ファッション用語としてたまに目にする布帛。そもそも漢字も見慣れず、誰かに聞きづらい人も多いのでは? 布帛は「フハク」と読み、「布(フ)」は綿やリネンの布を、「帛(ハク)」は絹の布を意味し、英語ではファブリックと訳されています。この記事では、布帛とは何か、どのようなものかについてまとめました。

布帛(フハク)とは何を意味する言葉?

布帛は織物の種類で、縦糸と横糸を交互に重ねて織り込んで作る生地の総称です。

シャツやパジャマ、下着類などに使われ、1年を通して多く身につけられている素材であり、日常にも馴染みのある代表的な生地です。

画像: 布帛(フハク)とは何を意味する言葉?

なお、布帛のほかにもう一つの代表的な織り込み生地として、ニットが挙げられます。

ニットは編み物で、セーターやカーディガンなど柔らかさと高い伸縮性が特徴です。同じコットン素材を使用していても、作り方によって布帛とニットに分けられます。

布帛の特徴

布帛の特徴は、型崩れのしにくさ。

縦糸と横糸の密度が高いため、繰り返し使用してもシルエットが変わりにくいのが魅力。比較的手入れがしやすく、日常的に使いやすい生地といえるでしょう。

また、使用される素材でも特徴に違いがあります。コットンを使用したシャツはツヤ感とパリッとしたハリ感があり、熱に強いためアイロンにも耐えられます。リネン(亜麻)は吸湿性と速乾性に優れており、夏に重宝する素材です。

画像: 布帛の特徴

一方で、伸縮性があまりなく、シワになりやすい点と通気性が低い点が弱点となります。

最近では、糸にポリウレタンなどの化学繊維を混合して伸縮性を高めたものも増え、弱点をカバーできるようになってきました。

布帛の代表的な生地をご紹介!

布帛の代表的な生地として、身近なものではブロードがあります。丈夫なデニムや、特別なアイテムとしても使えるサテン、オーガンジーなど、どれも布帛の1つです。代表的な生地を4つご紹介します。

幅広い用途に使える代表的平織りの「ブロード」

画像: 幅広い用途に使える代表的平織りの「ブロード」

ブロードは、生地面に細かいよこ畝(うね)がある目の詰まった平織りの生地をいいます。

細い糸で高密度に織られているので、滑らかで優しい肌触りが大きな特徴です。耐久性があるので繰り返し洗ってもへたりにくいのもポイント。ブロードは幅広い用途に使える布帛であり、身近なものにブロードシャツがあります。

カジュアルファッションに大活躍! 丈夫な「デニム」

画像: カジュアルファッションに大活躍! 丈夫な「デニム」

デニムとは、インディゴで染めた縦糸と、染色加工をしていない白い横糸を使用した肉厚の綾織り生地をいいます。

生地自体がとても丈夫で、最初は少し硬く、使い込むほどに柔らかく馴染んでいきます。カジュアルファッションに大活躍で、色落ちを風合いとして楽しめるのもデニムならではの魅力です。

艶やかでエレガントな雰囲気がある「サテン」

画像: 艶やかでエレガントな雰囲気がある「サテン」

サテンは縦糸か横糸のどちらかが表面に多く出ている繻子(しゅす)織りで作られた生地です。

生地面がとてもなめらかで、上品な光沢感や高級感があり、それが他の織り物との大きな違いでもあります。艶やかでエレガントな雰囲気があるサテンは、ドレスや衣装などに使用されています。

薄くて透け感のある軽やかな生地「オーガンジー」

画像: 薄くて透け感のある軽やかな生地「オーガンジー」

オーガンジーは、細い糸を使った平織りの生地に硫酸仕上げを施すので、独特の透け感があり、薄地であってもハリとコシのある生地です。

硫酸仕上げは擬麻(ぎま)加工とも呼ばれ、リネンのような風合いを持たせる加工方法です。ファッション性の高いシアーシャツや、チュールスカートでよく使用され、パリッとしたハリ感が特徴です。

布帛はニットと対をなす洋服のメイン素材

布帛は、型崩れがしにくい分伸縮性があまりないという特徴を持つニットと対をなす洋服のメイン素材です。身近なシャツなどに使用されるブロードの他に、デニムやエレガントなサテン、透け感のあるオーガンジーがあり、織り方によっていろいろな表情が楽しめます。

あまり知られていないファッション用語もじつは身近なもの。知っておくとファッションへの理解が深まりますね。

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