画像: The Search

「あの日の声を探して」

観てきました。

「アーティスト」で、アカデミー賞5冠に輝いた、フランスのミシェル アザナヴィシウス監督が、長年、どうしても描きたいと願い続けた作品。

泣きながら、生きる。

135分、衝撃の連続すぎて、ここまで感情をフル回転させられ、涙が止まらなかった作品は初めてでした。
今でも、思い出すと感情が溢れ出てきます。

本作を観るまで、チェチェン問題の知識が全くというほど無知だった自分を恥じています。
改めて、戦争で犠牲になるのは、何の罪もない、子供達だということ。
計り知れないほどの人々が犠牲になるということ。

これは、今、現在の社会を写し出した2つの物語で構成されており、
一つは、チェチェンで、目の前で両親を銃殺され、ショックのあまり、声を失った9歳の少年、ハジと、もう一つは、ロシア軍に強制入隊させられた青年兵士コーリャの物語が描かれています。

話せないからこそ、ハジの悲しさ、哀れさ、寂しさ、心の叫びが痛烈に伝わってくる。
ただ、時折見せる笑顔がなんとも愛おしくて、最後のダンスシーンは忘れられません。

また、一方、ごく普通の青年が、軍隊に入る事で、人間性を失い、殺人鬼へと豹変していく姿を描いており、監督も語っていたのが、
「いかにシステムが人間を押し潰し、殺人者に仕立て上げるかということだ」
一社会に一歩踏み入れると、夢や正義をいつの間にか忘れ、自然とその組織に馴染んでいってしまうという、人間の弱さ、恐ろしさを描いています。

本当に考えさせられる、そして、目を背けてはいけない問題だと、痛感させられる作品でした。

沢山の人々に、今のこの現実の社会を知ってもらう、意識してもらうためにも、ぜひ観てもらいたい作品です。

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