり変わったり……いやはや、常に見逃せませんね!

ほかにも、アパトサウルスを買ったら頭はカマラサウルスだった……という博物館もあるので、よーく探せばもしかしたら誰も気付かないところに頭がカマラサウルスの、カマラサウルスではない恐竜が隠れているかもしれません。もし気付いたら教えてください。

画像: 似てると言われる妹と。たまに双子のフリをしますw

似てると言われる妹と。たまに双子のフリをしますw

では!

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