《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
ホラーを超える、極限のユートピアスリラー『ドント・ウォーリー・ダーリン』
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019)で長編監督デビューを果たし、数々の賞を受賞した、女優オリビア・ワイルド。そんなオリビアの長編2作目となるのが今回紹介する『ドント・ウォーリー・ダーリン』(2022)です。
第79回ヴェネチア国際映画祭にも出品され、世界から注目された今作は「2022年最高の一本」と言われるほど高く評価された作品です。
完璧な生活が保証された街で暮らす主人公 アリスの周りで起こる不気味な現象を描き、予想できない展開で視聴者を惹きつける“ユートピアスリラー”という新しいジャンルを作り出しました。
そして主人公 アリスを演じるのは、あの衝撃的話題作『ミッドサマー』(2019)で圧倒的存在感を見せつけた、フローレンス・ピュー! 今回もまた不気味な何かにめちゃくちゃ怯えてくれてますよ!(笑)
ではあらすじとともに紹介していきます☆
完璧な街なのに何かがおかしい
物語は、完璧な人生が保証された街“ビクトリー”で始まります。主人公 アリスはそこで、愛する夫ジャックと平穏な日々を送っていました。誰もが羨む豪邸、優しい夫、友達とのパーティー。何不自由ないこの生活は、アリスにとってまさに【完璧】そのものでした。
しかしアリスは、隣人が謎の赤い服の男たちに連れ去られるのを目撃してしまいます。するとそれ以降、彼女の周りで頻繁に不気味な出来事が起きるように……。徐々にアリスはこの完璧な生活に疑問を持ち始めるのです……。
この街ただ一つのルールとは?
そもそも『完璧な人生が保証された街』とはどういうことなのか?
この街は「ビクトリー地区」と呼ばれる、いわば一つの集合住宅です。ここに住む人たちはみな既婚者で、男性は全員ビクトリープロジェクトという任務についています。
そのためどの家庭の夫も毎朝全員同じ時間、同じ車で同じ会社に出勤していきます。しかしあまりに重要なプロジェクトのため、どんなことをしているのかは家族にも口外禁止。女性たちは夫が毎日何をしているか知りません。
このビクトリープロジェクトに参加している夫婦だけが住めるこの街では、家も車も食べ物もすべてプロジェクトの最高責任者 フランクが与えてくれます。(『スター・トレック』シリーズにも出演している、クリス・パインが演じているんですが、これがまたイケおじなのよ!)
そのため何不自由することなく、プロジェクトに参加している限りは『完璧な人生が保証』されているのです。
ただし!!
この街で暮らすなら、ルールを守る必要があります。そのルールはたった一つ。
それは、
決して街から出ないこと!!
《立入禁止区域》と書いた看板より向こうに行くのは絶対に禁止とされています。しかし、アリスはあることがきっかけでこのルールを破ってしまうのです……。そして、そこからアリスは不思議な幻覚を見たり、自分でも信じられない行動を取ったりするようになるのです。
理想の人生とは何か?
この物語は私の予想の遥か上をいく人間の怖さが詰まった映画でした。
ネタバレはしませんが、123分を通して監督が伝えたかったことは、
『幸せとは何なのか?』
ということです。
この街では男性は働き、奥さんは日中家事をする。そして身なりを美しくして美味しいご飯を作り、夫の帰りを待つ。ある意味では昔ながらの「理想の家庭」のようにも思えます。実際奥さんにはそうであってほしいと願う男性も少なくないでしょう。
しかし、現代では共働きは決して珍しいものではありません。だけどその根底には「夫が働き、奥さんは専業主婦でよかった時代」と「2人で働かざるをえない現代の生活状況」の違いがあります。
『ドント・ウォーリー・ダーリン』では、自分が何に幸せを感じるか? を改めて考えさせられます。家庭におさまりたい人もいれば、結婚しても働いていたい女性もいます。
または、私のように結婚はしたくない! 苦労してもいいから自分のしたいことをする! と毎日を生きるだけで精一杯の人もいます(笑)
だけど、これが私の幸せです。
私が自分で選び、自分で歩んでいく人生です。
誰かに幸せの基準を決めさせてはいけません。絶対に。他人に支配される人生ではなく、後悔したとしても、自分で選択する人生にこそ意味があるんです。
誰かの理想になろうとしなくていい。
ユートピア=理想郷 は一人一人が描くものなんですから。
『ドント・ウォーリー・ダーリン』という優しいタイトルも、観終わったあとではこの言葉が持つ意味がまったく変わってくるので、さらに深く考察したくなります。
あ! ちなみに主人公 アリスの友人でもあるバニー役には、今作の監督でもある女優のオリビア・ワイルドが自ら演じております♪
こんな美しい女優さんがこんなイカれた話を!? と驚きですが(笑)女性だからこそ感じる「幸せの形」を描いた作品のような気がします。
あなたにとっての本当の幸せとは?
『ドント・ウォーリー・ダーリン』、週末のお供にいかがですか?
【ドント・ウォーリー・ダーリン 公式サイト】
【ドント・ウォーリー・ダーリン 予告動画】