桐野夏生さん著書の
「グロテスク」を読みました。

上下巻に分かれており、
かなり分厚い本だったので
久しぶりに読むには少し大変かな…
と思っていたのですが、
途端に引き込まれて一気に読み切ってしまいました!

画像: グロテスク

怪物的に美しいユリコを妹に持つ「わたし」。
同じハーフとしてこの世に産まれたのに、
あまりの見た目の違いに、
わたしは容姿にコンプレックスを抱き
小さい頃から、ユリコのことを憎んでいた。
名門Q高校に進学することを条件に
わたしだけが日本に残り、
ユリコと両親はスイスへと移住することで、
やっとユリコと離れることができた。
母方の祖父との二人暮しが始まる。

わたしがユリコから解放されたと思っていた
その数ヶ月後…
母の自殺をきっかけにユリコが日本に帰国する。
更には、わたしと同じQ学園へと編入してきた。

わたしが入ったQ高校は、
エスカレーター式の名門高校。
その中は「嫌らしいほどの階級社会」。

その中で階級に関わることをやめるわたしと
圧倒的な美貌で
階級社会を上手に生き抜くユリコ。

その反面、Q高校で
出会ったわたしと同じ途中入学の和恵。
彼女は競争心むき出しにしてしまったことで、
孤立してしまう。
が、それでもひたむきに頑張りQ大学へと進み、
一流企業のOLとしてキャリアを積む。

その和恵とユリコは二十年後、
渋谷で娼婦として殺される…

彼女たちになにがあったのか…

1997年に一流企業のエリートOLが
東京渋谷の円山町で絞殺された事件、
「東電OL殺人事件」
という実際の事件を取材した作品です。

実際私はこの事件のことを知らずに
読み始めたのですが…

その事件のことよりも、

メインの登場人物として出てくる、
わたし、ユリコ、和恵、ミツル。
同じ場面の内容でも、
ここまで捉え方、感じ方が違ってくるものなのか
と、私は少し怖くなってしまいました。

その反面、彼女たちに
段々と興味をそそられていく自分もいました。

なので、読み始めると止まらずに、
寝るのも惜しんで読んでしまいました(笑)

階級社会…現代社会で生きる
女性たちの生き様が
描かれた作品でした!

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