
宮部みゆきさん代表作「模倣犯」
長かった〜でもあっという間でした!!
全五巻の長編作で、なかなか読む勇気がなかったのと、読んでしまうのがもったいなくて、ページを捲るのを拒んでいました。笑
「ブレイブストーリー」「蒲生邸事件」等ファンタジー系も好きですが、やっぱり宮部さんといえば、「火車」「魔術はささやく」そして、直木賞受賞の「理由」等のミステリー作品!!
君は死にたくないって命乞いするけど、今の君みたいなちっぽけな存在のまま生きてたってしょうがないじゃない?
でも僕の手にかかって、僕のつくる連続殺人の被害者って形でこの一大イベントに参加したならば、君の名前は日本中で有名になって、みんなが君のことをよく知るようになって、みんなが君の名前を覚えてくれて、みんなが君の死を悼んでくれるよ、これってすごく素晴らしいと思わない?
ある日、下川公園のごみ箱の中に、女性の右腕が発見される。。。
そこから女性連続殺害事件の舞台が始まります。
全てのシナリオを彼が書き、被害者は登場人物の一人。そして、彼は演出家。
3部構成になっており、まず1部は、被害者家族、捜査する側の視点で描かれており、2部は、犯人からの視点。そして、3部は、それからの話で、様々な人間に入れ替わり、犯人側もそうでない側も交じり合って描かれ、それぞれの登場人物が交差していくようになっていきます。
また、犯人、被害者家族、加害者家族、警察、マスコミ等それぞれの視点で描かれており、人間の心の変化を絶妙なタッチで描かれているのもこの作品の面白さ、魅力の一つだと思います。
この作品は、普通のミステリーやサスペンスではなくて、人間そのものの姿を描いた作品だと思いました。
人間って、誰にも理解できない、複雑な生き物だということ。
育った環境で、人は恐ろしく豹変する。
この人間社会の中で、人間の弱さ、残虐さ、あらゆる感情を描いた、本当に面白い作品でした!
サスペンスといえば、宮部みゆきさん!
宮部みゆきさんといえば、模倣犯!
といってもおかしくないほど、オススメの作品です!