こんにちは、恐竜おねえさんこと生田晴香です。国立科学博物館で開催中の特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」へ行って来ました。恐竜も危険ですが、現代も危険な生き物が盛りだくさん! どんな特別展なのか見ていきましょう。
※本記事には、ゾウの鼻の断面標本やキングコブラなどの画像が出てきます。苦手な方はご注意ください。なお、虫の画像は出てきません。

連載コラム「生田晴香、恐竜と生きる」。福井恐竜博物館 公認恐竜博士、古生物学会友の会・恐竜倶楽部メンバーでもある自他共に認める恐竜ラバーのタレント生田晴香が、恐竜の素晴らしさを隅から隅まで語り尽くします。壮大な歴史とドラマ、未解明の不思議が交差する魅惑の恐竜ワールドへ、ようこそ! - singles編集部

体の大きさは武器になる

「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」へ行って来ました。

画像: 左)3Dホログラムイメージ 右)アジアゾウの鼻の断面(国立科学博物館蔵)

左)3Dホログラムイメージ
右)アジアゾウの鼻の断面(国立科学博物館蔵)

こちらはアジアゾウの鼻の断面標本です。ゾウの体は巨大ですが、鼻に骨はなく、驚くほど複雑な構造をした筋肉によって器用に動かすことができます。長さ2m・重さ150kgにもなる鼻は、人間が下敷きになるだけでも大変な重さです。上から振り下ろされた際の衝撃はさらに凄まじく、非常に危険です。

やはり体の大きさは武器のようで、巨体を持つ動物は歩いているだけでも大きな運動エネルギーを持つので、破壊力はバツグンです。

自然界の食うか食われるかの関係において、体が大きくなればなるほど敵からのダメージは小さくなるだけでなく、そもそも狩りの対象から外れることがあります。

恐竜のなかにも、竜脚類という首と尻尾が長く、巨体で重量級の恐竜がいます。彼らは植物食恐竜ですが、体長30mに達する種もいるので、小型の肉食恐竜が食べようと思ってもそう簡単にはいかないでしょう。

画像: 世界最大級の竜脚類といわれる「マメンチサウルス」

世界最大級の竜脚類といわれる「マメンチサウルス」

一方で、マメンチサウルスという植物食恐竜の足跡であろう穴にハマって抜け出せず、そのまま化石になった、グアンロンという小型の肉食恐竜もいます。

マメンチサウルスが「ちっこいやつは落ちろー」と狙って歩き回ってボコボコ穴を開けたわけではなく、本当にただ歩いていただけだと思いますが、小型の生物は大型の恐竜の近くにいるだけで危険な目に遭ってしまうんです。

そうそう! ちなみに、インドネシアのジャンケンは【ヒト・ゾウ・アリ】で、ゾウは人間に勝てますがアリには弱いようで、アリはゾウの耳のなかに入って勝てるそうです。マメンチサウルスの場合はどうでしょう……。

毒も武器

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カエル、トカゲ、カモノハシ、エイやクラゲなど……毒を持つ生物って、じつは多いんです。
たとえば、毒ヘビ。毒ヘビにも種類があります。

ハブやマムシなどの管牙類(約410種)は、管状で可動性の牙でたたまれていますが、かみつく際に立ち上がるシステム。

画像: キングコブラ 剥製 萩博物館蔵

キングコブラ 剥製 萩博物館蔵

コブラなどの前牙類(約420種)は、固定された短い牙で(キングコブラでも1cm程度)、かつては牙の前面にある溝を伝って毒液が注入されるといわれていましたが、ほとんどの種でその溝は閉じて管状になっています。

管牙類と前牙類は、唾液線の一部が変化した毒腺で作られた毒液を筋肉の収縮で毒管を通じて管状の牙へ送り、効率よく相手の体内に注入することができるのだとか。

ヤマカガシ(短く固定された牙が上顎骨の後端にあるもの)などの後牙類(300種以上)は、毒腺を圧迫する筋肉はついていません。また、牙の付け根に毒管が開口して傷から毒液が浸み込むので、かまれても毒が入らないことが多いのだそう。

恐竜でも、毒と言えば映画『ジュラシック・パーク』(1993)のディロフォサウルスが毒をブシャーっと吐いていましたが、実際のディロフォサウルスは違います。

リアルな毒恐竜といえば、シノルニトサウルスが有名です。

シノルニトサウルスは、上顎の骨の歯の内側に空洞があり毒を溜められるのと、歯は縦の溝状のくぼみがあるので毒を注入できたのではないかと考えられています。毒ヘビの前牙類と似た特徴なんですね。

危険な鳥類型恐竜

イヌワシは、鳥類でもダントツのハンティング能力を持っています。中型哺乳類が主食で、重い獲物をつかんで飛ぶことができるのですが、なんと5kgのヒグマの子どもをさらうことも……。

足首を曲げるだけで連動して指が曲がり、止まり木や獲物をつかむという省エネ設計になっているので、重い荷物であってもラクラクつかみ続けられるのだそうで、危険です。

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ヒクイドリは、あし先には鋭く尖った爪を持ちます。とくに内側の1本は非常に長く、まるでアイスピックのよう。首にヒクイドリの鋭い爪が刺さったことによって血管を損傷し失血死した人や、裂傷や骨折した人もいて危険なんです。

プライム1スタジオのスタチュー

アイスピックといえば、映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)ではテリジノサウルスの爪がアイスピックかのようにサクッと刺さったシーンがありました。

実際、テリジノサウルスの長い爪は、ほかの恐竜を刺すために使っていたわけではないと思われますが(植物食か雑食だし薄いから折れそう)。

ヴェロキラプトルのあし

ヴェロキラプトルなら、高いところから飛んでシックルクローを刺して攻撃に使ってるのではないかと思います。肉食だし危険です。

まとめ

「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」は、パワーファイター型、キラーバイト型、武器型、大群型、猛毒型、化学攻撃型、電撃型、吸血型……と、さまざまな危険生物が紹介されていて楽しい展示会でした。

個人的には、海のシャチがやばかったです。かわいい顔してとんでもないやつでした。気になる人は、何がやばいのかぜひ見に行ってみてくださいね。

いつの時代も危険な生き物は多いので(人間含め)、注意してこれからの人生も長く楽しく生きていきましょう!

画像: SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-にて撮影

SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-にて撮影

では!

特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」
会期:2026年3月14日(土)~6月14日(日)
会場:国立科学博物館(東京・上野)
当日券:一般・大学生 2,300円、小学生・中学生・高校生 600円
公式サイト:https://chokikenseibutsuten.jp/

画像2: 危険すぎる生き物大集合! 恐竜おねえさんが「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」に行ってきた

生田晴香 | Haruka Ikuta

恐竜タレント。TV、CMのほかモデルとして活躍中。福井恐竜博物館の公認恐竜博士で恐竜検定所持。恐竜トークショー、クイズ、鳴き声コンテスト審査員。古生物学会友の会&恐竜倶楽部メンバー。恐竜のうた「ダイナソーDANCE」監修。実は元あやまんJAPAN。

YouTubeちゃんねる「恐竜わっしょい!」始めました。

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