こんにちは。アプリソムリエの今井安紀です。
今回ご紹介するのは、昔のゲーム音みたいなピコピコした音色の曲を打ち込んで作れる『PICO CHIPPER』というアプリです。以前楽曲制作アプリを探していた時にたまたま見つけたもので、おもちゃみたいな単純構造で制約も多いからこそ面白いなと思いました。実はWAVでの書き出しが可能なので、作った曲を他でBGMにつけたり、DTMソフトに読み込んで使うなんてこともできそうなんです。
簡単な曲を作って打ち込んでみたので、その様子を交えながら使い方などをご紹介いたします。
ファミコンっぽい音が作れちゃう!工夫次第で面白い曲作りができそうなアプリ。

アプリを立ち上げると使用開始の音でピコピコ音!この時点でちょっとワクワクしてきます。
画面はピアノロール形式なので、五線譜とかよくわからない!という人でも楽器を弾くように入力できちゃうんです。
音の入力方法ですが、打ち込みたい場所にカーソルを移動させ、指を離すとその場所に音符が入力されます。間違えて入力してしまった場合には同じ動作をもう一度行うと消すことができるようになっています。長音を入力したい時には最初同様カーソルを移動させ、そこから引っ張るようにしながら長押しすればOKです。
入力方法はちょっとコツがいりますが、使っているうちに慣れてくるので大丈夫だと思います。

音色は操作板の下段右から2番目で選択でき、使えるのは「矩形波」「三角波」「ノコギリ波」「ノイズ波」の4種類。最初の3つはメロディーを奏でることができ、ノイズ波は長音だといわゆるノイズ、短音だとザッザッというイメージの音になります。
トラック数は4つで、全て単音。トラック内に和音を設定することができません。昔のファミコンと同じような仕様になっています。トラックの切り替えは「CH. 1」と書いてあるアイコンをタップすることで行います。

歯車アイコンから矢印の出ているアイコンをタップすると、左のスクショのように小説数で曲の長さを決めることができます。
1小節は8音となっており、8分音符として使うか16分音符として使うかで4拍子か2拍子かを決め、小節数を割り出すと良いでしょう。なお、3拍子の設定はありません。アクセントがないので作ろうと思えば作れると思うのですが、入力が非常にやりづらいと思います。
また、画面の一番右下にある鉛筆アイコンをタップするとこのように移動するだけで入力にロックをかけることができます。画面を大きく動かしたい時にはとても便利です。
そして、画面の拡大縮小は上段左から2番目のルーペのアイコンから行えます。

「BPM」をタップすると曲のテンポを設定することができます。BPM=Beats Per Minuteなのでここが60だと1秒と同じ長さ、画面のように120だと1秒の倍の速さで一拍が進みます。
その隣のメガホンのアイコンをタップすると、各トラックごとの音量を調整することができます。メロディーは大きめに、それ以外は少し小さくしたいとか、ベース音を強調したいなどといったことはここを使えば可能です。
BPMや音量は途中でも変更が可能なので、作りながら調整しても良いでしょう。
簡単な曲を作って打ち込んでみました。4トラックでもなかなかの聞き応え!

曲を打ち込んでみないことにはこのアプリの魅力も使い方も伝わらない!ということで簡単な曲を作って『PICO CHIPPER』に打ち込んでみました。
音色も仕様もファミコンっぽいので、昔のゲームに出てきそうな曲を考え、入力。完成画面の一部がこのようになっています。トラックごとに色が分かれているので見やすい!
実際に入力しているところの画面のキャプチャと完成形をInstagramにUPしました。
音が入力される様子や、和音ができず1トラック内で1音だけなので、別のところに音を打ち込むと前の音が移動する形になるところ、長押しして入力したり、音を消したりといった入力の際の動きがこれでわかるのではないでしょうか。
音色選びもこの動画の中で行っているのでぜひ聴き比べてみてください。
こちらが完成した曲です。
ノイズ波をリズムに利用し、ベース音をしっかり響かせるようなアレンジに。副旋律をしっかり動かして充実させることによって、4トラックでも厚みのある仕上がりになりました。結構しっかりした音です。
トラックで和音を重ね、賛美歌っぽいのを作ってみてもゲーム内で神様が出てくる場面とかでありそうな音になりそう!
音符とかよくわかんない感じでテキトーにメロディ作るとどうなるのか?

画面はピアノロールになっていますが、実際音楽わからないとまともに曲なんて打ち込めなくない?ということで、テキトーにメロディ打っても成立するのかを試してみました。
とはいえさすがにリズムくらいはわかるでしょ!ってことでリズムを最初にノイズ波を使って入れておきました。4マス塗って、4マス塗らない、これを最後まで繰り返すだけです。これで「ザッ、ザッ、……」と一定のリズムを刻む音ができました。

次にオレンジのトラックの部分をテキトーに落書きをするように打ち込んでみました。これでまともな音になるのか……?さすがにぐちゃぐちゃ過ぎたらやばいと思い、緑のトラックは小節ごとに音を切り替える方式に。ベタにドミソミという誰でも知ってそうな音から始めてみました。そのあとはペースを守りつつ、まぁ、聞きながら適当にいい流れの音を選んでいけばいいと思います。
3つ目のピンクのトラックは高い音をピーーーと引っ張ってみました。これもテキトーに聞きながら音選びをした感じです。
完成したのがこちら。うん。なんとなく気持ち悪いし最後の無理やり終わらせた感がすごい!
でも、切迫した場面とかにこんな曲ありそう!ともなんとなくですが思ってしまいました。テキトーに入力しても、なんかありそうでそれっぽく聞こうと思えば聞けちゃうのはピコピコ音のなせるマジックですね。
作った曲は保存できる!WAVで書き出せば他での活用も。

チープな作りになっている『PICO CHIPPER』ですが、ファイル機能はしっかりついています。
歯車アイコンからファイルのアイコンをタップすると、ファイル管理画面にジャンプします。今まで作った曲の保存はこの画面のファイルアイコンで実行。以前のファイルを呼び出したい時はそのファイルをタップして一番右下の矢印が斜め上を向いているアイコンをタップすればOKです。

ファイルが保存されると「saved to PCP FILE」という文字が現れ、そのあと一覧を見るとその時の日時の入ったファイルが追加されています。「PCP FILE」は『PICO CHIPPER』独自のもので、他のアプリでは使用できないそうです。
他のアプリでも使用したい場合にはWAV形式での書き出しのみ対応しています。WAVをタップしてWAVファイルで保存したあと、共有ボタンからAirdropを使ったり各種ソフト・アプリへの書き出しを行ってみましょう。
『PICO CHIPPER』のアプリ自体は古いですが人気は根強く、いまだにTwitterでも「作ってみた」動画などを見かけます。慣れてくれば楽器のように直感的に鳴らして遊べるので、音で遊びたくなったらこのアプリを使ってみてくださいね。
PICO CHIPPER
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