春とお花見をアートでも! めいっぱい春を楽しむ企画展5つ
3月になりました。だんだんと春になっていくこの季節、桜やさまざまなお花が鮮やかな姿を見せるのを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
そんな季節におすすめの、春らしさを感じられる企画展をご紹介します。
毎年おこなわれている春の企画展から、それと連動した企画展、桜がテーマの企画展まで。
春めいてきてウキウキするこの時期に、お花とアートを見にちょっとそこまで。三寒四温と言いますし、まだ寒くなる日もありますので、服装には気をつけてお出かけくださいね。
美術館の春まつり(東京国立近代美術館)
※Instagramは昨年の展示の様子です。同じ作品が展示されます。
まずは、例年開催されている美術館の春まつりをご紹介します。
毎年楽しみにしている方も多いこちらの企画展、今年も開催されます。近隣に桜の名所も多く存在している東京国立近代美術館ですが、その桜とともに春らしいアートを楽しむのはいかがでしょうか。
重要文化財である川合玉堂の《行く春》は、春のこの時期にだけ公開されます。春らしい展示が楽しめる「MOMAT コレクション」では、テーマごとに分けられた12の展示室でさまざまな春を堪能できます。
美術館の春まつりの特集展示は3階10室でおこなわれます。期間中は展示替えがあり、春まつりの展示は2025年2月11日(火・祝)~2025年4月13日(日)の予定となっていますので、ご都合をあわせてお出かけください。
また、前庭にはお休みどころが設置され、桜とともにドリンクやフードのテイクアウトを楽しむこともできます。
ぜひ、美しい桜のなかを楽しんでくださいね。
美術館の春まつり
会場:東京国立近代美術館(東京メトロ東西線「竹橋駅」1b出口 徒歩3分)
会期:2025年3月13日(木)〜2025年4月6日(日)
『ボッティチェリ 美しきシモネッタ』特別公開展(丸紅ギャラリー)
《ヴィーナスの誕生》で有名なボッティチェリ。そのテンペラ画(油絵以前の絵画)のひとつ《美しきシモネッタ》が、上記の美術館の春まつりと連動して特別に公開されます。
描かれているシモネッタ・ヴェスプッチは、まさに《ヴィーナスの誕生》のモデルであったとも言われており、”フィレンツェの春”や”ルネサンスの春”のアイコン的な存在の女性でもありました。
2025年は、ボッティチェリの世界的研究者・矢代幸雄の没後50周年、またシモネッタが登場人物となっている小説『春の戴冠』の著者・辻邦生の生誕100年に当たることもあり、この展示はその記念の形もとっています。
この《美しきシモネッタ》は、日本で唯一所蔵されているボッティチェリのテンペラ画ですので、この貴重な機会にぜひ見に行ってみてくださいね。
『ボッティチェリ 美しきシモネッタ』特別公開展
会場:丸紅ギャラリー(東京メトロ東西線「竹橋駅」3b出口 徒歩2分)
会期:2025年3月18日(火)〜2025年5月24日(土)
桜 さくら SAKURA 2025 ―美術館でお花見!―(山種美術館)
日本に法定の国花はありませんが、桜は事実上の国花なので日本人にとって特別な花。その開花を楽しみにしている方は多いことでしょう。
この企画展では、桜を描いた作品を数多く展示し、まるでお花見のような空間を楽しむことができます。
桜の花は、咲いているときも、散っていくときも、人々を魅了してやまないものです。数多くの画家もその姿に魅せられ、モチーフとして多様な桜を描いてきました。
桜を見る女性を描いた松岡映丘の《春光春衣》、夜の桜を描いた速水御舟の《夜桜》など、さまざまな桜の姿を見ることができます。
絵画の中で咲き誇るたくさんの桜を、ぜひ堪能してくださいね。
桜 さくら SAKURA 2025 ―美術館でお花見!―
会場:山種美術館(JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」 2番出口 徒歩10分)
会期:2025年3月8日(土)〜2025年5月11日(日)
世田谷美術館コレクション選 緑の惑星 セタビの森の植物たち(世田谷美術館)
風景画から植物を主体にしたボタニカルアートまで、人々は多くの手段で植物を描いてきました。
植物は、ほかの生命が生きていくのに欠かせない存在です。命を支え、また心を癒やし豊かにしてくれます。
この企画展では、世田谷美術館(通称 セタビ)に所蔵されている作品から、バリエーション豊かに植物を描いた約130点が展示されます。
作品の約半数がコレクションされてから初の公開となり、その表現のジャンルも絵画にとどまらず写真や彫刻など多岐にわたります。人々と植物、双方の関係性を考える良い機会になるでしょう。
また、自然豊かな環境である世田谷美術館ならではの楽しみもあります。タイミングが合えば、桜や梅が開花した砧公園や「セタビの森」を堪能することができるかもしれません。
世田谷美術館コレクション選 緑の惑星 セタビの森の植物たち
会場:世田谷美術館(東急田園都市線「用賀」駅 徒歩17分)
会期:2025年2月27日(木)〜2025年4月13日(日)
百花ひらく-花々をめぐる美-(皇居三の丸尚蔵館)
四季ごとに多くの彩りを見せる植物たちは、人々の心を和ませたり魅了したりしてきました。とくに季節のはっきりした日本では、草木や花々は、アートの分野においても古くから重要なモチーフとして用いられてきました。
この企画展では、花をテーマにした絵画や工芸、書跡※が45作品公開されます。11世紀から現代までの作品を見ることで、花々の美しさやその造形の豊かさに気づくことができるでしょう。
※書道の作品やお坊さんの書いた書
見どころはなんといっても国宝である伊藤若冲による《動植綵絵》から、花を描いている4幅が公開されるところです。
公開は前期と後期に分かれ、前期は《桃花小禽図》と《牡丹小禽図》、後期は《梅花小禽図》と《薔薇小禽図》が展示されます。これらは写真撮影もできますよ。
百花ひらく-花々をめぐる美-
会場:皇居三の丸尚蔵館(地下鉄各線「大手町駅」C13a出口 徒歩5分)
会期:2025年3月11日(火)〜2025年5月6日(火)
春と花、この季節をアートでも思い切り楽しんで!
今回は、春や花が楽しめる企画展を5つご紹介しました。
美術館の周辺には自然が接していることもあります。実際に公園や花々の間を散策できる場合もありますので、周辺情報をご確認のうえ、アートとお花で春を満喫してくださいね。
まだ寒い日も続きます。服装にはお気をつけて、春のお出かけをお楽しみください。