
ラブレスで直木賞を受賞した、桜木紫乃さんのデビュー作、氷平線。
彼女の出身である北海道を舞台にした、6つの短編集。
どれも桜木さんらしく、淡々と、でも生々しい、そんな感じの作品です。
その中でも、私が気に入ったフレーズがあります。
「いい女ってのは一生かかっても主役にはなれないのよ。主役はいつだって愚かな女なの。」
北海道の広大な土地の中で、なんらかの不幸や空虚感を抱えながら生きているけれど、それでも決断し、前向きに生きていこうとする、女性の芯の強さが描かれています。
ぜひ、女性に読んでいただきたい、そんな本です。