ROLEX
世界でもっともポピュラーな腕時計ブランド・ROLEX(ロレックス)。高級時計の代名詞といっても過言ではないが、その歴史は1905年の創業から100年余りと意外と短い。その間の偉業は数知れないが、高い防水性を実現した「オイスターケース」、自動巻ローター「パーペチュアル」の技術は、新興ブランドであったROLEXを不動の地位に押し上げた。
地球最深部を見据えた一本
2022年に登場した『シードゥエラー ディープシーチャレンジ』は、ロレックスが長年追い求めてきた“深海への挑戦”を、市販モデルとして結実させた一本である。
その源流をたどれば、はるか以前に製作された実験機「ディープシースペシャル No.1」に行き着く。ロレックスにとって“潜る”という行為は単なる機能拡張ではなく、ブランドの歴史そのものに関わるテーマなのだ。

『シードゥエラー ディープシーチャレンジ』
ロレックスはダイバーズウォッチに並々ならぬ情熱を注いできた。複数のダイバーズラインを展開し、日常生活では到底必要としないレベルの防水性能を与え続けてきた事実が、その姿勢を物語っている。その最新到達点が、本作。“チャレンジ”の名が示す通り、これは限界水深への挑戦を体現したモデルである。

サブマリーナー(写真右)とのサイズ比較。50mmケースの迫力は一目瞭然だ

横からの比較。23mmという厚みが際立つ
まず圧倒されるのは、その外観。ケース径は50mmで、当連載で紹介してきた腕時計の中でも最大サイズであり、厚さも23mmと極厚。腕に載せた姿は、まるで潜水服のヘルメットを付けているかのよう。
しかし、この巨体から想像される重さは、実際に手にすると良い意味で裏切られる。本モデルにはロレックス独自の「RLXチタン」が採用されており、重量は約251gに抑えられている。サイズの印象に反して取り回しは悪くない。

サイズは圧倒的だが、装着すると不思議と収まりが良い
RLXチタンは、軽量でありながら優れた強度と耐腐食性を兼ね備える素材だ。過酷な環境に耐える性能と日常での装着性を両立させている。(RLXチタンを使ったロレックスはこちら)

36090ft=11000m。途方もない水深が文字盤に並ぶ
そして最大の特徴は防水性能だ。その数値は驚異の11,000m防水。これは地球上で最も深いマリアナ海溝の最深部に匹敵する数値であり、量産される腕時計としては最高峰クラス。
理論値としてさらに高い防水性能を掲げる時計も存在するが、机上の数値ではなく、地球上の最深部に照準を合わせたスペックであることに、このモデルの説得力がある。

斜めから見ることで、風防の圧倒的な厚みが明確に
その高性能を支えるのが、ロレックス独自の「リングロックシステム」である。超高圧下で風防に加わる力を内部リングが受け止め、ケース全体で分散する構造を採用することで、耐圧設計を実現している。

セラミック製の逆回転防止ベゼル

ケースサイドのヘリウムエスケープバルブ。内部圧力の上昇を抑制するための機構である
機能も充実しており、サイドにはヘリウムエスケープバルブを備え、飽和潜水にも対応。セラミック製の逆回転防止ベゼルは耐傷性に優れ、実用性と耐久性を両立している。

大型のトリプロックリューズ。三重構造により高い防水性を確保

サテン仕上げが施されたRLXチタン製ブレスレット

バックルの内側プレートに刻印された「RLX titanium」
操作系の作り込みも抜かりはない。大型のリューズとブレスレットは、ダイビングスーツ着用時の使用を前提に設計。
バックルにも「グライドロック エクステンションシステム」と「フリップロック エクステンションリンク」の二重構造を備え、細かな調整から大幅な延長まで柔軟に対応可能。最大7mm厚のダイビングスーツの上からでも快適に着用できる仕様となっている。

ぱっと見は通常のバックルだが、中央部を起こすと……

ブレスレットをひと刻みずつ調整可能な「グライドロック エクステンションシステム」

グライドロックに加えて、写真右奥のプレートを展開すると……

長さを約26mm延長できる「フリップロック エクステンションリンク」
『シードゥエラー ディープシーチャレンジ』は、日常生活においては明らかにオーバースペックだろう。しかし、その過剰さこそがロレックスの矜持を示している。実用の枠を超え、到達可能な最深部を見据えて設計された一本──それが、この“最強”のロレックスである。
ROLEX
シードゥエラー
ディープシーチャレンジ
品番:126067
素材:チタン
サイズ:縦50mm×横50mm
防水:11,000M防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:ブラック
販売価格:6,650,000円(税込)
【付属品】
外箱、内箱、取扱説明書、保証書(2023年04月)
※価格は2026年2月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
ロレックスの技術力の高さは言うまでもありませんが、それ以上に感じるのは“海への熱い思い”を決して忘れない姿勢です。ただ高性能な時計を作るのではなく、深海という極限に本気で向き合い続ける。そのスタンスに、個人的には強いリスペクトを覚えます。
正直に言えば、日常で気軽に着ける時計かというと、なかなかハードルは高いモデルかもしれません。サイズも存在感も規格外です。ただ、その振り切ったスペックと背景を考えると、コレクターズアイテムとしては非常に魅力的だと思います。
ロレックスがこのような尖ったモデルをいつまで作り続けるのか、という点も気になるところです。ブランドの方向性や時代の流れを考えると、いつ生産終了になっても不思議ではありません。
“最強ロレックス”という言葉が、これほどしっくりくるモデルもそう多くはないでしょう。まさにその名にふさわしい一本だと思います。
| 所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
|---|---|
| TEL | 03-5250-7272 |
| 営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
| 定休日 | 水曜日 |
| 公式サイト | https://moon-phase.jp/ |





