5月2日は、2015年の、いや21世紀の第一四半期として、最大のスポーツイベントになりそうだ。
Face off
youtu.beかねてからボクシングファン待望の一大決戦、無敗の天才ボクサー フロイド・メイウェザー・ジュニア と、フィリピンの英雄マニー・パッキャオ の世界タイトルマッチが行われるからだ。
1年で100億円稼ぐメイウェザーと、大統領候補のパッキャオ
メイウェザーは1977年2月24日生まれの現在38歳。パッキャオは1978年12月17日生まれの36歳だ。ボクサーとしては、二人ともかなりベテランというか、これまでの常識ならば既に引退してしかるべき年齢だが、メイウェザーはいまだ47戦47勝無敗(史上初めて無敗で5階級制覇達成)と、全階級を通して最強=パウンドフォーパウンド(体重が同じならば、という前提で比較検討をしたときの最強を意味する)と称されており、衰えは一切ない。ファイトマネーは最低41億円で、PPV(ペイパービュー。視聴者ごとの課金)ベースでのギャラを含めると、50億円はくだらない。定期的に1年間に2試合をこなす契約なので、年収は100億円を軽く超えるのだ。

フロイド・メイウェザー
ja.wikipedia.orgパッキャオはメジャー世界タイトル (WBA、WBC、IBF、WBO) 6階級制覇をした怪物(史上二人目)。2012年12月に壮絶なKO負けを喫して以来、限界説が囁かれていたが、最近の試合ぶりを見る限り、怪物ぶりはまだまだ健在だ。
母国フィリピンでは英雄扱いされており、下院議員として政治活動も行っている。知名度は群を抜いているから将来の大統領候補と言っていいかもしれない。

マニー・パッキャオ(通称パックマン)
ja.wikipedia.org二人のファイトスタイルは対照的だが、ライフスタイルは意外に・・・
メイウェザーはディフェンス(防御)重視の典型的なアウトボクサー。相手の拳をことごとく躱すテクニックは超一流だ。しかも当て勘がよく、敵のパンチを避けるやいなや、相手の顔をスナップの効いたジャブやストレートで正確に打つ。一撃で倒せるようなパワーはないし、そもそも強く叩くことはしない。無理にKOを狙って、ミスをするようなリスクはおかさないのだ。
反対にパッキャオはパワフルなパンチを持ち、常にKOを期待させるファイター型だ。相手を追い回すアグレッシブな戦い方は、パッキャオという名前にかけてパックマンと呼ばれる所以だ。
二人の対決は、真偽はわからないが、彼らの試合のゲームメーキングをするプロモーター同士が不仲であることや、メイウェザーがリスクを犯さない性格のためにパッキャオを避けてきたから、などの理由が囁かれ、長年ボクシングファンの夢の対決でありながら、熱望されつつも結局実現しない幻の一戦になると考えられてきた。
それがここにきて具体化した理由は、はっきりはわからないが、両者ともにそろそろ引退を考えており、最後にまとまった金を稼ぐ最大の方法であるこの対決を、真剣にとらえはじめた、ということなのかもしれない。

"The Money"
www.facebook.com実際メイウェザーは金の亡者(MONEY)というよろしくないあだ名をつけられている通り、成金主義全開の男として自他共に認識されている。高価な車を何台ももち、未婚ながら4人の子供を持っている。女性に目がなく、常に美女をはべらしている。ジャスティン・ビーバーとの親交も深く、ミーハー精神もはばかりなく披露している。
そして、政治家とボクサーの二足の草鞋を履くパッキャオもまた、飲酒やギャンブルにはまったうえに、数多くの女性と浮名を流している。
将来の大統領選への色気のためか、最近では夫人の厳しい監視のもと、乱行は戒めているようだが、メイウェザーとさほど変わらないと言えるだろう。
破天荒なエピソードと、類まれな才能を天から授かった二人がいよいよ激突する。
ボクシングファンを超えて、大きな社会現象を起こすであろう、スーパースター同士の夢の対決だ。
ボクシングにはあまり興味がなかった読者のみなさんも、ぜひ注目していてほしい。
Singles編集部も、引き続きウォッチしていく。