
八月納涼歌舞伎
見て参りました。
第一部
一、おちくぼ物語
二、棒しばり
第二部
一、ひらかな盛衰記
二、京人形
第三部
一、芋掘長者
二、祇園恋づくし
通常は、昼の部と夜の部ですが、今回は、三部に分かれておりました。
棒しばりも好きですが、今回は第三部が好評との事で、芋掘長者と祇園恋づくしを見てきました。
【芋掘長者】
踊りが苦手な男の困った末の大一番
息女緑御前の婿選びの舞の会に、友人の治六郎と共に現れたのは、緑御前に思いを寄せる芋掘藤五郎。
舞が出来ない藤五郎のために、面をつけた舞上手の治六郎が途中で入れ替わり、藤五郎のふりをして見事な舞を披露します。感心した緑御前から、藤五郎が面をとっておどるよう所望され…
藤五郎が困った末に見せる芋掘踊りなど面白みある舞踊です。
藤五郎演じる中村橋之助さんの踊れない役の舞が、扇を頭の上に出したり、本当に面白かったです!
最後は開き直って自分の得意な芋掘踊りを、芋を掘ったり、ツルを抜いたり、コミカルな踊りが見事でした!
日舞を習う私としては、緑御前演じる七之助さんの舞は、所作ともに勉強になりました。
些細な仕草、目配せ、しなやかさ、すべてにうっとりでした。
ラスト緑御前もみんなで、おしり振りながら踊る姿が、なんとも心温まる演目でした!
【祇園恋づくし】
祇園祭りでからみ合う意地と粋と恋
京都三条で茶道具屋を営む大津屋に、主人次郎八が若い頃、江戸でこ世話になった人の息子、指物師留五郎が、祇園祭が近いので滞在していました。
ですが、京に馴染めず、江戸に帰ろうとするが、次郎八の妻おつぎの妹おそのに一目惚れをした留五郎は、そのおそのから、江戸に連れて行ってほしいと言われ、有頂天!ですが、手代文吉と深い仲で、駆け落ちの手助けを頼まれただけだった。そんな中、おつぎからは次郎八が浮気をしているかもしれないので調べてほしいと頼まれ、結局、留五郎は京にとどまることにします。
一方次郎八は、ひいきの芸妓染香に熱を上げていますが、どうにもうまくいかない様子。山鉾巡行の当日、次郎八と留五郎は持丸屋太兵衛に鴨川の床へ招かれ…
祇園祭を背景に、京と江戸の意地の張り合い、恋愛模様を明るく描いた作品です。
いや~本当に面白かったです!わかりやすいのもありますが、それぞれの掛け合いから、競い合い、駆け引き合い…アドリブ満載で本当にお腹抱えて笑ってしまいました。
まずは、次郎八が熱を上げている芸妓染香は、ケチな次郎八が大嫌いでそのやりとり。
主人治郎八の浮気に嫉妬で狂いそうなおつぎと、そんな次郎八を全く相手にしていない染香のやりとり。
京都の川床での舞台上で、扇雀さん演じる次郎八と、勘九郎さん演じる留五郎との、京と江戸のやりとりがテンポよく、本当に面白かったです。
勘九郎さんの長ぜりの滑舌のいいこといいこと!素晴らしすぎました!!
「祇園恋づくし」は何十年ぶりに上演された演目なんですって!!こんなに面白い演目なのに!
ぜひ、歌舞伎が初心者でも、第三部は分かりやすく、きっと楽しめると思います!!
28日が楽日ですので、お早目に。
※ラスベガスのベラージオの噴水とコラボした歌舞伎が開催されたようですね!
お盆の14~16日までと終ってしまいましたが、
染五郎さんが鯉つかみを披露されたそうです。
その動画が歌舞伎座のHPでも見れますので、ぜひ見てみてくださいね。
日本の伝統ある歌舞伎とベラージオの壮大な噴水の動きが一体化し、圧巻です!!