《自己紹介》
『singles』をご覧の皆さんこんにちは!モデルをしながらライターとして記事を書いている「紺野ミク」です。こちらでは映画大好きな私がオススメする作品を紹介しています。好きなジャンルは考察系、クソ映画、鬱映画など見終わった後にモヤっとする映画が大好きです(笑)独断と偏見で楽しくツッコミながら紹介していくのでよろしくお願いします☆
米文学史上最大の問題作を映画化!『アメリカン・サイコ』
(C)2000 BY AM PSYCHO PRODUCTION, INC.
1991年に出版されたブレット・イーストン・エリスの小説を、メアリー・ハロン監督が映画化した『アメリカン・サイコ』(2000)。
1980年代後半のマンハッタン ウォール街を舞台に、投資会社に勤めるエリートビジネスマンでありながら、快楽殺人を繰り返すシリアルキラーを描いたサイコホラーです。
犯罪映画であると同時に、痛烈な社会風刺と皮肉を前面に押し出したブラックコメディとなっており、米文学史上最大の問題小説が完全映画化になったことで話題となりました。
さらに、いまや『ダークナイト』(2008)や『ターミネーター4』(2009)などのヒット作に出演するクリスチャン・ベールが注目された作品でもあります。
2013年にはロンドンでミュージカル化され、2016年にブロードウェイに進出、2019年・2020年にはオーストラリアでも成功を収めるなど、数々の実写化がされている名作です。
エリートビジネスマンとシリアルキラー、二つの顔を持つ男
1980年代、バブル期のニューヨーク。ウォール街にある証券会社のエリートビジネスマンとして、誰もが羨む贅沢な生活を送るパトリック・ベイトマン。
(C)2000 BY AM PSYCHO PRODUCTION, INC.
高級フラットに住み、デザイナーズスーツに身を包んで完璧な体型を維持するベイトマン。
周りにいる同じくヤッピー(20〜30代の高学歴で都市部に住み、高収入な職業に就く人々のこと)と、来る日も来る日も流行りの高級レストランで食事をし、ブランド物や見栄えのいい彼女を競う毎日。
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社会的な成功をすべて手に入れているように見えたベイトマンですが、物質では満たされない心の乾きを感じるようになっていました……。
次第に目立ち始める奇行、そしてベイトマンはついに、
殺人への衝動が抑え切れなくなってしまうのです!!
(C)2000 BY AM PSYCHO PRODUCTION, INC.
昼は誰もが羨むエリートビジネスマン、夜は猟奇的連続殺人鬼という二つの顔を持つベイトマンの精神は、日を追うごとに徐々に壊れていきます……。
現代のアメリカ社会の虚栄と崩壊
映画の中でベイトマンが繰り広げる「名刺マウント合戦」や「セレブ活動」。
些細な行動で相手を見下し、物質的な価値にこだわるベイトマンの日常は、社会に消費される滑稽さとその空虚さを強調しています。
(C)2000 BY AM PSYCHO PRODUCTION, INC.
煌びやかなのに、狭く限られたコミュニティ。その中でしか生きられないベイトマンには一貫した自己が存在せず、他者と比較することでしか自分を確立することができないのです。
暴力と殺人で一時的な快楽を得ても、最終的に彼に残るのは絶望的な「無」。
その哀れな姿は、
“現代のアメリカ社会の虚栄心” そのものなのです。
現実と幻覚の混在
『アメリカン・サイコ』では、現実と幻想の境界線が曖昧になるシーンが多く描かれてます。
(C)2000 BY AM PSYCHO PRODUCTION, INC.
ベイトマンが行う殺人や見ている光景は果たして現実なのか? それとも彼の妄想なのか?
とくに後半からは、現実と考えるにはあまりにもおかしなシーンや言動が見られます。
これはベイトマンが、徐々に精神崩壊をする様子を描いているのか?
そのグレイな世界が物語をさらに混乱させていき、ただのサイコスリラーではないおもしろさに釘付けになります!
『アメリカン・サイコ』、週末のお供にいかがですか?
【アメリカン・サイコ 予告動画】
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