見終わったあとモヤモヤする映画が大好きな筆者が語る映画連載【シネマ・グレイ】。今回は、ついに胸糞映画の代表! スティーブン・キングの傑作を映画化したパニックホラー『ミスト』(2007)を紹介します!(文:紺野ミク)

《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆

全米で話題騒然! 衝撃すぎる鬱映画『ミスト』

モヤっとする映画を紹介してきた【シネマ・グレイ】ですが、なんと気付けば連載もFile.050!!

というわけで記念すべき50回目で、ついにこちらを紹介します!

(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

『ショーシャンクの空に』(1994)や『グリーンマイル』(1999)でスティーブン・キングの世界を見事に映画化したフランク・ダラボン監督が、映像化不可能と言われていたキングの傑作中篇「霧」に挑んだ衝撃作『ミスト』(2007)。

激しい嵐が過ぎ去った町に不気味な深い霧が立ち込め、やがて霧の中に潜んだ正体不明の生物が彼らを襲いはじめるパニックホラーです。

原作とは異なる衝撃のラストが全米公開時に大きな話題を呼び、

「胸糞映画」「鬱映画の代表」

として君臨してきました!(笑)

観たことない人の方が少ないかもしれませんが、『ミスト』は鬱映画では避けて通れない作品ですので、紹介していきたいと思います☆

街を襲う突然の“霧”

ある夜、メイン州西部の全域が激しい雷雨に見舞われました。その翌朝、湖のほとりに住むデヴィッド・ドレイトンとその妻のステファニーは、自宅の窓やボート小屋が壊れているのを見つけます。

(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

デイヴィッドと8歳の息子ビリーは食料を買いにスーパーマーケットへ向かうと、店内は同じように買い出しに来た多くの客でいっぱいでした。

すると突然町中にサイレンが響き、山の方から“濃い霧”が立ち込めてきます。

(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

そして、霧のなかから血を流した男性が現れ店内に駆け込み、

「霧のなかに何かがいる!!」

と叫びます!!

店内の一同が戸惑うなか、外は辺り一面真っ白な霧に包まれていきます……。不安に駆られた客たちは外へ出れず、スーパーマーケットに閉じこもることに。

(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

立ち往生を強いられるなか、母の待つ家に帰りたがるビリーと、思い悩むデイヴィッド。

果たして霧のなかにいるものの正体は何なのか?

そして、奇怪な霧に閉じ込められた人々の運命はどうなってしまうのか……?

絶望のなか浮き彫りになる“人間性”

『ミスト』の舞台のほとんどは、スーパーマーケットという閉鎖された空間です。

(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

そして、こういった状況で必ず起こるのが人間同士の争いです。

ただ怯えて小さくなる者、統率しようとする者、支配しようとする者……。

(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

霧のなかにいる何者かが敵だったはずが、いつしか生き残るために、いかに他人を蹴落とすかの戦いに変わってしまいます。

まさに『ミスト』は、人間の《恐ろしさ、愚かさ、脆さ、そして残酷さ》を描いた2時間なのです。

ネタバレになるので言いませんが、めちゃくちゃイライラするので覚悟してください!(笑)

そして、霧より謎の生物より、

やっぱり人間が一番怖いです!

この結末をどう捉えるのか?

画像7: (C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

映画史上最悪のバッドエンドと言われる『ミスト』ですが、誰の立場で観るかによってその捉え方はさまざまです。

原作とは異なるラストであることと、結末の非情さから「あまりに酷い」「なぜこんなラストにしたんだ」と批判の声が上がる一方、スティーブン・キング自身は「もし執筆中にこれを思いついていたら、この通りにしたのに!」と絶賛しているのがまた面白いです(笑)

「希望」と「絶望」は常に隣り合わせである

『ショーシャンクの空に』で、“希望を捨てなければ道は開ける”ということをあれだけ教えてくれたスティーブン・キングが、本作では“希望と同じくらい絶望も常に隣にある” という何とも残酷な事実を突きつけてくるので、もうこちらの感情はぐちゃぐちゃです(笑)!

信じる者は救われるとか、正義は必ず勝つとか、決して世の中はそんなうまくは出来ていないってことを無理やり分からせてくるし、でもやはり希望は捨ててはいけないというメッセージにも取れるし……。

あーーーもう! 何ですか? この映画は。(笑)

でも私的にはこの絶望が大好きで(性格に難あり)、だからこそ何度も観てしまうんですよね。

ちなみに2017年にはNetflixでオリジナルドラマ「ザ・ミスト」として、新たなキャスト・ストーリーで配信が開始されましたが、人気は出ず……シーズン1で打ち切りになってしまいました。

それくらい映画の衝撃とイメージが強すぎるってことですよね!

『ミスト』、最近観ていなかった人は改めて、観たことない人は絶対観てくださいね!(心が元気な時に。笑)

【ミスト 予告動画】

画像: - YouTube youtu.be

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画像: これぞ胸糞映画代表! スティーブン・キングが贈る衝撃のパニックホラー『ミスト』【シネマ・グレイ File.050】

紺野ミク|Miku Konno

モデル・女優などで活躍中の他、2017年からはライターとしても活動。連載を持ちコラム執筆をするなど多方面で活躍中。お酒・映画鑑賞が大好き。

InstagramXYoutubeにて活動をcheck。

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