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F8 2015

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FacebookがIPOを果たして以来(そして投資家目線でいうとそのIPOは短期的には失敗だった)、Facebookは常に二つのリスクポイントを懸念されてきた。
それはモバイルでのマネタイズの弱さと、若者の支持を失いつつあるということだ。

しかし、いまではFacebookはモバイルシフトに完全に成功し、インフィードの広告モデルもユーザーに受け入れられている。もう一つの懸念は若者の支持だが、これについてはWhatsAppnやInstagramを傘下に収めたことでもはや問題にならない。Facebook自体は、実名・肩書をオープンにしてつながるビジネスソーシャルに向かっていけばいい。
結局のところ、若者にも好かれて中高年にとっても落ち着く場所などはない。だからFacebookとしては若者が気軽に情報を扱えて、オープンに遊べる場としてInstagramを買収し、クローズドで”ヤバい”話題をやりとりするための場としてWhatsAppを買収した。

ビジネスソーシャルプラットフォームへ

Facebookはビジネスソーシャルとして、現在行われているF8(Facebookの開発者向けカンファレンス)で、幾つの興味深い発表をしている。
**まず一つは**、Facebook上でアップロードされたビデオを、他のサイトにエンベッドできるようになる、ということだ。
現時点では、仮に企業がFacebookページ上でビデオを公開したいと思った場合、YouTubeなどにアップして、同じものをFacebookページにアップするか、YouTubeのリンクを貼っている。さらに企業が別のサイトに動画を置きたいと思えば、YouTubeにアップしたデータをエンベッドすることになる。

これがFacebook上にアップした動画を、エンベッドできるのであれば、YouTubeにアップするのをやめて、まずFacebookページにアップしてから、そのリンクを別のサイトにエンベッドするという流れが主流になるかもしれない。
Facebookに直接動画をアップしたほうが、ニュースフィードに優先的に表示されるというのは有名な話だ。マーケティング的な観点からはFacebookにアップしたものを使う方が明らかに都合が良い。

**現在、FacebookはBuzzFeedなどのメディアから、記事リンクではなく、直接ニュースコンテンツをFacebook上で配信してもらうための交渉**をしているという。
つまりは記事制作者はコンテンツ配信業者になり、メディアはFacebookだけで十分だという論理になる。断れば、Facebookからのトラフィック流入に依存している新興メディアは、Facebookに蛇口を閉められてしまう恐れがある。
このように、現在のFacebookは、動画にしても、ニュースにしても、コンテンツ集約して、消費者に見せる場所=メディアとしての自分たちの立ち位置を相当な決意で強化している。

さらに、メッセンジャーアプリのAPIを外部開発者に公開することで、メッセンジャー自体もビジネスプラットフォームに変えようとしている。
企業は顧客サポートや、クーポンの提示や受け渡しなどにメッセンジャーを応用できるだろう。現在日本国内においてLINEが目指しているような、マーケティングツールとしてのマネタイズを目指していくということだろうと思われる。

Facebookは、世界最大のソーシャルネットワークサービスであると同時に、今後は最大のビジネスソーシャルメディアとして新たな成長を図っているのである。

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