こんにちは、恐竜おねえさんこと生田晴香です。今回は、ティラノサウルスにかなり愛されていたであろう「エドモントサウルス」回です。ティラノサウルスとはどれだけ絡んでいたのか。たくさん化石が発見されているので紹介しましょう!

連載コラム「生田晴香、恐竜と生きる」。福井恐竜博物館 公認恐竜博士、古生物学会友の会・恐竜倶楽部メンバーでもある自他共に認める恐竜ラバーのタレント生田晴香が、恐竜の素晴らしさを隅から隅まで語り尽くします。壮大な歴史とドラマ、未解明の不思議が交差する魅惑の恐竜ワールドへ、ようこそ! - singles編集部

まずは基本情報からご紹介

画像1: Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~にて撮影

Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~にて撮影

学名「エドモントサウルス・アンネクテンス(Edmontosaurus annectens)」。

中生代白亜紀後期マーストリヒチアンに生息していた植物食恐竜です。ティラノサウルスやトリケラトプスと同じく、恐竜時代の終わりに生き、今でいうアメリカあたりに生息していました。

分類は、鳥盤類・鳥脚類・イグアノドンティア類・ハドロサウルス科・サウロロフス亜科。

福井県立恐竜博物館にて撮影

全長は約10〜15メートルで、体重は約5〜12トンはあったのではないかと考えられています。

ハドロサウルス科は「カモノハシ竜」なんて呼ばれています。口先が薄く幅広いカモのくちばし状からきているわけですが、上のケラチン質のクチバシが先端から下向きに突き出ていたので実際の顔つきはそこまでカモに似ていなかったカモしれません。

エドモントサウルス・アネクテンスのクチバシについての論文はこちら(画像だけでも見ておくと楽しめます)
https://www.biodiversitylibrary.org/partpdf/241180

グループの特徴はデンタルバッテリーで、歯がぎっしりたくさん折り重なっており、植物をすり潰すのに適した構造なので、効率よく大量に食べることができます。

2足でも4足でも歩くことができ、後ろあしで立ち上がれるため、低い位置にある植物だけでなく高めな位置にある植物も食べることができました。

トリケラトプスなどの角竜は低い位置にある植物を、カモノハシ竜は高めの位置の植物を……と、もしかしたら食べ分けていたかもしれません。どちらも低い位置の植物しか食べれなかったら喧嘩になっていたカモですね。

そして、大きな群れを作る習性があったと考えられています。

エドモントサウルスは、子どもから大人になっていくにつれて頭が伸びて長く平たい顔になっていきます。カモノハシ竜のなかでは地味なんて言われることも……。(だとしてもそれはそれでかわいいので、それでよし)

ちなみに、エドモントサウルスは2種います。
今回紹介している「エドモントサウルス・アンネクテンス」と、「エドモントサウルス・レガリス(Edmontosaurus regalis)」です。

エドモントサウルス・アンネクテンスよりも少し前(7300万~7000万年前)の時代を、エドモントサウルス・レガリスは生きていました。

レガリスは肉質のトサカがぴょこっとしているのが保存されています。トサカの有無は性別によるのかどうかも不明ですし、もしかしたらレガリスだけではなくアンネクテンスやほかのカモノハシ竜にもあるかもしれません。(謎)

エドモントサウルスのいろんな化石

エドモントサウルスは、子どもから大人までとにかくたくさん化石が発見されています。なので成長過程が判明しているのですが、なんと広範囲の組織がそのまま化石となったエドモントサウルスのミイラ化石までいくつか発見されているんです。

1パーツしか発見されずに名付けられた恐竜がいるというのに、こんなにももりもりに化石があるということがどれだけすごいことか! 一生言い続けたいのですが、ミイラ化石までもあるのは本当に奇跡でやばすぎます。

画像2: 福井県立恐竜博物館にて撮影

福井県立恐竜博物館にて撮影

こちら、福井県立恐竜博物館にあるエドモントサウルスのミイラ化石のレプリカ。

画像3: 福井県立恐竜博物館にて撮影

福井県立恐竜博物館にて撮影

背からしっぽにかけてのエリア、骨化した腱がシャシャシャーっと格子状になっているのがわかります。胴体としっぽを支え、脊椎を補強。背骨を水平にたもっています。

画像4: 福井県立恐竜博物館にて撮影

福井県立恐竜博物館にて撮影

胴体エリアには黒っぽい植物片が密集していて、内臓があった場所だと考えられています。食べたものが見れちゃうってすごいですね……。

画像2: Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~にて撮影

Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~にて撮影

こちらはエドモントサウルスの皮膚痕。ウロコの感じがわかりますね。そこにあるのが傷跡。右目の上らへんのエリアなのですが、何の古傷だかわかりますか?

ヒントは、エドモントサウルス・アンネクテンスはティラノサウルスと同じ時代ということ……。

そう、ティラノサウルスに噛まれたのでしょう。噛まれてもなお生きていたということがわかります。生きているときに襲われた、そして逃げ切れた……どんな感じだったか見てみたいものです。

ほかにも、尾椎にティラノサウルスの歯が刺さったままのエドモントサウルスがいたり、しかも歯を覆うように治癒してるというのもあったり、噛みちぎられていたけど再生していた跡があって「まだ生きてんのかーい」ってツッコみたくなるようなのもあったり……すんごい化石があります。

と、毎回襲われてなんとか生き延びているという不死身化石ばかりではなく、治癒痕がなくしっかりやられてしまっているのももちろんあります。

最近だと顔面からティラノサウルス類に噛まれて、歯も埋まっていて、それにともなう23箇所の噛み跡があるというひどい状態のエドモントサウルスも……。

弱肉強食です。恐竜同士のことなのでいくらエドモントサウルスが好きでも守ってあげたいという気持ちはありません。

たくさん化石が出ているおかげで、いろんなエドモントサウルスの情報を知ることができて嬉しい限りです。これからもどんな状態のエドモントサウルスが出て来てくれるのか楽しみですね!

ではまた次回。

画像: 自分も噛みちぎられても生きていたいです。はい。

自分も噛みちぎられても生きていたいです。はい。

画像: 噛みちぎられても生きていた!? 不死身の恐竜「エドモントサウルス」

生田晴香 | Haruka Ikuta

恐竜タレント。TV、CMのほかモデルとして活躍中。福井恐竜博物館の公認恐竜博士で恐竜検定所持。恐竜トークショー、クイズ、鳴き声コンテスト審査員。古生物学会友の会&恐竜倶楽部メンバー。恐竜のうた「ダイナソーDANCE」監修。実は元あやまんJAPAN。

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