画像: キカイダーREBOOT www.kikaider.jp

キカイダーREBOOT

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石ノ森章太郎(僕にとっては石森章太郎、というほうが親しんでいるが)原作の特撮テレビ番組、『人造人間キカイダー』のリメイク。

ロボット工学の最高権威 光明寺博士が造ったロボット「ジロー」(=キカイダー)。ジローは普段は人間の姿をしているが、戦闘モードの際には機械の姿(キカイダー)へと変身する。映画では、ナノテクノロジーを利用して 3D的に見た目を人間に見せている、とジローが説明している。

ジローは、心臓部に、人間的な優しさや思いやりのような気持ちをロボットに持たせることができる、良心回路と呼ばれる装置を備えているが、完成に至る前に光明寺博士が殺害されたため、不安定である。
キカイダーの頭部がずれているのは、左右非対称にすることによって不完全さを示している。
また、ボディーカラーの青と赤は、それぞれ青は正義の心、赤は悪の心を表現しているらしい。石森章太郎の構想ではキカイダーはピノキオをモチーフとしており、人間に近づこうとしてあがく姿を重ねているという。

キカイダーと好対照なキャラクター ハカイダー

ストーリーは、ロボットを人間のために役立てようと考える光明寺博士と、軍事利用を優先しようとするプロフェッサー・ギルとの軋轢から始まる。その結果プロフェッサー・ギルは光明寺博士を殺害するが、組織(実は国防大臣が黒幕)から裏切られる。
光明寺博士が残したロボット技術の開発データを求めて、光明寺博士の遺子(ミツコとマサル)を狙う組織から、二人を守るためキカイダーは戦う。

強敵として立ちふさがるのは、高橋メアリージュン演じる、良心回路を持たないロボット「マリ」。光明寺博士を殺害した張本人プロフェッサー・ギルが開発した。

画像: 高橋メアリージュン。関係ないが、実はかなりタイプ・・・。 ja.wikipedia.org

高橋メアリージュン。関係ないが、実はかなりタイプ・・・。

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そして、プロフェッサー・ギルが開発したもう一体のアンドロイド ハカイダーだ。プロフェッサー・ギルは自ら脳髄をハカイダーの頭部に移植することで、自分自身がロボットとなり、キカイダーを破壊し、自分を裏切った組織への復讐を始めようとする。

原作のハカイダーは、プロフェッサー・ギルではなく、逆に殺されたはずの光明寺博士の脳髄を搭載しているのだが、そこは映画化で変更されたところだ。
悪に染まって敵をライバルを殺害するという行為に及んだプロフェッサー・ギルの脳を移植、という設定は、当然ながらハカイダーの性格を大きく変えている。冷酷だが己れのルールや自分の主義にそぐわない悪事はしない、一本筋の通った不良、という印象の原作のハカイダーではなく、本作のハカイダーは単に破壊の権化になっている。

また、キカイダーにしても、良心回路が不完全だから不安定であるという原作の通りではなく、良心回路がついているから弱く、機械として強力であるために良心回路を外す、という流れになっているのが残念だ。

画像: ハカイダー。不良のバイク乗りのイメージそのものだ。 www.kikaider.jp

ハカイダー。不良のバイク乗りのイメージそのものだ。

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本作は、ビジュアルは悪くないし、アクションもいいが、脚本が甘く、映画としてはやはりB級だ。もう少しうまく作れたような気がするだけに残念だ。
考えすぎにならずに、普通に素直に作ればいいのにな、というのが、コミック原作の実写映画のほとんどに通じる僕の感想である。

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