滅亡へのカウントダウンが始まった地球・・・
近未来の世界。星としての寿命が近づいていた地球は、植物が枯れ始め、酸素の供給が減ることで大気は過度な窒素含有量となっていた。人類は、このままでは飢饉で絶滅するか、緩やかに窒息死していくか、いずれにしても絶望的な未来を待つしかなかった。
元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は、娘のマーフの部屋で起こる異変を通じて、NASAの秘密プロジェクトに加わることになる。
人類を救うため、銀河の彼方にある移住可能な惑星を探すというプロジェクトだ。
クーパーの前には12人の宇宙飛行士が既にトライしており、そのうちの3人が人類が棲息できる可能性がある惑星のデータを送ってきている。クーパーはそのデータを回収し、人類を移住させるという最後の望みを実現させるという重役を担うのである。
しかし、クーパーは娘のマーフに、人類が滅亡するという未来を告げることができない。人類を救うために宇宙に飛び立つ、その意義を伝えることができずにいる。わずか10歳の娘に絶望を与えたくないからだ。
そしてそのために、マーフは彼が自分たちを見捨てて宇宙に飛び立つと誤解する。

滅亡間近の地球
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娘に世界の終わりを見せなくてはならない??
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それが嫌なら、第2の地球を探せ。
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君が宇宙に行って、住める星を探すんだ・・・
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決意して、宇宙へ。
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娘を連れてはいけない。「お前を見捨てるわけではない」
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「見捨てるのではないなら必ず帰ると約束して」再会の約束を迫る娘

必ず第2の地球をみつける。必ず生きて帰る。
時間さえ飲み込むブラックホールを超える唯一の存在とは
強い心残りを抱きながらクーパーは宇宙に旅立つ。そして、思ってもみない真実を知る・・・。
相対性理論によれば、時間は伸び縮みする。だからブラックホールを介して、時間を短縮して、はるか数光年の先にある未知の銀河にたどり着くことがはできる。しかし、相対性理論の上では、時間は伸び縮みするものの、過去に戻ることはできない。時間は不可逆だからだ。
我々が生きている世界は三次元である。その三次元に時間を足すことで四次元になる。
さらにその先に存在する高次元、五次元に達する唯一の存在が重力だ。重力は時間をも捻じ曲げる。
五次元の世界の中では、時間でさえも物理的な物質であり、過去に戻ることも未来を覗くことも可能である。このあたりの理屈は、正直さっぱりわからない。ベースになっているのは、ブレーンワールド(brane world)と呼ばれる宇宙理論であるらしいが、文献をネットでいくら読んでもいまひとつ理解できない。
それはともあれ、クーパーはやがてブラックホールに落ち込み、その中で自分こそがマーフの部屋の異変を起こしていた張本人であると知る。そして、と量子物理学が破綻するブラックホールの特異点 で、五次元を理解するためのデータを得て、それを時空を超えて娘に伝えようとする・・・・。
最後に人類を救うのは?・
時空を超えて、父と娘を結びつけ、時間という不可逆な存在に操作するのは、愛である。愛は人知を超えて存在する。
クーパーはブラックホールの特異点の中から、娘にコンタクトして、人類を救うための方程式を解くための最後のピースになる情報を伝えることに成功する。そのキーとなるのは彼が娘に与えた時計であり、モールス信号を時計の秒針に送ることでこれを実現する。父から娘へのメッセージを伝える時計は、重力が、そして愛が時間を操作するということのメタファーでもある。
果たしてマーフは父からの決死のメッセージを解読できるのか?
そして、宇宙を漂うクーパーはマーフに再び会うことはできるのか?
「インターステラー」は非常に難解な映画である。その背景にあるのは超弦理論であったり、ブレーンワールドといった最先端の宇宙理論である。だから一般的な知能しか持たない我々に全てを理解しろというのは、あまりに酷だ。
しかし、詳細を知るまでもなく、愛こそが結果的に人類を救う、しかも人類全体を救おうとするような寛大な愛ではなく、父が娘の幸せを願うような偏狭な愛がだ。
「インターステラー」を観た後で思うことは、身近な人への愛だ。
小さく、狭い愛は、リンクしてネットワーク化することで、世界に広がる。まずは身近にいる大事な人を、大切に思う。そんな当たり前のことがまずは重要なのだとこの映画は教えてくれているように思う。
映画『インターステラー』父娘の絆編【HD】2014年11月22日公開
www.youtube.com映画『インターステラー』人類の挑戦編【HD】2014年11月22日公開
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