《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
初監督作品ながら異例の大ヒットホラー!『ゲット・アウト』
『パラノーマル・アクティビティ』(2007)や『ヴィジット』(2015)など、人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラムが製作し、鬼才ジョーダン・ピール監督が初メガホンをとったホラー作品『ゲット・アウト』(2017)。
2017年2月に全米公開されると、オープニング興行収入3,300万ドル(約37億円)を記録し週末ランキングNo.1を獲得。全世界でも大ヒットを記録して、なんと累計世界興収は2億5,000万ドル(約282億円)に達しました!
しかも!『ゲット・アウト』はなんと、
製作費わずか450万ドル(約5億円)の低予算映画なのです!!
もちろん全世界で話題となり、第90回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞の4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞。日本でも2017年秋に公開され、その不気味な怖さに一気に注目が集まりました。
本作は、人種差別や社会問題を巧みに織り交ぜながらも、予想のつかない恐怖を視聴者に与えるサプライズスリラーです。今回もあらすじとともに注目してほしいポイントを紹介していきます!
ちなみにジョーダン・ピール監督は、その後に手がけた作品『アス』(2018)でも人種差別問題をテーマにしたダークサイドホラーで人間の闇や恐ろしさを描いていますので、気になる方はこちらもご覧ください♪
“何かがおかしい” 家族と友人たち
主人公クリスは、アフリカ系アメリカ人の写真家。白人の彼女ローズと幸せな日々を送っています。ある日クリスはローズの実家 アーミテージ家へ招待されることに。
自分が黒人ということで家族に認めてもらえないのではと不安を抱きつつも、ローズのために覚悟を決めて実家へ向かいます。(でも付き合って5ヶ月で実家へ挨拶は早いぞクリス! 引き返せ!)
行きのドライブ中、あるアクシデントが起きますが、なんとか無事に屋敷へ到着。
ローズの両親から過剰なまでの歓迎を受けホッとしたクリスですが、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていました……。
違和感たっぷりのパーティーとその参列者
翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていました。そんななか、黒人の若者を発見し、思わず嬉しくなり彼に声をかけますが、ぎこちない会話と行動を不審に思ったクリスは彼を隠し撮り。
しかし! フラッシュがたかれたのと同時にその若者は鼻から血を流し、態度が急変!
「出て行け! 今すぐに!!」
とクリスに襲いかかってくるのです!(めっちゃ怖い)
アーミテージ家とその周りの人間への違和感は次第に大きくなり、クリスはどうにかここから帰ろうとしますが、そこには恐ろしい真実が……。果たしてクリスはこの屋敷から逃げ出すことはできるのか!?
差別への強い風刺と現代社会の闇
『ゲット・アウト』は、現代のアメリカ社会にまだまだ根強く残る人種差別を、スリラー映画という形で鋭く風刺しています。
クリスが、白人である彼女ローズの実家を訪問する際の不安やためらいは、アメリカにおける黒人の日常的な経験を表しています。パッと見はとても優しく寛容に迎えてくれたアーミテージ家。しかし、実際は黒人に対する差別意識を隠し持っていることが、ところどころで見受けられます。
黒人を使用人として雇っていることや、「黒人は生まれながらにして身体能力が優れている」「黒人は野獣のように強い」というセリフなど、一見クリスを褒めているように見えますが、その言葉はどれも肉体的なことであり、その本質には“黒人だから”という皮肉が込められているのです。
彼ら自身の努力や、黒人として育ってきたその背景を知ろうともしない態度や言動は、わざとでも無意識でも【人種差別】になっていることに私たちは気づかなければいけません。
皆さんも、日常で何かされたわけではないのに「黒人が怖い」と思ったことはありませんか? 街で見かけて近づかないようにしたり、避けて通ったり。それが些細な行動だったとしても、無意識に差別してしまっているかもしれません。
本作は「黒人を差別しながらも利用する」という、現代社会に蔓延する人種差別の問題を浮き彫りにしている作品であり、私たちに向けての警鐘でもあるのです。
そしてじつはジョーダン・ピール監督本人が、まさにアフリカ系アメリカ人でありながら両親の離婚後は白人の母親に育てられたという生い立ちが! そんな彼の作る作品だからこそ、エンターテインメントの枠を超えた強いメッセージが込められているのではないでしょうか?
そして『ゲット・アウト』(出ていけ)のタイトルの本当の意味とは!?
違和感のなかに潜む恐怖と対峙するサプライズスリラー『ゲット・アウト』、ぜひ週末のお供にいかがですか☆
【ゲットアウト 予告動画】