時代背景も解説! 有名画家の絵画が見られる企画展5選
4月になりました。暖かな日も多くなってきて、いよいよ新生活が始まるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。せっかく新しい生活が始まるのだから、何か新しい趣味でも……と思ったなら、アート鑑賞はいかが?
アートは歴史のなかで形作られてきたものも多く、そういう時代背景を知れば、もっとアートを楽しめるかもしれません。
今回は、江戸時代末期に生きた葛飾北斎から、近代に生まれた芸術運動のシュルレアリスムまで、大まかな歴史をたどりながらそれぞれの企画展をご紹介します。
ぜひ、現代にもつながっていくアートの歴史を感じてみてくださいね。
北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより(国立西洋美術館)
まずは、日本の有名画家・葛飾北斎の絵を見ることができる企画展をご紹介します。1760年に生まれ、1849年に亡くなった北斎。北斎が生まれた18世紀の後半というと、ヨーロッパでは大きく歴史が動いていた時代です。
七年戦争(1756年~1763年)、アメリカ独立戦争(1775年4月19日~1783年9月3日)、そしてフランス革命(1789年5月ごろ~ナポレオン体制が崩壊する時期までを含めると1815年)など、大きな歴史の転換点が数多くありました。
そんな時期の日本に生まれた北斎。この頃の日本は、ちょうど明治に向かっていく時期でもありました。1853年に黒船来航、1867年に徳川慶喜が大政奉還をおこなって明治時代に突入します。北斎は黒船を見ることはありませんでしたが、もし黒船を見ていたらどんな絵画を描いていたかと思うとワクワクしてしまいますね。
さて、そんな北斎は、多彩な表現力と大胆な構図で、現代でも人気を博している画家です。日本国内に与えた影響も大きかったですが、西洋、とくに印象派の画家たちに大きなインパクトを与えました。この企画展では、北斎の代表作のひとつ『冨嶽三十六景』(1830~1833年ごろに作成)のシリーズ、46図全てを見ることができますよ。
北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより
会場:国立西洋美術館(JR「上野」駅 公園口 徒歩1分)
会期:2026年3月28日(土)〜2026年6月14日(日)
アーティスト・バイ・アーティスト――西洋版画に見る芸術家のイメージ(国立西洋美術館)
こちらは、上記の「北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより」と同じ国立西洋美術館の小企画展です。常設展の観覧券、もしくは企画展の「チュルリョーニス展 内なる星図」、「北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより」の観覧券で見ることができます。観覧券は観覧当日のものに限りますので、ご注意くださいね。
「北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより」を見たら、ぜひこちらにも足を運んでみてください。自画像などを含む肖像画のなかでも、版画を中心に、“アーティストが描いてきたアーティストの姿”を見ることができますよ。
取り上げる画家は、15世紀~16世紀ごろのルネサンス期に活躍したアルブレヒト・デューラーや、16世紀末~18世紀なかばごろまでのバロック絵画を代表する人物レンブラント・ファン・レイン。
そして、1746年生まれ1828年没の“最後のオールド・マスター”フランシスコ・デ・ゴヤ、さらには 1881年から1973年まで生きたキュビズムの創始者パブロ・ピカソまで。たくさんの“アーティストが描いてきたアーティストの姿”を展示しています。
アーティスト・バイ・アーティスト――西洋版画に見る芸術家のイメージ
会場:国立西洋美術館(JR「上野」駅 公園口 徒歩1分)
会期:2026年3月28日(土)〜2026年6月21日(日)
モネ没後100年 クロード・モネ —風景への問いかけ(アーティゾン美術館)
1874年から1880年代が中心的な時期であり、北斎が亡くなった直後くらいの時期から始まった印象派。その印象派の代表的人物の絵画が見られる企画展です。
1840年に生まれ、1926年まで生きたクロード・モネ。モネが生きていた時代の日本は、1868年に明治時代に突入するまでは江戸時代であり、激動の変化を遂げた時期でもありました。
印象派といえば風景画、というイメージがある方もいるかもしれませんが、モネの風景画も、自然光の表現や詩情豊かな世界観など美しい風景画が多数あります。この企画展では、モネと関わりの深い土地の情報などとともに、同じ時代に作成された絵画、浮世絵、工芸作品などを見ることができます。
また、現代の映像作家による没入型映像作品も体験できますよ。作品数は、オルセー美術館からの約90点に、アーティゾン美術館などの美術館や個人所蔵の作品などが加わった、合計約140点。数多くの作品とともに、モネの絵画の魅力を発見してみてくださいね。
モネ没後100年 クロード・モネ —風景への問いかけ
会場:アーティゾン美術館(JR「東京」駅 八重洲中央口 徒歩5分)
会期:2026年2月7日(土)〜2026年5月24日(日)
※会期中に展示替えがあります。
開館50周年記念 ウジェーヌ・ブーダン展―瞬間の美学、光の探求(SOMPO美術館)
こちらは、そのクロード・モネを導いたと言われる、ウジェーヌ・ブーダンを紹介する回顧展。1824年~1898年に生きていたので、ぎりぎり北斎が生きていた時期と重なる人物です。
ブーダンは、“印象派の先駆者”とも呼ばれる画家です。戸外での制作や時間とともに変化していく風景を描く作品は、モネに大きな影響を与え、やがて印象派の開花をもたらしていきます。
ブーダンが得意とした海を描く「海景画」ももちろん、油彩やパステルなどを用いた多様なジャンルの絵画を展示。ブーダンの日本での回顧展はおよそ30年ぶりです。数多くの魅力的な絵画とともにフランス近代における絵画の歴史を感じられるこの企画展、ぜひご注目くださいね。
開館50周年記念 ウジェーヌ・ブーダン展―瞬間の美学、光の探求
会場:SOMPO美術館(JR「新宿」駅 西口 徒歩5分)
会期:2026年4月11日(土)〜2026年6月21日(日)
拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ(東京オペラシティ アートギャラリー)
印象派ののち、後期印象派とも言われるポスト印象派、象徴主義、フォービスム、キュビズム、ダダイスム……という流れを経て、アートはシュルレアリスムへと進んでいきました。シュルレアリスムの時代、日本は大正時代で、1923年の関東大震災からの復興や、東京でラジオ放送が始まるなど、大きな変化があった時期です。
シュルレアリスムは、1924年に著述家で詩人のアンドレ・ブルトンが提唱した芸術運動。夢の世界や無意識などの領域に注目した、フロイトの精神分析学にも影響を受けています。
そのため、シュルレアリスムの絵画はどこか夢のような不可解な感じがあり、幻想的な雰囲気や、謎めいた風景といった独特の世界観を持っています。この芸術運動のテーマは、“日常や世界を変える”こと、と言えるかもしれません。
広告やファッションなどにも影響を与えたシュルレアリスム。新たな表現方法として誕生してから約100年となる2026年に、いまもなお新しさや驚きを与えてくれる作品たちを、ぜひ見に行ってみてくださいね。
拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(京王新線「初台」駅 東口 徒歩3分)
会期:2026年4月16日(木)〜2026年6月24日(水)
現代にもつながっていくアート。新生活の新たな趣味をぜひ!
今回は、大まかな歴史をたどりながら、有名な画家の作品を見られる企画展を5つご紹介しました。どの企画展も最寄り駅から近いので、お出かけのついでにも立ち寄りやすいのが魅力です。
春の新生活を頑張ったら、アートによる癒やしの時間を取り入れてみてはいかがでしょうか。ぜひ、アートな時間を楽しんでくださいね!




