長身に少し濡れたような瞳と唇。浮ついて騒々しい若者ではなく、落ち着きと色気を持った大人の男性のイメージ。
ドラマ 「 昼顔~平日午後3時の恋人たち 」で、ヒロインの人妻を演じる上戸彩との許されざる恋に陥る高校の生物教師を演じたことで、エロい男の代名詞のように、いまもっともブレイクしている俳優の一人だろう。
モデル仕込みのエレガンス
斎藤 工(さいとう たくみ、1981年8月22日 - )は、日本の俳優。ブルーベアハウス所属。
東京都出身、日本学園高等学校卒業[1]。身長184cm。胸囲94cm、腹囲73cm、腰囲92cm、足28cm[2]。

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http://www.saitoh-takumi.jp/port/斎藤工は現在33歳。決して若い、と言える年齢ではない。モデル経験が長く、早くから俳優を志すも、あまり役に恵まれてこなかった、という。遅咲きのブレイクと言っていいかもしれない。
甘いマスクに低く響く声。長い指先にエロティックな想像をするのはやさしい。
苦労人である彼は、エロスのシンボルとしてブレイクしたことに戸惑っていると、多くのメディアで語っているが、それでも多くのCMやドラマで、その色気を全面に出した演出をされることに、内心でどう思っているかはわからないが、それを断るようなことはしない。
俳優として、世間に求められるイメージを作ることに対して厭うことがない。それは長いこと売れずに苦労をしてきたということに加えて、(被写体、もしくは服やブランドを引き立てる役目としての)モデル出身であることの良い影響があるのかもしれない。
そして、求められるエロスを、それでもエレガントに演じているのが彼の人気をさらに高めていると言えるだろう。
エロスを期待させるCM作り
youtu.beピエロであってもエロスであっても演じていく強さ
「昼顔」でのブレイクの前でも、斎藤工の、屈折した内面から放たれる昏い情熱を感じさせたのは、超人気ドラマと『相棒10 元日スペシャル 「ピエロ」 』でのテロリスト役だった。

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_10/story/0010/img/3.jpg
彼はホームレスとして死んだ、実父が唯一拠り所としていた空き地を買い取るための資金を、巧みな犯罪によって得ようとしていた。ピエロとは、作中で彼がしていた扮装のことでもあるし、彼を犯罪に駆り立ている動機そのものが、ピエロのように物哀しいという意味が込められているのではないか。
「相棒」シリーズには権力者であったり、異常者であったり、さまざまな犯罪者が登場するが、目的のためなら手段を選ばない冷徹さと、犯行動機の切なさ儚さの組み合わせが、矛盾せずに同居した犯人像を作り出したのは、斎藤工の抑えた演技力と容姿に多分によっていたと思える。
これまでのところ、斎藤工は主演俳優としての代表作がないように思える。ある意味、ブレイク前の堺雅人に似たところがある。
今後、彼が名実ともに時代を象徴する役者として評価されるには、堺雅人にとっての「半沢直樹」であったり「リーバルハイ」のような役柄をモノにすることではないだろうか?時代設定や相関図の中の輝きでなく、彼自身が中心の、彼のための作品が生まれることを強く望んでやまない。