猿の惑星 創世記(ジェネシス)の続編

ジェームズ・フランコが主演した「猿の惑星」新シリーズの続編。
前作でエイプたちのリーダー シーザーの知能を飛躍的に活性化させた脳ワクチンは、人間には逆に特効薬のない致死的ウィルスとなって、人類の90%以上を死滅させていた。

遺伝子組換技術によって知能を得た猿(エイプ)たちは、山奥で平和な生活を営んでいたが、人類は滅亡の危機に瀕している。エイプは火も明かりも必要ないが、文明で育った人類はそうはいかない。

エイプも人類も、互いの存在を認め合えばすむはずが、エイプには人間たちに虐げられた記憶が、人間には急速に勢力を増やし始めた”知能ある猿”への恐怖があり、それぞれ拭い去ることができずにいる。

映画「猿の惑星:新世紀(ライジング)」予告編(100秒)

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画像: エイプたちも人間も、等しく未来を夢見る。

エイプたちも人間も、等しく未来を夢見る。

画像: 家族を思い、友人を大切にしたいと願う。

家族を思い、友人を大切にしたいと願う。

画像: 戦うことを避けようと願う。

戦うことを避けようと願う。

画像: それでも坂道を転がりゆくように戦争へと駆り立てられていく・・・

それでも坂道を転がりゆくように戦争へと駆り立てられていく・・・

異質な相手を恐怖する

生き残った人類は、電力を求めて古い水力発電所の再開発を目論むが、そこはエイプたちのコロニーの支配下にあったため、両者は必然的に接触を避けられなくなる。

共存を望む心は双方にあるが、互いへの恐怖が不信感となり、わずかな蹉跌や思い違いが、異常な力で恐怖を増幅させてしまうのだ。

この物語では結局、エイプが絶対的な勢力を握り、人類が追い詰められていく。どうしても悪い流れを止められない。人間側の主人公マルコムと、エイプ側のリーダー シーザーは少しずつ信頼を深めるし、マルコムの息子もまたエイプたちと友情を育むことができた。しかし、互いを憎悪する少数のエイプと人間の暴発が全体を巻き込んでしまう。

悪意や恐怖は伝染する。
異質な相手を理解しようとする論理的な判断を、瞬く間に圧殺してしまうのだ。

この物語は、人間同士の戦争がいつまでたっても収まらないし、常に新しい脅威の種があちこちで発生していることと同じ、負の連鎖を示している。

「アベンジャーズ」新作でも、人工知能が人類を地球平和を妨げる最悪の因子であると位置づけ、人類を滅ぼそうとする。この負の連鎖を断ち切ることはできないものか。

「猿の惑星」は、どのシリーズを見ても基本的にバッドエンドに向かう。
超娯楽大作であるのに、常に娯楽ではなく奈落へと落ちていくさまをみなければならない、非常に辛い、作品である・・・。

映画「猿の惑星:新世紀(ライジング)」特別映像(Ape Evolution)

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