
第68回カンヌ映画祭ある視点部門オープニング作品に選ばれた『あん』
『萌の朱雀』『殯の森』等の受賞作を手掛ける河瀬直美監督最新作。
らい病(ハンセン病)で世の中から閉ざされ、逃れられない運命を受け入れて生活を送ってきた、樹木希林さん演じる徳江さんの悲しさ、辛さが、胸が剥ぎ取られるくらい痛い程、伝わってきて、日の目を見た、あん作り、人との触れ合いがどんなものだったか、それを思うと本当に、ただただ涙が溢れて止まらなかった。
「私たちはこの世を見るために、聞くために、生まれてきた。この世は、ただそれだけを望んでいた。…だとすれば、何かになれなくても、私たちには生きる意味があるのよ。」
徳江さんの強さ、優しさそのもの。
満開の桜が芽吹く様、儚く散る様、葉の落ちる様、風のざわめき…一瞬一瞬、みんな生きている。
生命の尊さを改めて考えさせられます。
四季折々の風景も美しかった。
ぜひ、沢山の人にこの作品を観てもらいたい。
素晴らしい作品です。