
是枝裕和監督、最新作。
父に捨てられた三姉妹と、父の愛人の娘とが、父の死をきっかけに家族になっていく物語。
是枝監督作品は、淡々と、全てを語らずも、語りかけてくる。観るものの想像力を掻き立たせる。
鎌倉を舞台に、四姉妹の淡々とした日常に、それぞれに悩みを内に秘め、葛藤しながら、乗り越えて、そして、受け入れていく…
また、冒頭から、食べる!食べる!
卓袱台を囲んでの朝食のシーンから、電車の中での駅弁、天婦羅そば、しらす丼、しらすトースト、シーフードカレー、おばあちゃんのちくわカレーに、おはぎ、食堂の鯵フライ定食、かき氷…そして、おばあちゃんの漬けた梅酒。
この物語は葬儀のシーンが多く、生と死についても語っています。
生きる=食べる
を意味しているのでしょうか。
鎌倉の四季折々の風景も本当に美しかったです。
桜のトンネル、梅雨の紫陽花、縁側での梅の収穫、浴衣で花火、紅葉、こたつ…
日本の美しさと、四姉妹の優しさに、心和む作品です。